「大洲 にし川」・「愛媛グルメ紀行」 516

この記事を取材したのは、4月14日の日曜日でした。


予てからの計画で、「大洲を中心にした南予の歴史」を書いておきたいと、小田→内子→大洲→宇和町→吉田町→宇和島→そして郷里の野村→大洲→松山というコースで取材旅行に出かけました。1泊2日で300キロの強行軍取材です。


そしてその一日目は、”大洲のひで”さん(ブログ名:hideのgo for broke:http://blog.livedoor.jp/hidegoforbroke/archives/7804177.htmlさんの記事を参考に、お伺いするお店を決めていました。


ところが、その第一候補と第二候補のお店がいずれも日曜日が休業でしたので、第三の候補のお店にお伺いしたというわけです。

玄関1
そのお店が、大洲市役所のすぐ近くにある”お好み焼き・たこやき にし川”さんです。


もうそれこそ、大洲市役所のお膝元です。お店にお伺いして「駐車はどこにしたらいいですか?」とおうかがいしました。


すると「お店の前に置いて!」っと。つまり、路上駐車です。

店内2
お店は、ワタシより遥かにお年を召しておられると思われるおばちゃんが一人で全てを切り盛りされています。


大洲のひで”さんのブログによりますと、「このお店は出前で頼むものという考えが滲み込みすぎていて、訪問するという選択肢が今までありませんでした」っとありました。


そしてその記事の中で、お店に行かなければ食べられないメニューとして”汁そば”というメニューを挙げておられたのです。


店内は、完全に鉄板焼きのお店の設(しつ)えです。

メニュー3
メニューの掛札を見ますと、”お好み焼き”をメインとしてズラッと鉄板焼きメニューが並んでいます。


その中で、かろうじて鉄板焼きメニューではないと思われるのが”汁うどん”と”汁そば”です。


そこで、大洲のひでさんが頼まれたメニューと同じ”汁そば”を頼みました。何と、ナント、お値段は400円です。ちょっと”浮世離れ”したお値段ではありませんか。


しかし、それが浮世の話ではなく現実の話だと分かるのは最後の最後でした。

調理過程4
ワタシとほぼ同じタイミングで、ニッカボッカをはいた若者が1人お店に入りました。


既にお店には不思議に同じニッカボッカスタイルの若者が3人、巨大な”お好み焼き”を食べていました。


後から入った1人の若者に「あんたーゴメン!お好み焼きと麺類しか今日はデキンのよー。ご飯がないケン!」っと。

過程5
「おばちゃん、ウン エエヨ!焼きそばしてや!」っと注文。


焼きそば”の作成過程は、他の鉄板焼きのお店と全く同じ。


ただし、1人前の焼きそばに、キャベツ一玉の四分の一程をざく切りして使います。ニンジンだって、まあコンダケ入れるか?とう位に大量に。イカも惜しみなくドサッと入れて炒めます。

過程6
まあ、その豪快なことと言ったら。


鉄板の上で大きなコテを2本操る手捌き、意外とぎこちないのですが、それでも実にパワフルに作っていきます。

汁そば7
さて、”汁そば”とお店で呼んでいるものも出来上がりました。おばちゃん、一人で大忙しです。


まあ何と、大量の野菜。上に掛かっているのは最後にすり下ろして入れた胡麻です。


どのカテゴリーにも属さない、このお店のオリジナルですが、敢えて言えば”チャンポン”か。


しっかり人工調味料も投入されました。ワタシはそれを排除する立場には立ちません。でも・・・かなり大量でしたが。おばちゃんが何もかも一人でやっているんですから、細かいことなど言うのは”野暮”と言うものです。

汁そば8
具材は、大量のキャベツをベースにして、ニンジン、タマネギ、ワカメ、チクワ、カマボコ、豚肉です。


味は、唸るほどのものではありません。でもこのお店では、味がどうの?という価値観では語れないものがあると思いました。


それは、使っておられる”まな板”を見れば分かります。大きな無垢の木のまな板の中央部分が大きく凹んでいます。もう何十年も同じまな板を使われていることが一目で分かるのです。


「そのまな板、かなり年季が入っとるねーー」とはワタシ。


「そうよねー、初めてお店出したんが、昭和27年よー!

汁そば9
この言葉で、一瞬腰を抜かしそうになりました。


ショーーワ・・・・27・・・年!!  ワタシはその時まだ3歳です・・・・・・」


「たった一人で・・・・・た っ た ヒ ト リ で・・・・60年・・・・!


言葉が出ませんでした。「いや、出身は大洲なんよー。でも主人の仕事の関係で、初めてお店を出したのが松山の宮田町。あの辺りには、だいぶ減ったけど、まだ知っとる人がオルンヨー!」

麺10
「父ちゃんの稼ぎでは生活できなんだケン!近所の学生相手に商売始めたんよー。途中で、止めとったこともあるけど、今はこうやってネ!」っとおばちゃん。お袋の年代です・・・・・・・・・・。


「”出前”もされているとお聞きしましたが、”出前”はどなたが?」っとワタシ。


「どなたが?ユーテ・・・・誰が他にやるん????私よ!


え??????これで味がどうのこうのって言えますか?


一昨年亡くなった母と同年代。そのおばちゃんが、”出前”注文で大洲市役所内を駆け巡る!


これが一体、”浮世”(=この世に起こっている現実の世界をいう)のことだったのでしょうか。


夢うつつでお店を後にしました。あれは本当に現実のことだったのか・・・・?っと頭をひねりながら。



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おはようございます♪

昭和27年・・・生まれた翌年だわ(笑)
頑張ってるご婦人の見本だわねぇ~
ウチの義母と同い年ぐらいかしら(^^ゞ

今日はその義母の、お見舞いに行きます。
体調がよろしくないようで、医者と面接です(ノ_-;)

あれれ

ベル様
今日は鳥撮りは控えると書いておられた事情はそうだったのですね。
それはご心配ですね。

その80代のおばちゃんが、まだ元気で出前までしています。大洲市役所に限定したのも最近のことだそうで、この辺りの方は随分恩恵を受けていたのでしょう。

やはり何かに打ち込むものがあれば、若さを保てるという見本のようなおばちゃんでした。

ご訪問ありがとうございます!

そうです。喜色満面のおばちゃんを見ると、野暮なことは言ってられません。
しかし、さすがの取材力ですね~。
おばちゃんの歴史は全く知りませんでした。
次回訪問時の話題が増えて良かったです。
是非再訪されて、鉄板焼きも食べてみてください。

おはようございます

大洲のひで様
元気をいただけるお店をご紹介していただき、ありがとうございました。

あの元気で明るいおばちゃんと接していたら、自分が歳のことを理由に何かを判断することが恥ずかしくなります。

目標を持って生きること、多くの人に接し続けて刺激を貰い続けること、そして誰かの役にたっているという人間の尊厳。これらを持ち続けることの大切さを学ばせていただきました。

大洲は郷里との中継基地的町ですから、これから何度でもお訪ねする機会はあります。また、あのおばちゃんとお話をしたいと思っています。ありがとうございました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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