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「犬寄峠 手打ちそば 峠茶屋」・「愛媛グルメ紀行」 295

今日は国道56号線の”犬寄峠”にある”手打ちそば 峠茶屋”さんをご紹介しましょう。


ワタシの実家は南予ですから、高速道路が宇和町まで延伸してからは、国道56号線を通ることが少なくなっています。


それ以前は、この”犬寄峠”を越えて南予に帰るのが定期のコースでしたから”峠茶屋”さんにも時折寄って、このお店の名物”手打ちそば”を食べていたものです。


ところが、このところ高速道路を利用することが多くなりこのお店とも次第に足が遠のいていました。


しかし、最近になってブログ友の”ファットマン”さんの記事を拝見し、再度足を伸ばしてみました。

玄関1   こちらがお店の玄関です。


犬寄峠のトンネルを抜けた辺りの、海側の斜面にやや広くなっているところがあり、お店は斜面の上に立っています。


閑散としているのかと想像してお伺いしたのですが、国道沿いの駐車場には車が8台もとまっていて、ほぼ満車状態でした。


工事関係車両や、軽トラック、あるいは営業関係の車でいっぱいでした。

メニュー2   店内に入ると、厨房側の壁にこのメニューが掛かっています。


創業されたのは今から大よそ45年~46年前と言います。


日本が高度成長期に入り、その歪で全国で”公害問題”が社会問題となっていた時代の話です。


盛り場にはゴーゴー喫茶が生まれ、フーテン族が都会の夜をさまよい、リカちゃん人形が誕生したころでもありました。


店内のメニューとその値段を見た時、このお店だけその当時から”時計の針が止まっている”のではないかと感じたのです。

店内3   店内では、”ワゴン車”に注文された丼などを乗せて、お店の”看板娘”が忙しく立ち働いていました。


いえ、開店当時は間違いなく”看板娘”だったのです。


さすがに、40年余りの歳月を感じるお顔にはなりましたが、客の注文を受け、それを厨房に伝えお茶を出し、注文された”中華そば”や”うどん”などをワゴン車に乗せてテーブルまで運ぶ、その動きは軽快そのもの。


このワゴン車を、”手押し車”などと捉えてはいけないのです。


台湾でも香港でも、更には横浜の中華街などでも”飲茶専門店”に入ると、そのお店の看板娘たちがこれと同じワゴン車に”飲茶”を満載して顧客のテーブルの周りを廻っている光景を目にしますね。


あれと全く同じなのです。


しかも”峠茶屋”の看板娘さんは、客が席を立った後の食器をワゴン車に載せて厨房に返す傍ら、客の勘定の精算まで全て一人でこなします。


このお店では、時間は昭和40年代から止まったままなのです。

おでん鍋4    ”おでん鍋”は店内の真ん中にドンと置かれています。


まあ見てください、この出汁の良く出た色合いを。


客は勝手におでんを取って、後で自主申告して清算します。


一本が80円です。

おでん5   一本一本に出汁が染みこんでいます。


コンビニのおでんとは、年季が違うのです。


こういう色合いに染まった”おでん”を見たことがありますか?


味は、まあ食べてみてください。濃いからず薄からずというところです。  

そば6   そして、この画像が名物の”手打ちそば”です。


お値段は450円(内税)です。


蕎麦(そば)”が日本の文献に登場するのが”続日本紀(しょくにほんき)”で、養老6年(722年)の頃です。


当初は、そば粉を水に混ぜて、煎餅のようにして炭火で炙って食べていたという記録が残っています。


その次に登場するそばの食べ方は、そば粉に水を加えて食べる”そばがき”です。


今のように、そば粉を水を加えて練って、うどん状に切って食べ始めたのは、ほんの最近のこと。


江戸時代の寛文年間(1661年)に、今私たちが食べている”そば切り”が登場し、あっという間に江戸の町に広がった。

そば7   なぜワタシがこんな古い話を持ち出すかと言えば、このお店の”手打ちそば”の味は、”そばがき”の味に極めて近いと思ったからです。


目で見て分かる通り、明らかにお店で”手打ち”し、それを茹でて出汁を張って出されたものがこれです。


これだけ”太切り”にされている蕎麦は、徳島の”祖谷そば”以外には余り見かけないでしょう。


ワタシは蕎麦好きなので、全国の蕎麦の名所とされるところはほとんど食べ歩いています。


ここの蕎麦が太くて短いのは、つなぎに小麦粉をほとんど使っていない証拠です。


ですから、そばを喉越しで食べたり、そばを啜(すす)るというのではなく、「出汁ごとかき込むように食べる」と表現する方が正しいのかも知れません。

麺8   麺の形状も味も、ワタシが小さい頃田舎で食べていた”そばがき”そのものの味と食感です。


やはりこのお店の時計は、昭和の40年代のままで止まっているかのように感じました。


決して美味しい”そば”ではありません。でも、そばというのは本来こういう味なのです。


ただし、出汁(だし)は、イリコで丁寧にとられた絶品の味です。


この透明で、瀬戸の香りがするイリコ出汁で太切そばを、噛んで食べる


このお店の由来や看板娘のお年など、様々なことをおうかがいしよう、そしてそれを記事に反映させようと意気込んでやってきたのですが、引切り無しに客が押し寄せる。


とても、落ち着いてお話をお伺いする雰囲気ではないのです。

完食9   国道とは言え、峠の中腹にある古びたお店です。


もちろん周囲には人家など全くありません。


でも、昼時になると、どこからこの人たちは現れたのか?と思うほど、客が途切れません。


ワゴン車の看板娘は、それらの客を一手に引き受けて、実にテキパキと注文をこなしている。


このお店の時計が止まっているのは、メニュー構成や値段、それに店内の内装や調度品だけではありません。


開店当時の”看板娘”のキビキビした動きは当時のまま、今でも”看板娘”を張っているのですから当然と言えば当然でしょう。


当然ついでに、当然”完食”です。





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私も近々・・・、

じゅんさん、こんにちは。

このお店、私もファットマンさんのブログで拝見して知っておりました。
松山では多分食べる事の出来ない、本当の意味の"昔ながら"のお蕎麦、私も食べてみたくなりました。

この看板娘さんがご健在のうちに一度出掛けてみるとしましょうか♪

ぜひぜひ

乱駆郎様

こういうお店になりますと、もう味がどうの?という世界から飛びぬけています。存在そのものが、ありがたいと思います。

人里離れた場所で、立地条件が・・・などと小さいことを言わなくても存在し続けた理由をタップリ味わってみて下さい。

ちょっと足を伸ばせば直ぐそこなんんです。看板娘さんのキビキビしたプロらしい身のこなしも一見の価値ありですよ。

No title

なるほど、ここのおそばはそばがきに近いテイストなんですね。
そばがきを食べたことがないので分かりませんでした。
ほんとに「出汁ごとかきこむように食べる」って感じですよね。

あまりゆっくり取材できないほどお客さんが次々にやってこられるということ、ある意味とても喜ばしいことだと思いました。
今度行かれることがあったら、多くのブロガーさん絶賛の「中華そば」もお試しください。とても美味しいです。

こんにちは!じゅんさんのブログからとんで、乱さんのブログに遊びに行かせてもらいました♪

そばがき、小さい頃、母親に作ってもらいました。懐かしいなあ♪あと片栗粉に砂糖とお湯をいれてかき混ぜ粘りがでたものを「これが昔のおやつ」と言って作ってくれました。昔の人は物のない時代にいろいろな工夫をされてたんですね。私も先人に負けないようにしないと…と感じました!

懐かしい味

ファットマン様

やっとアップすることが出来ました。かなり前に行ったのですが、1ヶ月もかかってしまって。余り先まで記事を溜めておくのも考え物ですね。

さて、ここのお蕎麦は懐かしく素朴な味ですね。何時までも続いて欲しいお店ですが、後継者はいらっしゃるのか。

中華そばは食べたことないですね。じゃあ、今度はそれに挑戦してみます。
ところで、横河原のマッケンジーっていう洋食屋はファットマンさんから教えていただいたお店でしたか?かなり、前のことなので忘れてしまって。

いいこと

M様

乱さんの記事にコメントされていましたね。^^
いいことじゃないですか。見聞が広がりますし、「食」に対する様々な感覚の違いも分かって、面白いですよ。

お若いのに「そばがき」の味を知っているとは。食は親から子へと継承することがよく分かるエピソードですね。

色々なところに、ヒントや新しい芽が潜んでいるということかも知れないですね。

No title

マッケンジーというお店は私は知らないですね。
多分他の人のブログで見られたんじゃないいでしょうか。

「峠茶屋」さん、現在のところは後継者がおられるようには見えないですよねえ。
なんとかならんですかねえ。

やはり

ファットマン様

そうでしたか、じゃあ別の方ですね^^分かりました、過去を紐解いてみることにしまよう。

やはり後継者の姿は見えなかったですね。この業種に限らず、親の仕事を継ぐという風潮は過去のものになりましたね。

でも、地域を代表するものとか、長年親しまれてきたお店など、引き継いでいただきたいお店は多いですね。それだけに、親子三代に渡ってやっているお店など、涙が出るくらいにうれしいですね。

PS

マッケンジーさんの件、きくりんさんのブログ「愛媛さすらい日記」に4月7日付でアップされています。
もしかしてそちらの記事をご覧になったのではないでしょうか。

ありがとうございました

ファットマン様

わざわざ、どうもありがとうございました。

あれから、乱駆郎さんとジンゴズンゴさんの記事をかなり遡って調べてみたのですが記載がなくて、困っていました。
実は、横河原のマッケンジーさんを近日中にアップする予定なのですが、情けないことに誰に教えていただいたのかが分からなくなって困っていました。
助かりました!   年はとりたくありませんねー。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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