「楢屋(ならや)」・「愛媛グルメ紀行」 453

今日は、県道伊予川内線沿いの砥部町高尾田にある”楢屋(ならや)”さんをご紹介しましょう。


場所は、旧国道33号線を森松町から橋を渡って砥部町に入り、JAのスーパーがある交差点を東に進めば(川内方向に)明屋書店の東隣にあります。


このお店は、お互いのブログをリンクしあっている:”きくりんさん”(ブログ名:愛媛さすらい日記)さんの12月4日の記事を拝見して訪問しました。

看板1
こちらがお店の看板です。


看板には、ただ店名の”楢屋(ならや)”としか表記されていませんので、どういうお店なのかが分かりにくい。


ただ”COFFEE”の文字と、ナイフとフォークの絵が描いてありますから”レスト喫茶”だろうという想像がつくくらいです。

玄関2
店構えも、一昔も二昔も前の”喫茶店”の佇まいを感じます。


お店の前に駐車スペースが7台用意されています。


それがお昼時になると、ほぼ満車になります。この県道を通る営業関係や現場関係者が三々五々集まってきます。

店内3
店内は広く、テーブルと椅子の配置もゆったり余裕を持って配置されています。


席は、原則4人掛けの椅子とテープルで、そのスペースごとに比較的高い衝立で仕切られています。


店内のBGMは気だるいモダンジャズがかかっていて、昔懐かしいスタイルの”軽食喫茶”スタイル。


ワタシとほぼ同年代だろうとお見受けした奥さんが注文を取りに来た。

メニュー4
メニューを見ると、大きく分けて3つのジャンルに分けられている。

お食事メニューと書かれている分野が18メニュー、軽食メニューと書かれている分野が20、そして喫茶メニューが29メニュー。

そもそも”軽食”と言う言葉自体が死語に近くなっている。”軽音楽”という分野が今では聞かれなくなったように。

そこで、店名を冠した”楢屋定食”、850円(内税)を注文した。

その時に「店名の由来はナンデすか?それと何時頃開業されたのでしょうか?」とお尋ねしてみた。

するとフロアー担当の奥さんが「ウチの主人が楢の木が好きで。それと開業してもう40年になりました」と微笑まれた。

ランチ上5
これが”楢屋定食”です。中味はエビフライ2尾、ポークピカタ、ワカメスープ、サラダ、それに型抜きされたライス。


それに、昔の喫茶店の軽食・洋食メニューには欠かせない”作り置きケチャップスパ”付きです。


喫茶店が街の角々にあって、何があっても「ちょっと喫茶店へ」という時代があった。女性も男性も、開業独立する時に真っ先に頭に浮かんだのが”喫茶店でも”という時代が、ここでは今も息づいていた。

ランチ6
どうです、型抜きされたライスに型抜きしたポテトサラダ、冷たく冷えて脂の浮かんだケチャップ炒めスパ。


オールディーズファンには堪らない面々が、そこには並んでいた。


もうこうなりますと、味を楽しむというより”懐かしさ”を食べるといったほうが正しい。


ただし、ワンプレートに乗せられた一つ一つのメニューが、40年間に渡って続いているメニューであることを知っている人にだけ言える事。

エビフライ7
こちらの2尾の”エビフライ”、名古屋の”ジャンボエビフリャー”ほどではないが、堂々とした存在感を出している。


バリバリ硬めに揚がっているので、注意して食べないと口の中を切る恐れありです。


自家製のタルタルソースが、タップリというよりべっチャリと乗せられている。

ポークピカタ8
こちらは”ポークピカタ”。薄く延ばしたポークを軽くソテーして、それを薄焼き卵で巻いてウスターソースがかかっている。


上の”エビフライ”も、この”ポークピカタ”も、シェフが腕によりを掛けてというより、何時もどおりに作ったという感じです。


だから、味がどうの?ということなど問題にならず、ただただ時代を噛み締めるようにいただく。

アップ9
この”作り置きケチャップ炒めスパ”は、当然に冷え切っていて脂も浮いている。食べて美味しいものでは決してない。


でも、これがなければ”懐かし定番スタイル”にならないから、実に不思議ではないか。


ワタシたちが中高校生時代は、スパゲティーと言えば”西洋焼きうどん型スパ・ケチャップ味”が正統派だった。


喫茶店の花形メニューで、鉄板の上に乗せられジュージュー言わせられれば、少々焦げてたって”都会を・青春を食べている”という実感に溢れたもの。

ライス10
奥さんが、「お水はどうですか?」と近づいてこられた。

「これは懐かしい味とメニューですね。お店の雰囲気全体も懐かしいけど」と話しかけた。

すると「皆さん、そう言っていただけます。昔この辺りは会社の事務所も結構あったんです。その時にウチで食事をされていたお客さんたち」と、目を宙に浮かべながら話されます。

「今は皆さん定年で会社をお辞めになって。でも、ここを通ると<ああ懐かしい、まだこのお店があってくれた>と喜ばれて、お店に入っていただきます」

「それは40年の厚みですねー!それでお店はご主人と2人でやっておられるのですか?」とお聞きした。

すると、パッと目を輝かせたと思うと「いえ、今は息子が手伝ってくれて・・・・」と、満面の笑み。

「じゃあ、これから更に50年、60年と続けられますね!」とワタシ。

「ハイ、昔、毎日お見かけしたお客さんが今も時折来ていただいて、思い出話に花が咲きます。それがもうとっても楽しくって!」と、完全に”乙女”の表情で言葉が弾む。その笑顔がとってもチャーミング。

「大変懐かしいお料理をいただきました、ご馳走様でした」と、勘定を済ませていたら、厨房を仕切っているカーテンを開いて、2代目の息子さんが顔を出した。


「今日はありがとうございました」と、笑顔で丁寧に挨拶された。いい笑顔でした。





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昭和の馨り

じゅんさん、こんにちは。

まさに昭和の匂いがぷんぷんするお店の佇まい&料理ですね。
今のスタイルとは違いますが、この手のお店の良さを知っている人もだんだんと居なくなってくるんでしょうね。

気がつけばもう平成という時代も25年目ですか・・・。
これも時の流れですね。もう身を任せるしかありませんね(^^)


No title

乱駆郎様
そうなんです、このスタイルのお店は1軒消え、また1軒消え・・・

このお店の様に、後継者がいて親子二代でやっているお店は少ないですね。今は、子供が親の仕事を継ぐ時代ではなくなりました。

でも親子3人で、、毎日楽しそうにやられている姿が何とも微笑ましいですね。
心や安らぐ光景を頂きました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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