FC2ブログ

「再訪 114 お食事処 かわぐち」・「愛媛グルメ紀行」 534

今日は、松山市内でも先々代から言えば戦前から伊予鉄郡中線余戸駅前にあるお店を”再訪シリーズ”114番目のお店として再度お訪ねしました。

前回記事は昨年7月18日にアップしました。(「お食事処 かわぐち」・「愛媛グルメ紀行」 334)そのお店は、”お食事処 かわぐち”さんです。


伊予鉄郡中線の歴史は古く、明治時代後期にはもう松山駅から郡中まで開通していました。その郡中線”余戸駅”の開業は、明治29年7月4日のことでした。


今日ご紹介する”お食事処 かわぐち”さんは、その余戸駅が営業を開業した後、戦中から戦後にかけて既に開業なさっていたという老舗です。

玄関1
これがお店の玄関です。


前回、お店の女将さんにお聞きしたこのお店の歴史をもう一度紐解いて見ましょう。その時の会話の再現です。


「そうよねー、開業してから60年はトウに越えとると思うけど・・・・詳しいことは分からんのよー」と女将。


そしてこう続けた「この店、元々は主人のお母さんがやっていて、それを私が引き継いだケン・・・」

店内2
更に続けられた「主人のお母さん、戦争で引き上げてから直ぐにこのお店開いたらしいケン・・・」


「でもねー、もっと古いこと言うと、戦争中には主人のお兄さんの奥さんがもう”うどん屋”さんをやっていたらしいんよ。でも、主人のお兄さんは戦争で亡くなってねー、それで奥さんも”うどん屋”をやめたと聞いた、もう昔のことやけど」


「ジャケン、それを引き継ぐ形で主人のお母さんが食堂はじめたらしいんよ。元は何時からじゃったか、言うんはワタシは知らんのよー」っと。(ここまでは前回お伺いした時のお話)


そして”その続き”を再訪したときに、話していただきました。前回からかなり日が開いていたにも関わらず、お話は前回の続きから始まりました。


「でもねー、私が始めた時は全く経験なかったんヨー!見よう見まねやった。でも、そんなこと言いながらもう25年スギタンヨー」っと。(ここからは、再訪した今回のお話)

メニュー3
さて2回目は、初めてお伺いして昔懐かしい”中華そば”をいただいた時から、次に来た時は”鍋焼きうどん”にしようと決めていました。


鍋焼きうどん”を注文した後で、店内のホワイトボードに”本日の定食”というメニューがあることに気がつき、当日は”オムレツ”でしたので「その定食のメニューは毎日変えるんですか?」とお尋ねした。


すると「そうよ、毎日ね。アッ!定食にする?鍋焼き止めようか?」と。慌てて「いえいえ、鍋焼きでけっこうです」と答えた。

鍋焼きうどん4
これが注文した”鍋焼きうどん”です。お値段は500円(内税)。


目の前に出された瞬間から”イリコだし”と”牛肉”から出た甘い香りが一斉に鼻腔を襲います。


こちらのお鍋は、老舗に多い”アルマイト製”ではなく”鉄製”でした。まだ、出汁がグラグラいっていて、次第に生卵の白身の外周から固まっていきます。

鍋焼きうどん5
私が盛んに写真を撮っていますと、女将さん「アノー・・・お客さん、これからこういうお店始めたいン??」と怪訝(けげん=不思議なものを見るような)な顔でワタシに尋ねられた。


そこで「いえいえ、もうこの年では・・・・。実はこういうお店に行って、食べたものを写真に撮ってそれをパソコンのブログいうモンに書いてるんよー」とワタシが答えた。


その瞬間に「アッ!その顔思い出した!オボエトルーーー。うんうん、前来られたよねー!」っと。

アップ6
そして、冒頭に書きましたこのお店の来歴の”続き”が始まったと言うわけです。


「そりゃあね、昔ほどお客さんは多くはないよ。特に”コンビニ”ヨー!私らの敵はー!!」と語気を強められた。


「昔はねー、この辺りにも市内に通う会社員さんなんかが、アパートなんかに住んでいてね。その人たちが朝ごはん食べにウチに来てくれてたンヨー!」


「それがねー、最近では全部コンビニさんに吸い込まれてシモーテ・・・・。朝も昼も、ましてや夜なんか特にひどいんよー。やけんネー、夜なんかハヨー閉めてるンヨー。昔は伊予鉄の終電車までお店開けとったんよー!」っと。

スープ7
スープが黄金色に輝いています。女将の悲嘆(ひたん=なげき)は別として、この”鍋焼きうどん”、戦前からの系譜を継いだ重みと言いますか、味わい深い。


ただし、老舗特有の”砂糖の甘さ”はない。それは、女将さんがご主人のお母さんがやっていた店を引き継いだ時、お母さんと経験を共有した時間がなかったからです。


ですから、戦前世代の「美味しい=砂糖の甘さ」という味に対する価値観を、舌で共有されなかったからに他なりません。


一言に老舗の味と表現しがちですが、そのお店の継承の仕方が違えば、味の継承も異なりますから、とても一言で語れることではないのです。

麺8
このやや太目の麺だって、普通に製麺業者から仕入れたもの。


ところが、歴史を引き継いだ部分と女将さんが試行錯誤で生み出した部分が相まって、このお店でないと味わえない麺になっています。


ちょっと柔目の麺、モッチリしているわけでもないし、特別に弾力があるわけでもありません。でも、でもここに来なきゃ味わえない滋味があるのです。


ワタシの縮んだ胃が要求するのです。「グダグダ言わずに、さっさと食ってくれ!」と、こう言ってるんです。慌てて食べました。

完食9
ですから食べ始めたらあっという間でした。舐めるように完食しました。爽快でした。


それをみていた女将さん「うふふ・・・・また来て下さいね」と、優しく送り出していただきました。


息子さんが跡を継がないことは、女将さんも納得されていることです。どうか、何時までもお元気でお店を続けて欲しいと願わざるを得ません。



にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 松山情報へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました

貴重な情報様

貴重な情報を、丁寧に調べて頂きありがとうございました。
さっそく、お示し頂いた資料に目を通しました。仰る通りでした。

この件は、一番最初記事を書いたときから「何か変だな?」とは、思っていました。その時にも指摘していただいたこと、今でも明確に覚えております。

ですから、今回の記事を書くとき、再度「ホームページ」を確認しました。それが・・・・・・ウーーーンですねーー。一旦活字になってしまうと、勝手に出回ってしまうという好例ですね。

お調べしていただき、お示し頂いたデータは、さり気無く、なんの注釈も付けずに訂正しておきます。

重ね重ねも、お礼申し上げます。これで、今までモヤモヤしていたものが吹っ切れました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード