「うどん 心」・「愛媛グルメ紀行」 519

今日は、久万高原町にある”うどん 心”さんをご紹介しましょう。

久万高原町の役場近くの、国道33号線沿いにあるうどん店の老舗です。

このお店は、久万高原町在住の”兒玉ご夫妻”にご紹介されました。ご主人は木工作家さん、奥様は漆芸家というご夫妻です。

久万高原町直瀬の素敵な洋食店”キッチン スプーン”さんをご紹介頂いたのも同じ”兒玉ご夫妻”です。

山1
兒玉ご夫妻”の作品展を初めて取材して、記事にアップしたのは2010年6月18日のこと。西条市で作品展をされたのを取材にお伺いして、3回に分けてご紹介しました。(「児玉高次・日南子展」<木工・漆>

またその作品展を見て感動して、どうしても製作現場を拝見したくなり、工房兼ご自宅の久万高原町をお訪ねして記事にアップさせていただいたのが2010年7月10日です(「児玉高次・日南子」夫婦の製作現場。)一ヶ月足らずで工房まで追っかけしたことになります。

田2
そして、”兒玉ご夫妻”が2年ぶりに松山三越で”第5回作品展”を開催知れましたので、再度松山三越にお邪魔して作品の数々を取材させていただき、記事にアップしたのが2013年1月5日と6日のことです。兒玉高次・日南子「木と漆」展から 1

元々仕事上のお付き合いでしたが、今ではご夫婦のお人柄と生き方、それに素晴らしい作品の数々に魅了され、すっかり大ファンになってのお付き合いが続いています。

先月4月23日にアップさせていただいた”キッチン スプーン”さんに引き続いてのご紹介で、4月26日に久万高原町をお訪ねしました。画像でもお分かりの様に、その時には久万高原町の田にはすっかり水が引かれ、田植えを待つばかりといった季節でした。

お店3
こちらがご紹介された”うどん 心”さんです。国道33号線に面しておりますが、ご紹介がなければ決してお訪ねすることはなかったでしょう。

この道は何度も通っていますが、まったくお店の存在には気がつきませんでした。

でもお店の女将さんにお聞きしますと「今年で、ソーーヨネーー、もう33年になるかなー」というお話です。

玄関4
このお店、定休日は日曜日だけですが、兒玉ご夫妻の話では時折お店をお休みすることがあるとお聞きしました。

それで久万高原町のお店に行く何日か前に、お店にお電話しました。

「定休日は何時で、何時からお店を開けておられますか?」っと電話でお尋ねしたところ、「お休みは日曜日です。普通なら午前11時30分にお店を開けます。でも、何か用事ができたらお店はお休みします」というお答えでした。

その「何か”用事”」が、どういう用事を意味するのかは分かりませんでした。26日にお伺いした時も、時間の余裕を見て、きっかり午前11時にお店にお伺いしました。

ところが、お店の玄関の内側に張り紙がされており、「今日は12時にお店を開きます」っとありました。結局、お店の前で1時間は待てず、先に素敵な素敵な”キッチン スプーン”さんをご紹介していただいたお礼に”兒玉ご夫妻”のお宅をお訪ねし、午後0時45分にこのお店をお訪ねしました。

薬味他
お店にお伺いするとお店の駐車場には入りきれず、国道33号線の路肩に車を止めて駐車場が空くのを待つことに。駐車場へは10台以上駐車可能なのですが、満車でした。

結局10分ほど待って店内に。店内は20人は入れないでしょう、小ぶりなお店です。ですから、空いた席に相席は当たり前。

店内にメニューらしきものは、厨房前のレジ上に一ヶ所だけ。ただ「大450円、小300円」と表記してあるだけ。

予め兒玉ご夫妻から「メニューは”かけ”と”釜あげ”の二種類だけ。私は”かけ”を何時も頼み”兒玉君”は何時も”釜あげ”」っと、兒玉ご夫妻の奥様の声。

結婚前から、ご主人のことは”兒玉君”と呼んでいるのだと仰る。いやはや、ご馳走様でした!だからお二人が好きなのです、ワタシ。

ワタシは当然に”釜あげ小”を注文。お値段、ナント300円。セルフうどんではありません。

薬味”のネギや生姜のおろし、それに大きな徳利に入った出汁と天カスが予めどのテーブルにも用意されています。少なくなったらドンドン補充されます。

お客さんは、地元の方を中心に松山市などから多数詰め掛けています。客種も実に多様。麺がなくなり次第、閉店です。午後2時過ぎには、普通であれば麺がなくなります。

一日、僅か2時間から3時間の営業です。それで33年!驚異的です。

出汁5
こちらが、出汁を入れた大きな徳利から”出汁猪口”(だしちょく)に出汁を移し変えたもの。

多分、この”出汁”の色を見られた経験があるという方は、このお店に来た経験がある方だけだろうと思います。

数多くうどん店を回りましたが、全く初めて目にする、そして味わうことになる”出汁”でした。

この”強烈な個性”を放つ”出汁”、これに魅せられて毎日通われているお客さんもいらっしゃるでしょう。

このお店でしか味わうことが出来ない”一癖も二癖もある出汁”です。単純な鰹出汁の醤油味ではありません。

実に深い味わいを持つ出汁です。ワタシも生まれて初めて味わう味なので、どう表現し、どう比喩してよいのやら見等がつきません。

主役のヒーローやヒロインを、その渋い演技力で平気で喰ってしまう貴重な”バイプレーヤー”(脇役)とでも言いましょうか。

この出汁に、タップリと刻みネギと摩り下ろされた生姜と天カスを豪勢にブッコミます。

釜揚げ6
さて、出ました!文字通り、大きな湯で釜から上がったばかりの”釜あげ”です。まだグラグラ沸いているのではないかと思わんばかり、”麺が生きている”のです。

湯で置き麺”をお湯に潜らせて再度温め直して出す様な”仮死状態”ではありませんし、ましてや決して死んではいません。

まだピチピチに躍動して生きている””です。

兒玉ご夫妻のご主人から「ここの麺は長くて、しかも箸では切れませんよ!丼からズルズル引きずり出して、多少無作法でも直ぐ手間上に置いた”出汁猪口”に直接入れなければ食べることができませんよ!」っとアドバイスを貰っていました。

周囲を観察しました。なるほど、普通のうどん屋さんで”釜あげ”をいただくように、麺を箸で掴んで、丼から高く持ち上げて”出汁猪口”に入れているお客さんが一人もいません。皆さんよく心得られているのです。

釜揚げ8
釜あげされたばかりの”うどん麺”を、そのまま一本食べてみました。

なるほど、釜揚げ特有の”ヌメリ”があります。しかも、ただ単に”固い”だけの麺を”腰がある”と称して出している”讃岐うどん”を自称する数多(あまた)の物悲しい”うどん屋”の麺とは、明確に一線を画する””です。

ただし、ワタシが個人的に”溺愛”(できあい)している、松山市内萱町の”どん”さんの麺とも明確に違います。

個人的溺愛度から言えば、どん”さんの釜あげの麺の方がずっとずっと好きです。また、麺の総合力では松山一、いや愛媛一だと認識している、高井町の”味十味”(あじとみ)さんの麺の方が、数段バランスが取れていて、完成度は上だと思います。

でも上に挙げた二店の””とは、全く次元が違う””です。このお店に来て、釜からあげたてをいただかないと決して味わうことが出来ない麺です。

決して固すぎはしないのに、箸で切断できない弾力性がある。麺に”撓(たわ)み”があるのです。撓(たわ)みとは、麺をの両端を持って引っ張っても中々切れない弾力性を言います。

アップ9
まあこの”麺の艶”をご覧になって下さい。”乙女のもち肌”という表現がありますが、これほどの艶を持った子がいるでしょうか?乏しい経験なので、そのことが断言は出来ませんが。


惚れ惚れする肌の艶ではありませんか。これが口腔内に充満するのです。ワタシのブログ友”ジンゴズンゴ”さんのセクシーな描写を借りるまでもなく、”超官能的”な麺です。

愛媛の数多(あまた)の、讃岐に媚びるうどん屋さんの”麺の腰信仰”、妄信的過ぎやしませんか?

釜揚げ10
これが”うどん 心”さんの正しい”釜あげうどん”のいただきかたです。この方法でしか、満足に食べ切る方法はないでしょう。

下品と言われようが何と言われようが、この食べ方で”ズルズル”と音を発てながら、麺を口腔に啜りこむ。

これは先ず”味覚”で味わうのであり、同時に”出汁”の酸っぱさを鼻腔、”嗅覚”で味わうのであり、口腔内を艶やかな麺が通過するセクシーな”触覚”で味わう”釜あげ”なのです。

更に、この麺の”乙女の様な肌の艶”を”視覚”で楽しむのであり、最後に自分と同類のお隣さんが旨さを隠しきれず、思わす”ズルズル”と下品に啜りこむ音を”聴覚”で楽しむ”釜あげ”なのです。

そうです!まさに”五感”の全てを使って味わう”うどん”なのです。

さて皆さん、どうされますか・・・?

「何時(いつ)ですか?・・・・””でしょうーーー!」



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おはようございます

このうどん屋さんもある種の有名店で、個人的には真木食堂の中華そばとかぶるイメージがあったりします。どちらも超マイペースで、それでも満席のお客さんがじっーと待っていてくれるところとかも。

メニューは釜揚げとわかめうどんだったと思ったのですが、かけうどんに変わったんですかね。小でもすさまじいボリュームだったと思いますが、じゅんさん無事完食できましたですか。

独特の辛ーいつけ汁に、ふわふわした麺を浸して、食べども食べども減らない丼と悪戦苦闘しつつ、なにか不思議なトランス状態にはまっていく感じもするおうどんです。

しばらくぶりに行ってみたくなりましたよ。数年前にとべ動物園の裏山の方に2号店的なものを出されたと聞きましたが、その後どうなったのかは不明です。

知りませんでした

ファットマン様
全く知りませんでした。そんなに有名店だったんですか。道理で、行列が絶えないと思いました。満席に次ぐ満席ですよ、しかも皆さん相席当たり前。
人類ならぬ麺類を自認していましたのに、ポッカリ空いていました。
でも、強烈な個性を放つうどんと、それにあの酸っぱ辛い汁。初めて経験する味でした。他に似ている汁を出しているお店はありませんよね。

量は予め紹介していただいた人から聞いていましたのと、お伺いしたのが何時もの私のお昼時間より遅かったので、辛うじて完食できました。
でも、普通の11時30分でしたら無理だったでしょう。

松山に2号店は、久万のお店でさえ知りませんでしたので。でもまだまだ世の中行くべきところはいっぱいあるんですね!

ここにもエロティックヌード・・・ルが!www

以前、真木食堂へ行こうと久万高原町に登った時に、開店待ちでたくさんの人が並んでいるのを見ましたね。
その時は真木食堂もいっぱい過ぎて、車を停めるのもままならず、食べるの断念して下山したという思い出がありますwww

そんな経験もあって思いつき辛いですが、ここのうどんもエロ心をくすぐりますねぇwww
いつか行ってみたいです(^^)

乙女の肌

乱駆郎様
そうですか、乱さんもこのお店のことご存知でしたか。

私、全く知りませんでした。

ここの「釜揚げうどん」は小で、お腹をすかせていてちょうどいい感じです。これで大でも頼もうものなら、私の場合悲惨。

官能的、そうエロイうどんですよ。ただし、ここの麺は、妙齢のご婦人のそれではなく、乙女の肌ですよ。妙齢好みの乱さんに合いますか・・・。

でも超個性的な麺と汁ですから、一食の価値ありですよ。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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