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「堀江港 みなと食堂」・「愛媛グルメ紀行」 277

松山市の北に堀江と言う町があって、そこに”堀江港”があります。


昭和21年5月1日に、旧の国鉄が広島県呉市の”仁方港”と愛媛県の”堀江港”を結ぶ連絡線”仁堀航路”を開設しました。(後に、堀江港と呉市阿賀港を結ぶ航路に変更された)


そして昭和和57年7月1日に、赤字を理由に航路が廃止され36年間の幕を閉じました。

一文字防波堤1   今の堀江港には、フェリー離発着の喧騒はありません。


その堀江港に立ちますと、桟橋には地元の方が小鯵釣をしている姿が。


そしてその沖には、「堀江村民ここにあり」と地元で語り継がれている”一文字防波堤”が横たわっています。


この”一文字防波堤”は、江戸時代中期に堀江港の安全を期するために建築の計画が起こり、様々な困難と時間を経て、堀江村民が一丸となって1855年(江戸時代後期)に完成させたものです。

玄関2   さて、その堀江港の”仁堀航路”に自動車航送(フェリー)が開始されたのが昭和40年7月1日のことです。


今日ご紹介する”みなと食堂”は、フェリー航路が開始された翌年の昭和41年にこの堀江港で誕生の産声をあげたのです。今から46年前のこと。


上の画像は、現在の”みなと食堂”の玄関風景です。

創業者2   そして、この画像が創業当時のお店の看板と玄関の様子です。


子供を抱いているのは創業者、そして抱かれているのは親戚のお嬢ちゃんだそうです。


このお店が開業した”昭和41年”と言えば、日本の総人口が1億人を突破し日産自動車が”サニー”を、トヨタ自動車が”カローラ”を、富士重工業が”スバル・1000”を、そしてダイハツ工業が同社初の軽自動車の”フェロー”を発売した年です。


まさに”モータリゼーション”が幕を開けた記念となる年でした。


堀江港”をフェリーが車を満載して離発着し始めた頃です。

三代目1   こちらが、お店の”三代目”です。


この三代目が語ってくれました。


「フェリー便が廃止されて、お店のお客さん減ったのではないですか?」っとワタシ。


「ええ、廃止された年とその翌年には確かにお客さんが減りました。ところが、最近ではフェリーがあった時代よりお客さんの数も売り上げも増えているのです」と、三代目。

メニュー4   こちらがお店の”メニュー”です。


どうです?味のあるメニューではありませんか。


このお店の最大の看板商品は、「みなとのとうちゃんが40年前から作り続けてきた名物メニュー」と銘打たれている”鍋焼きうどん”です。

鍋焼きうどん上5   こちらが、看板商品の”鍋焼きうどん”です、お値段は550円(内税)です。


松山市内で40年も50年も続いている食堂の”鍋焼きうどん”最大の特徴は、その出汁の”甘さ”にあります。甘い=美味しい、という時代の名残りです。


このお店の出汁も黄金色に輝き、いりこで丁寧にとった出汁は絶品です、唸ります、自然に笑顔がもれます。


その笑顔が三代目にも伝わりました。


「ワタシがこのお店を手伝い始めたのは今から6年ほど前なんです。ワタシは2人兄弟の弟」と三代目。


「やはり若いって、色々挑戦したくなるじゃないですか。それで、手伝い始めた時は、この”鍋焼き”にも様々な工夫をし、手を加えてみたんです」


「ところが、お客さんから”味を変えないで!”っていう声が上がったのです」

鍋焼きうどん6   「最初はその声に反発したこともありました」と、三代目が続けます。


「でも、おじいちゃんとおばあちゃんが作っていた、そして二代目の父が引き継いだ昔の味に戻したんです」


「そしたら、お客さんに喜ばれて、アア、やっぱりコレナンヤーって分かったんです」

アップ7   「もう、自分がやっている間はこの味を最後まで守ろうって心に決めました」と、爽やかなイケメン青年、三代目は笑顔でそう答えました。


「ウンウン、ソーヨ。ウン、それでいいんよ!」と、大きくうなづいたワタシ、笑みで顔中皺だらけにしながら。


「ホラホラ!こんなに味が深くて、しかも後味がいい。アッサリした出汁と、この麺が合っているよねー!」というワタシの言葉に、今度は三代目が大きくうなづいた。


フェリー廃止以降の方がお客さんが増えたその理由は、絶えず試行錯誤を繰り返しながら、また原点に立ち戻るという、その柔軟性と、いい意味での頑固さにあるのではないかと感じさせられました。


「そりゃあ守って欲しいよ、この貴重な食の遺産を」とはワタシ。

巻き寿司2   それと、ワタシはこのお店の”巻き寿し”の大ファンで、昔からよくこの”巻き寿し”だけを買いに市内から堀江港まで通ったものです。


このお店の”巻き寿司”の特徴は、先ず”三つ葉”の清新な香りが真っ先に鼻腔に届きます。


その後で、ふっくらと煮られた”煮アナゴ”の香りと甘さが口中を満たします。


それに”カンピョウ”と”エビのそぼろ”の上品な甘さが加わります。


ワタシの世代にとっては”巻き寿司”は”ハレの日”の贅沢な食べ物。


そして、ワタシの大好物の一つなので、まず松山中の有名な”巻き寿司”は食べましたが、このお店の”巻き寿司”に勝るものに今だ出会ったことがありません。

二代目3   自転車に乗っているこの子が、今の”二代目”です。


今は2人兄弟の父親で、毎日厨房に立って、”鍋焼きうどん”などを作り続けています。


お店には、昭和の時間がゆっくりと流れています。


そういえば、お店のお客さんの顔にも昭和の香りが、ワタシを含めて。

二代目の今9   そしてあの子、”二代目の今”がこの画像。


あのはじける笑顔、今でもまったく変わっていません。


世の中、「変えて欲しいものと、何時までも変わらないでいてほしいもの」があると思うのです。


この”みなと食堂”の”味と笑顔”、何時までも何時までも変わらないでいてほしいと願ってやみません。


なお、この稿はブログ友”ジンゴズンゴ”さんの<『みなと食堂』は永遠に不滅でしょ!!!>(4月23日アップ)という見事なリポートに感銘を受けて書いたものです。ここに深甚なる謝意を表します。




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No title

じゅんさんに松山一旨い巻き寿司と言い切られては食べてみないわけにいかないですねえ。
一度行ってみます。

いやー

ファットマン様
おはようございます。朝からコメントありがとうございました。

ところでワタシがそう思っていても、味覚だけは個人嗜好が分かれますからねー。
ただ、ブログ友のシンゴズンゴさんも、その記事の中で美味しいと絶賛されていました。

こういうお店が何時までも頑張ってほしいと思わざるをえません。

尊敬

こんばんは!

いいお店ですね!!親子三代にわたってやられてるなんて尊敬します!!いつまでも続いて欲しいですね。40年、新しい道が通ったり様々な環境の変化にも身じろぎもしない!素晴らしいです♪

確かに

M様

飲食店に限らず、売り上げが落ちてきたら、先ず周囲の環境の変化にその原因を求めようとします。

バイパスが近くに開通して車の通りが減った、景気が悪くて人の財布の紐がしぶくなった、近くに大手の全国チェーン店が出来て客を取られた・・・・・

でも、家族で力を合わせて美味しいものを提供し続ければ、そういう環境の変化に影響されないという代表例でしょう。色々学ぶことの多いお店でした。

歴史

じゅんさん、おはようございます。
ちょっとご無沙汰してしまいました。

うちの根幹を成すシステムに障害が出まして、この月末月初はてんやわんやの大騒ぎでした。
取り敢えず、もう私の出る幕は終わったので日常に戻ってまいりました。

ここは私も以前食べに来た事があります。
私は中華そばを食べたんですが、ちょっと変わった味の中華そばだったのが印象に残っています。

お店もハイカラな印象でとても居心地の良いところでした。
この自分が経験して得た感想と、じゅんさんが掘り下げてくれるお店の歴史を知る事で、また行きたくなるお店ですね。

私も近々出向いてファットマンさんみたく巻き寿司と、鍋焼きうどんも是非味わってこようと思います。

それは大変でしたね

乱駆郎 様
連休中でもお仕事と、以前に書かれていてかなりお忙しいのかな?と思っていましたが、別の意味で大変だったですね。
今の時代、コンピューターに頼らないと仕事になりませんし、それがダウンすると、確かに会社の根幹を揺るがしてしまう。しかも、それらの復旧は技術者に頼らざるを得ない。やきもきしますね。でも、小康状態を得られたようで何よりです。
この「みなと食堂」さんも、心安く取材に応じていただきご協力もいただいたので何とか記事になりました。
以前から巻き寿司は何度も買いにっていたのですが、座って食べたことがありませんでした。改めて鍋焼きうどんを頂きますと、皆さんから愛されていることを実感した次第です。ぜひ巻き寿司と一緒にどうぞ。巻き寿司は5個ですから、乱駆郎さんなら難なく平らげることができるでしょう。

こんにちはー♪

すっごい遅レスになってしまいましたが、
私の稚拙ブログについても触れて頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
褒めすぎですよ~。恐縮しちゃいますww
私なんぞと違って、じゅんさんの記事は素晴らしい精度と言いましょうか
お店の方とじっくり語り合って、いい笑顔とお話を引き出してます。
まさに懐に飛び込んで取材したという、ブロガー魂の炸裂を感じます。
じゅんさんのお人柄もあるんでしょうね。私には出来ない技です。
巻き寿司の描写もサスガ。恐れ入りました!

フェリーがあった頃より売上が伸びているとは意外でした。
この店にはちゃんとファンがいて、しっかり支えてくれてるんですね。
もちろん、食堂ご一家の努力と信念があったからこそでしょうが。
この店はいつでも心あたたまる何かを提供してくれます♪

あのアップがなければ

ジンゴズンゴ様
何と言っても、あの名リポートがなければ、この記事もありませんでした。ああいう詳細なリポートに触発されなければ、こういうアプローチの記事には決してなっていなかった。

あれを拝見して考えたんです。同じような記事は、真似しても絶対に書けないし敵わないと。

そこで、フッと浮かんだのです。これは「昭和」という時代にスポットを当てればいいのではないかと。すると、スルスルと自分が引き出せましたし、お店の方の声もドドドっとこちらに入ってきた。ストレートで。
ワタシなんて「昭和」にどっぷり漬かった人間ですから、こういう記事しか方法がないんです。でも、ジンズゴンズさんのお陰で、300回に近い記事になって、やっと「自分のスタイル」にたどり着き始めた、そう実感しました。これからは、こういうスタイルに磨きをかけていきたいと思っています。
本当にありがとうございました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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