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「吉田町の風景と歴史」 3

今日が、宇和島市”吉田町”をご紹介する最終回です。


吉田町が、宇和島伊達家十万石を分地し、三万石として成立したという歴史は既に書きました。


その吉田藩の歴史の中でも最も大きな事件が”武左衛門一揆”であったことと、その結末が本藩宇和島伊達家に起こった”和霊騒動”に合い通じるものがあることも、昨日書きました。

江戸図1   今日は、それらの最終回として”国安の郷”に作られている”法華津家本店”の施設と共に資料館に展示してあるものをご紹介しましょう。


これは、吉田藩が宇和島藩から分地され、吉田の”御陣屋”町として栄えていた頃の日本全図の中の”江戸”を中心とした地方の”絵図”です。


江戸期を通じて、参勤交代がありましたから、吉田から江戸に通じるこうした資料は、当時の吉田藩にとっても貴重なものであったでしょう。

四国図2   この画像は、その”日本全図”の中の”四国図”です。


当時はグーグルの衛星写真があったわけでもなく、四国と言う小さな島でも、その全体像を捉えることは容易なことではなかったはずです。


でも、こうして1700年代には四国図を始めとして、日本全図が作られていました。


ただ、正確な日本地図が作られたのは、これから100年後の1800年に入ってからです。


伊能 忠敬”(いのう ただたか)が、足かけ17年をかけて全国を測量し”大日本沿海輿地全図”を完成させ、日本国の歴史上はじめて国土の正確な姿を明らかにしました。

屏風3   この屏風に描かれている”家紋”は、吉田藩伊達家のものです。


宇和島伊達家は仙台の伊達藩藩祖”伊達政宗”の長男”伊達秀宗”が入部して始まりました。


その仙台伊達家の家紋は、有名な”仙台笹(竹雀)”といって、向かい合った雀を笹が取り囲んでいる図柄です。


ですから、仙台伊達の血縁大名である宇和島伊達家と吉田伊達家の家紋も、図案の基本は向かい合った雀を笹で取り囲んでいる図柄となっています。

人面瓦4   こちらは屋根の”鬼瓦”の一つである”人面瓦”です。


当時の考え方には、外部からの侵入者を大きな”鬼瓦”で防ぐというものがありました。

甲冑5   こちらは武家屋敷に飾ってあった”甲冑”です。


既に江戸も後期に入りますと、戦国時代のような合戦はなくっていますから、こういう”甲冑”も武家の権威を象徴する美術品に近くなっていきます。


仙台の伊達政宗の甲冑の兜には、大きな三日月の文様が輝いていますが、この甲冑の兜にはそれが見られません。

火縄銃6   こちらは堺の有名な鉄砲鍛冶である”芝辻長左衛門邦考”作の”火縄銃”です。


堺の”芝辻長左衛門”は堺を代表する五鍛冶の一つで、長らく堺の鍛冶の世界に影響を与えてきました。

印籠7   こちらの”印籠”の紋は、吉田伊達家の家紋が彫り込んであるので、吉田伊達家の当時の当主が使用していたものでしょうか。


いずれにしても、貴重な歴史遺産であり、優れた工芸品とし長く残していくべき逸品なのでしょう。

八鹿9   こちらは、現代にも伝わっている”八鹿”の面です。


今でも、旧宇和島藩の領地であった町や村では、秋祭りにはこれらの”鹿踊り”が奉納されます。


町々によって”五鹿”であったり”八鹿”であったり、所を変えれば”鹿踊り”の形態も違っていますが、やはり仙台伊達から伝わった”鹿踊り”は未だに南予では健在です。

鹿面10   この”八鹿”の鹿の頭を見てください。


なんとも優しい顔つきをしているではありませんか。


この頭の表情に、南予の人情に通じる何かが漂っているのでは、と、南予出身のワタシは思うのです。


これで”吉田町”を紹介する3回のミニシリーズを終えることにいたします。


古いことばかりを長々と書き連ねましたが、記憶に残っている間に記しておきたかったものですから。





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3話シリーズ、お疲れ様でしたm(_ _)m

最後の写真。八鹿のアタマは、
「もののけ姫」のシシ神サマを連想させますねー。
ナニを考えてるのか人間に計り知る事のできないシシ神サマに対し、
こちらの表情はなんと穏やかで、優しい笑みでしょう。
優しさとは、相手を甘やかすだけの上っ面のものではありませんね。
深みのある優しさ、を感じさせる表情です♪(*´∀`*)

最終話は資料館のレクチャーですね。
歴史と風土を知れば、資料のひとつひとつがグっと重みを持って見えます。
じゅんさんというフィルターを通すと
色んなモノがちゃんと意味を持って存在するんだ、と痛感させられますよ。
さすがです。大変勉強になりましたm(_ _)m

それにしても家紋カッケーです。
印籠は根付けもシブイですな~♪

ありがとうございました

ジンゴズンゴ様
最後の日は、やや疲れて流した感がありますが、八鹿踊りは子供の時から親しんできたものです。
あの優しい柔らかい面で踊る一方、唄の音調は恐ろしく物悲しいのです。なぜ八鹿がああいう悲しさをたたえているのかは、まだ謎です。

まだまだ知らないことだらけ、謎だらけです。モットモット深く分け入ってみようと思っているところです。

なお、明日は「堀江港 みなと食堂」をアップします。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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