「お食事処 かわぐち」・「愛媛グルメ紀行」 334

今日は伊予鉄電車の郡中線、余戸駅前にある老舗”お食事処 かわぐち”さんをご紹介しましょう。


伊予鉄郡中線の歴史は古く、明治時代後期にはもう松山駅から郡中まで開通していました。


その郡中線”余戸駅”の開業は、明治29年7月4日といいます。


今日ご紹介する”お食事処 かわぐち”さんは、その余戸駅の真ん前で営業をされております。

玄関1
こちらがお店の玄関。


何処と言って目だった特徴のない、普通の”駅前食堂”といった雰囲気が漂う。


実はこのお店、ブログ友の”乱 駆郎”さんや”ファットマン”さん、それと時々お店の情報をいただく”キクリン”さんなどの記事に触発されてお伺いしたもの。


皆さん、高評価ということでは共通していた。

店内2
店内には、カウンターの内側に女将、後は会社員風の客が一人本日のランチを食べていた。


液晶テレビがカウンター内側にあって、お昼のワイドショー的な番組をやっていた。


注文は、メニューを見る前から決めていた、”中華そば”。

メニュー3   注文をした後でしみじみ”メニュー”を見た。


注文した”中華そば”は420円、その他には老舗食堂お決まりの”鍋焼きうどん”などお馴染みの顔ぶれが並んでいる。


一人で”中華そば”作りに取り掛かった女将に声を掛けた。


「このお店は随分古くからあるそうですね。お隣の喫茶店が40周年を迎えたそうですが、こちらのお店は?」っとワタシ。


「そうよねー、開業してから60年はトウに越えとると思うけど・・・・詳しいことは分からんのよー」と女将。


そしてこう続けた「この店、元々は主人のお母さんがやっていて、それを私が引き継いだケン・・・」

中華そば上4
更に続ける「主人のお母さん、戦争で引き上げてから直ぐにこのお店開いたらしいケン・・・」


「でもねー、もっと古いこと言うと、戦争中には主人のお兄さんの奥さんがもう”うどん屋”さんをやっていたらしいんよ。でも、主人のお兄さんは戦争で亡くなってねー、それで奥さんも”うどん屋”をやめたと聞いた、もう昔のことやけど」


「ジャケン、それを引き継ぐ形で主人のお母さんが食堂はじめたらしいんよ。元は何時からじゃったか、言うんはワタシは知らんのよー」っと。


「という事は、店の前の”余戸駅”の開業が昭和29年やから、それより前から食堂やってたんですねー」と思わず唸ってしまった。


「じゃあ、この余戸駅周辺だけではなく、松山でも老舗中の老舗なんだ!」と感嘆の声を上げたのはワタシ。


「そうよねー、昔はの中にひらがなの””を書いた”まるか”の暖簾に”駅前食堂”の屋号でやりよったとも聞くし・・・。

中華そば5
こちらが”中華そば”。


麺を湯がいている間に、フライパンで豚肉とキャベツとニンジンとモヤシを炒めて、塩と胡椒で味付けしたものを湯がきあがった麺に載せる方法で作る。


最近のラーメン屋さんのように、予め具材は用意していて、麺が湯がけたら用意した具材をその上に形よく乗せていく方法とは違う。


老舗の町の食堂に共通した、「具材フライパン炒め、後乗せ方法」とでも言うか。


「うーーーん、美味しい!」と自然に声が漏れた。


「ウフフフ・・ありがとう!そりゃあーラーメンやないけんねー、”中華そば”やケン!」と女将。

アップ6
「スープの出汁は、鶏ガラ?」とワタシが問いかけると。


「うふふ、ウン、鶏ガラだけやないでー、それにブタ!」と女将は胸を張った。


「ほーーー、鶏ガラと豚骨、ウンウン、道理で味に深みがある。でもアッサリしていて後味がいい!野菜の甘味もいい!」というワタシに向かって女将がこう言った。


「美味しいユーテくれるんなら、また再々来てねー」っと。これにワタシは弱い。


「ユーンガねー、次来た時にはもうお店無いなっとるかも知れんヤロー!」と女将が畳みかかる。


「そうか!こういうお店の共通する悩みは、後継者なんよねー、ところでこのお店の後継者は?」


「息子がおるけど、出て行ったら帰ってキヤセン!でもなー、それでいいんよ。こういうお店は女がやる商売よ!男がやるもんやないんよ」と、女将は続けた。

麺7
そう言えば、内子の”片岡食堂”、横河原の”若竹食堂”、三津の”高木屋”、松前町の”双葉食堂”、本町の”松屋”や中央通の”高市食堂”さんなど、どこのお店も中心は女性だ。


”麺”はどういうことない市販の普通の中華麺。


でも、不思議にスルスルと収まっていく。


何時も書くことですが、こういうお店は”中華そば”を食べるだけではない、”歴史”も同時にいただくということ。

完食8
女将とお話をしながら食べていたら、いつの間にか”完食”していた。


「あああ~、スープは残したほうがいいという人がいるけど、自然に全部飲んじゃった!」


それを見ていた女将が天使の微笑を見せた。


「ヤケン、また来てね」と優しく送り出された。


駐車場問題は、ファットマンさんの知恵を借りた。




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非公開コメント

じゅさん、おはようございます!

最後の一行に『ニヤッ♪』っとしてしまいましたが(笑)、駐車場問題が枷にならず良かったです。

この記事もお店の歴史に踏み込まれてて深みがありますね。
ちょっと誰それに真似が出来ない内容で、毎度のことながら素晴らしいです!

こちらも抱えておられるんですね、後継者問題・・・。
こればっかりはどうしようもありませんが、昭和の匂いがどんどんなくなっていくのは寂しいですね。
そう思うと、平成の匂いってどんなんでしょうね?

No title

なるほど!
なんだか女将さんと常連さんが親しそうで賑やかなお店だなあと思いましたが、そんなに長い歴史があるんですね。
戦争中に、戦死したお兄さんの奥さんが始めたお店とは。まるでテレビドラマの「梅ちゃん先生」みたいな世界ですね。

具材フライパン炒め、後乗せ方法も興味深いです。「昔ながらの中華そば」ってそうやってつくってるんですねえ。

余戸駅は戦前からあるのじゃないかと思うのですが…。もしかすると明治29年なんじゃないでしょうか。

昭和生まれ

乱駆郎様
そうなんです、昭和の香りや味がどんどん消えていくことを、こういう老舗にお伺いする度に実感しています。
もうワタシには平成の匂いは、多分分からないんではないかと思います。

ですから、一軒でも多くのこういうお店をお訪ねし、その味わいをジックリ堪能する「旅」を続けたいと考えているところです。
まあ、これが一種のワタシなりの「ライフワーク」になりそうです。

余戸駅

ファットマン様
駐車場問題ではお知恵をいただきました、ありがとうございました。^^

「余戸駅」の開設年月日は、「伊予鉄道」のホームページで何度も何度も確認しました。ワタシも幾らなんでも昭和29年は新しすぎるのでは?と思ったんですよ。

ところが、公式な伊予鉄道のホームページには、「余戸駅」の開業年月日は1954年7月4日となっているのです。ですから明治29年ではないのです。
ただし、伊予鉄道さん自体が表示間違いだとしたら、ワタシの記事も訂正が必要となりますね。

このお店には、行く前から伊予鉄郡中線「余戸駅」とこのお店との接点が記事の一つのポイントになると考えていましたので、行く前から事前に調べていたのです。

No title

こんばんは♪
記事を読ませていただきました。
う~ん、素晴らしい取材力。
私が訪問した時には、この店の魅力を完全に掴み取れていませんでした。
ここ最近になり、この老舗店にもスポットライトが当たり始めてきた感じで嬉しい限り。
私の次回訪問時は、中華そばを食べてみたいと思います。
でも、隣の喫茶店も気になるな~♪(笑)

今日の昼間、『Fontana』に来てたでしょ!!

なんて、いきなりプライベートを暴いてゴメンナサイm(_ _)m
『Fontana』、2度目の訪問をして教えて頂きましたww

考えてみたら、乱さんを含め私たち3人は直接の面識が無いのに
店長さんは3人とも知ってるんですよねェ。不思議な関係だ…(^∀^;)

今回の記事もとってもステキです♪
女将さんとのやり取りから、じゅんさんのコミュニケーションスキルの高さが
伺い知れて、思わず感嘆の声が出ます。
いや、スキルなんてよこしまなモノじゃなくて
人間味と言いましょうか、人同士の温かさが見えて来て
取材するじゅんさんも、取材される女将さんもとても楽しそう。
気弱な私にはここまでグっと踏み込めないんですよねー。
情けない話ですが(´;ω;`)

ありがとうございます

きくりん様
過分なお褒めに恐縮します。
ワタシは、ただ椅子に座って、中華そばを頂きながらニコニコと女将の話を聞いていただけです。
ただ、ワタシに何かしらの能力があるとしたら、人のお話を1時間でも2時間でもお聞きした時、それを文章として再現する能力が多少あるという程度です。これは訓練によって誰にでも身に付くことです。
この取材も会話しているように書いていますが、実態は95%女将がしゃべって、わたしはそれに「フン」「とか「ウン」とか相槌を打っているだけです。
このお店の中華そばをジックリ味わってみてください。昭和の光景が眼前に豊かに広がると思います。

人を好きになれば

ジンゴズンゴ様
ドキッ!!!キャーハー!!

さて、本題に。コミュニケーションスキルなんて、難しい言葉使わないでくださいよ。外来語に弱い世代なんだから。乱さんのように「デフォルト」などという言葉を使われると、アリャー何や????
ワタシ、経済業界にいたから、「デフォルト」なんて聞くと、直ぐに「債務不履行」を思い浮かべてしまいます。

人との対話能力なんてたかが知れています。ただただ、相手を好きになればいいだけですから。相手から、「自分はこの人に好かれている、評価されている」と思っていただけさえすれば、相手のほうから自然に語ってくれます。
ワタシの対話には決まったパターンはありません。それは相手に合わせるからです。話していて心地よい時間、そう思っていただく。ただただそれだけなんです。余り大げさに考えないでくださいよ。

ただの白髪の小太りのオッサンですよ。それもすぐ分かる!(中には大太り!という説もあるけど、それは無視)

そうでした

ファットマン様

余戸駅の開業、ええ「明治29年7月4日」でしたね。この時の記事は間違って記述したまま残っていました。

再訪した時の記事では、正確に書いておりますのに。早速、この記事と初回訪問の時の記事を訂正しておきます。

何度も指摘させて、申し訳ありませんでした。初歩的な誤りでお恥ずかしい!
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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