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兒玉高次・日南子「木と漆」展から 1

今日は、昨年12月4日~10日の間、松山三越6階ギャラリーで開催された”兒玉高次・日南子「木と漆」展5th”の模様をお届けしましょう。

兒玉高次ご夫婦は、今の仕事を通じて知り合ったお客様です。

松山三越で個展を開くのは今回で5回目。2年に一度の間隔で開催されていますので、通算10年目の開催です。

ご夫婦の略歴1
兒玉高次さんは松山のご出身、奥様の日南子さんは今治のご出身です。

また、兒玉高次さんの仕事は”木工師”(兒玉さんご自身は木工屋だと仰いますが、ワタシは敢えて木工師と呼ばせていただきます)で木工を担当し、日南子さんは”漆師”で漆(うるし)をのせて仕上げます。

また、お二人は共同で「漆器」を作るために久万高原町に移住されました。

原料の木材の出材に近いところで、木ととことん向き合う生活を選ばれたのです。

プレート2
これは「プレート小」と名づけられた作品です。材料は欅(けやき)が使われ弁柄(べんがら)色に仕上げられています。

弁柄”は赤色顔料のひとつで、日本では弥生時代から土器などの着色によく使われてきました。

素朴な””の温か味を感じさせられます。

縁付小判大3
こちらは「縁付小判大」と名づけられた作品です。素材は栃(とち)の木が使われ、生漆を塗って仕上げられています。

”の渋い光沢が人を引き付けて止みません。

英語の表記では、「磁器」は<china>と呼ぶのに対して「漆器」は<japan>と表記されます。

つまり、日本の朱鷺(とき)の学名が”Nipponia nippon”で、日本を代表する鳥と位置づけられているのと同じで、「漆器」は世界的には日本を代表する工芸品と言う位置づけなのです。

蒔地弁柄塗り四寸皿4
こちらの作品は「蒔地弁柄塗り四寸皿」と名づけられています。素材は欅(けやき)で、色は弁柄、それに漆を何度も何度も重ねて塗り上げ仕上げられています。


「漆器」の素材は”木”ですから”木目”があります。その木目をどう活かすか、そこが”木工師”の腕の見せ所の一つでしょう。

朱塗り研ぎ出ししのぎ平椀表5
この作品は「朱塗り研ぎ出ししのぎ平椀」と名づけられています。素材は栃(とち)の木で、朱が乗せられ漆で仕上げられています。

研ぎ出しとは、平面の木材を手作りの鑿(のみ)で削って平椀を作ったということです。

この赤い色は””(しゅ)を使っています。朱の材料は”丹生”(にう)という鉱物です。その朱を少し削り取った跡が、黒く光っていて見事な”景色”(けしき)を作っています。

朱塗り研ぎ出し四方皿九寸6
この作品は「朱塗り研ぎ出し四方皿九寸」と名づけられています。素材は桧(ひのき)で、朱を塗って赤い色を発色させ、それに漆を塗って仕上げられています。

朱を削り取った跡が黒く筋状になって現れていて、自然な模様は”景色”とも呼ばれます。

朱塗り研ぎ出し端反り椀7
この作品は「朱塗り研ぎ出し端反り椀」と名づけられています。素材は欅(けやき)で、朱が塗られ漆で仕上げられた作品です。

朱は高価な材料で、希少価値があり普通に使える材料ではありません。

この様な高級工芸品の他は、神社仏閣で使われる程度です。朱は富の象徴でもあるのです。

朱塗り研ぎ出し瓶子8
この作品は「朱塗り研ぎ出し瓶子」と名づけられています。

「漆器」の産地で有名なのは石川県の能登ですが、愛媛でも今治市の”桜井漆器”が有名です。

この”桜井漆器”は、日本で”ローン制度”が出来たルーツとなりました。

明治時代の話ですが、今治桜井の漆器売りの親方達は四国内だけはなく、九州や関西方面にも行商を考えたのです。

ただし、それができるのは農閑期だけです。当時の行商は、主に農家のサイドビジネスだったからです。

しかし、限られた時間の中で売り歩くことはリスクも多い。買い手に持ち金がなければ売れません。そこで生み出されたのが月賦販売だったのです。

これが全国に広まり、今でいう”ローン販売”となったのです。

弁当箱9
こちらは漆器でできた「弁当箱」です。箸箱と箸も漆器製です。

こういう弁当箱にお弁当を詰め、春や秋のシーズン、屋外でいただくおにぎりはさぞかし美味しいことでしょう。

欅溜塗り変わり鉢10
こちらは「欅溜塗り変わり鉢」と名づけられた作品です。素材は欅(けやき)に生漆が塗られています。

一枚の大きな板を、鑿(のみ)で深く刳り抜いて作られています。

まあ見事と言う他ありません。日本が誇る伝統技法で作られた伝統工芸品です。

こだまのコダマ11
最後は「こだまのコダマ」と名づけられた作品です。

可愛い、遊び心に満ちた作品です。何て愛らしいんでしょう、自然に笑みが漏れます。

明日も、この作品展をご紹介します。



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あけましておめでとうございます

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
早々に新年のメールをありがとうございました。

また、今年もマイペースでやっていこうかなと、思って
いますので、よろしくお願いいたします。

じゅんさんのブログから自分に合ったお店をピックアップして、
スマホの地図に印をして利用させてもらっています。
カーナビですぐ解るので、大変便利です。
今年もよろしくお願いします。

今年もよろしくお願いします

せい爺様
わざわざコメントありがとうございます。

スナホにカーナビと、先進的ですねー。すごいですよ。

私は昨年末、やっとアイフォンに切り替えて、現在悪戦苦闘中です。
やっとインターネット閲覧は簡単に出来るようになり、メールも打てました。
ところがカーナビ機能は入れてはいるのですが、使ったことがありません。

でも、新しいことに挑戦することはいいですね。ワタシも見習いたいと思います。今年も素敵な画像を楽しみにしています。
どうかよろしくお願いいたします。

本年もよろしくお願い致します

じゅんさん こんにちは
昨年はたいへん ありがとうございました
今年もよろしくお願い致します。

私も  少しづつでも 皿や器 いいものに出会えたらいいな♪
なんて思っています。
高価なものは無理ですが^^

漆器 いいですね~ 見ると欲しくなっちゃいますが 手が届きそうにありませんね♪ 明日の続きも楽しみにしています。

こちらこそ

のしうめ様
コメントありがとうございました。

昨年も新しいお店の情報をずいぶんいただきました。今年も、こちらこそよろしくお願いします。

この漆器は久万高原町の作家夫婦の作品ですが、大作は別にして意外と手軽な値段で手に入ります。いいものを見る目を養いたいですね。

お互いにいい刺激を与え与えられながら、ブログを続けたいですね。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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