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「再訪 77 麺工房茜屋」・「愛媛グルメ紀行」 454

今日は”再訪シリーズ”77番目のお店、県道松山東部環状線沿いに北久米町にある”麺工房 茜屋”(あかねや)さんをご紹介しましょう。


このお店は”愛媛グルメ紀行”シリーズ446番目のお店として、昨年12月27日にご紹介したばかりです。(「麺工房 茜屋(あかねや)」・「愛媛グルメ紀行」 446


県道松山東部環状線と言えば、久米の八幡神社から石手寺に至る道路で、四国八十八ヶ所の”浄土寺”から”繁多寺”を経て”石手寺”に至る遍路道にも当たります。

看板1
昨年末に訪れたときは、”モッツァレ”ら”-メン”の醤油味をいただきました。


その時の店主さんとの会話の中で、11月の限定メニューであった”トム・ヤム・君”が自信作なのでレギュラーメニューにした。それをぜひ食べてみて欲しい旨のお話がありました。


そこであまり日を置かず、再訪したという訳です。

玄関2
と言いますのも、昨年末にいただいた”モッツァレ”ら”-メン”醤油味のスープが、チーズとオリーブオイルと醤油ベースの渾然一体となった、複雑でなおかつまろやかで、実に秀逸だと思ったからです。


お店にお伺いした当日は、開店と同時に若い子供連れ夫婦とワタシの2組の客がお店に入りました。


その子供連れ若夫婦は、”ざるラーメン・大盛り”を注文されました。大盛りになりますと、麺は3玉入ります。


このお店の麺は実にいい麺を使っておかれるので、”ざるラーメン”が美味しいだろうことは容易に想像がつきます。

店内3
店主さんは、ワタシがお店に入るなり「先日は”モッツァレ”ら”-メン”を食べていただきましたね?それでは、今日は”トム・ヤム・君”でよろしいのですね?」と、先日の会話を完全に覚えておられました。


「ええ、自信作と言われた”トム・ヤム・君”をいただきに上がりました。それをお願いします」とオーダーした。お値段は990円ですが、前回帰り際に50円の金券をいただいていたので、実質は940円です。

メニュー4
この画像にあるのが、オーダーした”トム・ヤム・君”です。エビがタップリ入っている様子がうかがえます。


トム・ヤム・クン”とは、”世界三大スープ”だと一般的には言われている(本当は諸説あるようですが)タイを代表するスープです。


”トム”は煮る、”ヤム”は混ぜる、”クン”はエビのことです。


主な材料は、”エビ”はもちろんですが、味の基本となるのは”ナンプラー”とタイでは呼んでいる”魚醤”(ぎょしょう=鰯やアミエビを発酵させて作った醤油)と、レモングラスやマナオ(ライム)という酸味を効かせたスープです。

トムヤムクン上5
店主が”トム・ヤム・君”を作っている過程をカウンター席からつぶさに観察しました。

大きな寸胴鍋からスープを鍋に注ぎいれました。スープの色は乳白色。ここで「ん?」となり、店主に尋ねました。

「スープの色を見ると、それは”豚骨”ですね?」と。というのは、”トム・ヤム・クン”のスープの土台となるものはチキンスープだからです。

すると店主は「ええ、ウチのスープのベースは豚骨です!」と。

料理とは本来創作ですから、材料に何を使おうが、どういう作りからで作ろうがそれはシェフの自由です。

作り方を見ていますと、ナンプラーとレモングラスを入れられた。

そこで「出汁は、エビの殻から採られるのですか?」と、聞いてみた。

「いえ、エビの殻からは採りません。ウチの出汁を使います」と。

それもシェフの創作領域の話で、教科書どおりにエビの殻から出汁を採らなくてはいけないというのではない。

トムヤムクン6
以上の会話をしている間に”トム・ヤム・君”が出来上がった。上2枚の画像がそれです。

出された”トム・ヤム・君”の上には、2枚の”ミント”の葉が乗せられていた。

通常は、ここには”パクチー”(英語名コリアンダー)を乗せる。これには、ちょっとホッとした。ワタシはあの臭いパクチーが大の苦手。

さてスープをまず啜ってみた。「・・・・・・・・・・」

実に強烈な個性を持ったスープになっている。何と表現すればいいのか?

再度スープを啜った。「・・・・・・・・」

麺は、極めてレベルの高い麺を使っておられて、モチモチとした弾力にとみ、小麦粉の香りも高くて極めて美味しい。

アップ7
でもスープは、”豚骨”と”ナンプラー”というお互いに極めて高い個性を持ったスープがガチンコ勝負をした。

言わば、プロボクシングのヘビー級の世界戦、リング上で防御姿勢をとることなく、お互いが死力を尽くして殴りあった。ヘビー級同士の重いパンチを渾身の力を込めて打ち合った。

それで、判定がドロー(引き分け)ならまだいい。

今回の場合は、両者が両者の重いパンチに打たれて、両者ともリング上で崩れ落ちた。

前回お伺いしてお話をした時、「”トムヤククン”は個性の極めて高いスープです。使い方が難しいのではありませんか」というワタシの問いかけに、店主さんは以下の様に答えられたのを思い出した。

「確かにあちらの個性は強い。でもその強い個性に、ウチのスープは負けなかったのです!」と、力強く応えられた。

エビ8
でも、目の前のスープを啜ってみて「負けなかった!うん、確かに負けてはいない」と思った。

と同時に「でも勝ちもしなかったのではないか?」と、そう感じた。(これはあくまでもワタシの超個人的感想に過ぎません)

つまり、先にボクシングの例で書いたように、リング上で両選手が共に相手の重いパンチを食らってノックアウトされて倒れている、その状態と同じだと感じた。

また、”エビ”は極めて個性が強い。全体と味のバランスを取ることが極めて難しい。

麺9
冒頭に書いたように、”ナンプラー”はイワシやアミ(エビの一種)を樽に大量に漬け込んで塩を入れ発酵させたものの絞り汁。

東南アジア全体で一番よく使われる調味料です。ベトナムでは”ニュクマム”と呼ばれる。各国によってその名は変わるけど、東南アジアの蒸し暑い気候を活かせた調味料。

日本でも、秋田では”しょっつる”、能登ではイカのハラワタから作る”いしる”などと言う”魚醤”が作られ、その地域の伝統的料理に使われている。

有名なところでは、秋田ではハタハタを使った”しょっつる汁”が冬の風物詩となる。

つまりここで何が言いたいかというと、極めて個性的で郷土料理色が強い調味料に、全く違う強い個性を持った”豚骨”と合わせては、両者勝ちなしのスープになりはしないかということ。

もちろん料理の素人ですから、戯言(たわごと)に過ぎませんが。

店主さんが自信作と言い、レギュラーメニューとして残したというこの”トム・ヤム・君”、果たしてリピーターを増やすほどの受け入れられ方をするのでしょうか、興味あるところです。

金券10
この”金券”です。

金券の真ん中で笑顔で写っているのが店主さんです。

この立地条件が厳しい場所で11年目を迎えられた。間違いなく料理においては実力者でしょう。

前回はコスト意識を持つことの重要性を盛んに説いておられた。その意味では経営のセンスもおありだと思います。

前回この金券をもらった時は、「次に来る時には使わなきゃ!」と財布に仕舞った。

さて、今回のこの”金券”の取り扱いについては、迷いに迷いましたが・・・・・。

何れにせよ、他のお店では決して味わうことが出来ない”超個性的なラーメン”に仕上がっていることには間違いなく、シェフの腕も確かです。

このお店のシェフさんの、飽くなきチャレンジ精神には深い敬意を表したいと思います。

ワタシは、”ラーメン”というものを考える上で、この”トム・ヤム・君”にチャレンジしてみる価値は大いにあると思いました。

当然食べた方によって、ワタシとは全く違った感想をお持ちになる方も十分にあると思います。



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非公開コメント

おはようございます♪

個性の有る物同士は、上手く適合しないと考えがちですが、
概ねその考え方は当たってますよね(^^ゞ
例外は有るかも知れませんが、綺麗な色も混ぜ合わせると、
黒くなるのと同じで、七色にはなりませんものね(笑)

あっさりシンプルが良くなった今、尚更そう思います。
ま、選ぶのは客ですから食べない私がとやかく言う事は
店主さんに失礼ですね(^_-)-☆

金券、ポイントカードは最近お断りしています。
期限までに、再訪の可能性がないから(゚m゚*)プッ

合わせるのは難しい

ベル様
おはようございます。

そうなんですよね、個性が強いもの同士を組み合わせると最強のものが出来ると考えがちですが、そこが難しいんですよね。
合わせようによっては、お互いを相殺してしまうケースの方が多いように思います。
個人的には味の中心軸を決めたら、それを活かせる方向の方がうまくいくように思います。

ところが、1月21日にアップ予定の、伊予市の「味芳」さんが作るラーメンは、個性が強いもの同士を組み合わせて見事にシンプルな味に仕上げられています。そういうケースも実際にはありますから、一概には言えませんね。

ダブルノックダウン

じゅんさん、おはようございます。

負けてはいないが勝ちもしなかった・・・。ウマい表現ですね。
まさにボクシングの"ダブルノックダウン"ですね。

此処は私も以前に行って「あかねやラーメン塩」を食べてますね。
料理のことよりも、レンゲがデカくて食べ辛かったのを思い出しますwww

こういう独創的な料理を出し続けるお店も、在り続けて欲しいお店であることは間違いありません。



研究熱心

乱駆郎様
このお店の店主さんの研究熱心というか、新メニュー開発意欲はすごいですよ。ほぼ毎月1つ位は開発されているのではないでしょうか。

ただ、それが必ずしも成功していないケースも少なくなく、そこがお客さんの数にも影響しているように思います。

でも、プロの料理人としては大したものだと思います。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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