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兒玉高次・日南子「木と漆」展から 2

今日も昨日に続いて”兒玉高次・日南子「木と漆」展5th”からお届けしましょう。


今日は、”木工師”である兒玉高次さんからお伺いしたお話をご紹介しながらご夫婦の作品をご紹介しましょう。

長椅子1
こちらは、お二人の大作の一つである「長椅子」です。

この「漆器」作りは山から木材を切り出す所から作業が始まります。

作品が完成するのには、数年から十年近い歳月を要する作業になります。

総布着せ漆絵高台皿2
この作品は「総布着せ漆絵高台皿」と名づけられたものです。素材は欅(けやき)で、その他に朱と漆と麻布が使われています。

雰囲気が、東南海の小島で絵画を書き続けた”ゴーギャン”の雰囲気を感じさせてくれます。

栃拭漆のみ目茶托五寸3
こちらの作品は「栃拭漆のみ目茶托五寸」と名づけられています。素材は栃(とち)に生漆で仕上げられています。

しかも大き目の鑿(のみ)で力強くのみ目を付けられているのが特徴でしょう。

山から木材を切り出すことを”伐採”と言いますが、伐採された木材を大きく切り分けて自然乾燥に入ります。

この乾燥の過程で、”木工師”はとことん木と会話をすると言います。

乾燥し続けている過程で、木の素性を徹底的に洗い出すのです。

木材にも素性がいい木と悪い木があるのだそうです。

栃拭漆一尺二寸丸盆のみ目4
これは「栃拭漆一尺二寸丸盆のみ目」と名づけられた作品。素材は栃(とち)の木で、生漆で仕上げられた素朴な作品です。

木の素性”です。例えば山の斜面などに生え育った木材は、生き残り成長する為に、平坦な所に生えた木材より努力しているのだと言います。

真っ直ぐ上に伸びていくために、木材の片面が頑張って木全体を支えているので、支えた部分と支えられた部分では木質が違っているのだそうです。

桧拭漆刳り抜き5
この作品は「桧拭漆刳り抜き」と名づけられています。素材は桧(ひのき)で、鑿(のみ)や鉋(かんな)などの手作りの木工工具で作り上げられています。

一枚の板から、削り取って形を作っています。

さて、木質の違いの話です。木質が違うと、乾燥していく過程での反り具合に違いが出てきます。

ですから、その反り具合の違いがどの程度出てくるのを見定めるために数年を要するのです。

栃拭漆金象嵌短冊箱6
これは「栃拭漆金象嵌短冊箱」と名づけられた工芸品です。作品展などに出品される工芸品です。素材は栃で生漆仕上げ。

金の象嵌”が施されています。上箱の四方の周囲を金の模様が入っています。

この作品は”組み物”と呼ばれる技法で作られており、何枚もの薄い板を釘を使わず組み合わせて作られています。

金象嵌”は、細い板に鑿(のみ)で模様を掘り込んでいきます。そしてその上に金粉をまぶして埋めてあります。その上から漆を塗っていきます。漆は常に接着剤の役割りを負います。

この位の作品になると、塗りの行程も20以上の行程を経て仕上げられます。

栃拭漆金象嵌短冊箱7
そして、”木工師”は、木材に乾燥の具合や木目の入り方などをとことん見抜いた上で、大きめに裁断された木材を、今度は小割りしていきます。

小割りした段階で、既に”作り手”には作品の構想が出来上がっています。

きちんとした構想を元にして木材を小割りしないと、思ったとおりの木目や反りの収まり、落ち着きをしてくれないと、作品にならないからです。構想通りで小割りされていないと、その素材は無駄になります。

高級な木材を使用していますので、無駄にはできないのです。

乾燥仕上がって木組みされたものが、それ以降想定外に更に反ったりすると、木組みに狂いが生じて、組んだ部分に隙間が生じてしまいます。

ですから、木を完全に見極めて、木が落ち着くまで、木が自分自身で納得して生長を止めるまで(実際には成長はしませんが、乾燥過程で変化していきます)は、作業ができません。

栃拭漆盛器8
こちらは「栃拭漆盛器」と名づけられた作品です。素材は栃の木に生漆です。

これは”指し物”と呼ばれる技法で作られています。

栃拭漆唐草象嵌短冊箱9
こちらは「栃拭漆唐草象嵌短冊箱」と名づけられた作品です。素材は栃の木で、生漆で仕上げられ”金象嵌”が施されています。

なんと円やかな、温かい作品なんでしょう。うっとりと見入ってしまいます。吸い込まれそうな感覚に見舞われます。

栃拭漆唐草象嵌短冊箱10
こちらは上と同じ作品。

”木工師”の兒玉高次さんは、木材は切られた後も生きていると言われます。もちろん伐採された木は実際には生きてはいませんが、乾燥の過程で形を変えていくことを、ワタシは「兒玉さんは、木が生きていると感じているのではないか」と思ったのです。

成長をしようと言う意思が、木にはあると思っておられるのではないかとお察ししました。ですから、生きている”木の気持ち”を汲んでやるという思いで木工に取り組んでおられるとワタシは受け取りました。

毎日、様々な木々と対話を交わし続けていると、木の心や、どういう環境で育ったのか、そのとき何を考え育ったのかが分かってくると言います。

ご夫婦11
さて、上のお二人が、この素晴らしい作品群を作り上げられた”兒玉高次・日南子”ご夫妻です。

毎日毎日、二人は隣り合って作業部屋でお互いの専門分野で個性をぶつけ合います。

お二人の深い芸術に対する造詣と愛情がこれらの作品群を生み出しました。

普通、こういう美術展の作品にカメラを向けることは禁じられています。

ですが、お二人はカメラに収めることを温かく了解していただき、更に製作の詳しいお話までおうかがいすることができました。

お二人に、これら素晴らしい作品群を生み出されたことへの心からの賛辞を贈りたいと思います。

ありがとうございました。




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Re: ご挨拶

匿名様

歴史関係でコメントいただきありがとうございました。歴史はあまり人気があるジャンルとは言えないので、初めての方から「歴史テーマ」でコメントいただいたのは初めてです。

詳しくは、メールアドを頂いておりますので、そちらのほうにお礼を書かせていただきます。
どこかに共通項があるようにお見受けいたしました。
これからもよろしくお願いいたします。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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