「再訪 118 味彩そば 菊音」・「愛媛グルメ紀行」 540

今日は”再訪シリーズ”118番目のお店、通算540番目のお店として、高岡町の”道後さや温泉 ゆらら”の南隣に一昨年の3月末頃に開店した”味彩そば 菊音(きくね)”さんをご紹介しましょう。

この店を初めてご紹介したのは、2011年8月9日に”愛媛グルメ紀行”シリーズ105番のお店としてでした。(味彩そば 菊音(きくね)

そして2012年7月23日に”再訪シリーズ”6番目のお店、通算337番のお店としてご紹介しました。(再訪6  味彩そば 菊音

店舗1
そして、このお店をこのタイミングで再訪してみようと思った動機は2点あります。

その一点目は、最近あるお蕎麦屋さんでいただいた”辛味大根そば”の主役の一つである”辛味大根”の提供の仕方に新鮮さ(或は”疑問”)を感じたからです。

伝統的、あるいは本格的そば屋さんでは見ることができない”辛味大根”の扱いでした。そこに、そのお店の斬新さと工夫の跡(しかし、”別の見方をすれば疑問”)を見たと思いました。(そのお店は近日中にアップします。そのお店をアップするかどうかでは、散々に悩みました)

第二点目は、ブログ友:”ファットマン”さんが5月9日にアップされた記事(町谷でもりそば(おばちゃんに国民栄誉賞を!))の文中にあった次のフレーズが気にかかったからです。

そこで、ファットマンさんは「辛い夏大根など入れすぎると蕎麦の風味もへったくれもなくなってしまうだろう」と”辛味大根そば”の頂き方に言及されていました。

それは、何でもかんでも「美味しい!」を連発する某テレビ局アナウンサーの軽さに言及されたフレーズの(文脈)の中で象徴的に書かれただけで、”辛味大根そば”そのものを批判されたのではありません。でも、鋭いポイントを突かれていると思いました。

メニュー2
そこで、このお店が本物の”辛味大根そば”を出されていることを思い出し、お訪ねしたという訳です。

このお店では”辛味大根ぶっかけ”と呼んでおられるメニューです。お値段は950円です。

このお店の”辛味大根”は、長野県産とありました。実は私が”愛媛グルメ紀行”で5月7日に採り上げた、西条市にある蕎麦屋の名店”西條そば 甲(きのえ)”さんの”十割ざる”の薬味三種の中にも、長野県産の”辛味大根”が使われていました。

やはり”本物志向”のお店には、共通性があると感じさせられました。しかし、本物志向とはまた違った道(新しい道を模索する蕎麦屋)さんが松山で登場しました。(記事は後日)

辛味大根そば3
これがこのお店の”辛味大根ぶっかけ”における、”辛味大根”の提供の仕方です。

それは椿神社の表参道にある、やはり名店の部類に入る、”無着庵”さんの”辛味大根そば”においても同じ”辛味大根”の提供の仕方をされます。(「再訪20 無着庵」・「愛媛グルメ紀行」 358

つまり、”本物の辛味大根”は本気で辛いので、蕎麦とは別添えで提供され、お客さん自身で辛さの調整をしながら食べるという仕組みになっているのです。

ファットマンさんが指摘された通り、「辛い大根を入れすぎると蕎麦の風味が飛んでしまう」ことを調整するために別添えになっています。

辛味大根4
さて、そもそも”風味”を楽しむ”蕎麦”に、なぜ”辛味大根”が登場するようになったのか。

それは江戸時代に、江戸の庶民の間で”蕎麦文化”が花開いた時にさかのぼらないと理解できないところです。

再訪した時の”無着庵”さんの記事で書きましたが、当時から蕎麦には様々な薬味を添えて、蕎麦の味のバラエティーをつける食べ方が生まれました。

その時代に「いっとう(一番の)の薬味は辛味大根の絞り汁」といわれ、持てはやされました。

そうなんです、当時の薬味としての辛味大根は、その”絞り汁”を使っていたのです。

それを、辛味大根を絞って(つまり、絞り汁を捨てて)団子状にまとめて、蕎麦の上に全量を最初から乗せて提供されるお店に、最近になって初めて遭遇して驚きました。

それは伝統ある蕎麦屋、蕎麦業界では考えられな提供の仕方でした。

でもそのお店は、辛味大根に慣れないお客さんが多いので、辛味の本体である汁を絞り捨てて、食べ易く工夫されたのだろうと思うにいたりました。つまり、若き店主さんの優しさ故(ゆえ)の提供方法の工夫でしょう。

蕎麦屋の常識や歴史的な経緯など関係ない!今のお客さんに美味しく”気軽に”食べていただければいい、という店主さんのお考えでしょう。

ぶっかけそば5
さて、これが辛味大根を投入する前の蕎麦です。

上に、蕎麦の麺を揚げられたものが添えられています。これが、この”辛味大根ぶっかけ”の味のポイントになっています。

蕎麦麺がカラッと揚がっていますから、漬け汁をかけてもシンナリとはならず、最初から最後まで蕎麦全体に香ばしい香りを残してくれます。

乗せた
先ず”辛味大根”をこの位乗せて,そこに漬け汁をかけて全体をかき混ぜて食べてみます。(もちろん、どのように食べてもいいのです。単にワタシの食べ方を書いてるだけです)

こうやって、辛さを調整しながら”辛味大根”の投入量を増やしていきます。

舌が辛さに慣れてきた段階で、ワタシの場合は残りの全量の”辛味大根”を投入しました。

そうしますと、舌が辛味と蕎麦の味・風味を嗅ぎ分けられるように思っているからです。

混ぜた6
そして、全体を大きく混ぜると上の画像の状態になります。

そこで蕎麦を口に入れますと、先ずは辛味大根の辛さが口腔内に一斉に充満します。そして、その辛さが一順した後には、爽快感が口中に満ちてきます。

その後の蕎麦の味、普通に漬け汁でいただく蕎麦に深みが増します。これが”辛味大根そば”の魅力ではないかと思っています。

アップ7
このお店は、毎日石臼で蕎麦を引くところから仕込が始まります。

実に繊細な蕎麦を味わうことができるお店だと思っています。

本来は、その繊細な蕎麦を”ざる”(あるいはせいろ)でシンプルにいただくのが一番の味わい方だと思います。

ところが人間欲なもので、そこに薬味を添えたり種物(天ぷらや鴨など)を使ったり、そしてより刺激が強い”辛味大根そば”が生まれたのではないかと思います。

元々”辛味大根”の名産地は京都で、古くから栽培が行われていました。(現在、栽培農家は2軒になったという情報もあります)

その京都では、昔は辛味大根おろしのソバを年越しに食べる習慣があって、蕎麦屋は、蕎麦と辛味大根を届け、食べる直前に各自で辛味大根をおろして、蕎麦にのせて食べる習わしだったそうです。その辺りから、全国に広がったのかも知れませんね。

そば湯足した8
辛味大根ぶっかけを食べ終わった頃に、そば湯を赤い湯桶に入れて持ってきてくれます。

残った出汁にそのそば湯を注いで、啜ります。これが又美味しいんです。

辛味大根の辛さが残っていますので、ちょっと刺激的なお吸い物になります。

完食9
そりゃあ”完食”ですよ、当然に。

舐めたように見えるでしょう。そば湯で洗って全部啜ったのですから、こうなります。

満腹感と満足感で心身ともに満たされます。ウウフ・・・幸せです。

そばアイスクリーム11
今日はこのお店で初めて、”甘いもの”を注文しました。甘いものを注文した理由は、辛い”辛味大根ぶっかけ”をいただいた直後だったからです。

それが画像の”そばアイス”です。お値段300円。

そば粉がアイスクリームに練り込んであり、上には”そばの実”が乗せられています。初めてそばの実の味を知りました。

そばの実の甘皮を取った後のそばの実は、やや薄緑色をしています。”十割そばだけを湯掻いた後の”そば湯”が、薄い緑色に見える所以(ゆえん=理由)です。

そば湯が乳白色に見えるのは、蕎麦に小麦粉を混ぜてあり、その小麦粉の”グルテン”が溶け出した為。ましてや、普通に蕎麦を湯掻いた後の”そば湯”がドロドロに濁っていて”トロミ”などがついたりはしていません。

さて”そばアイス”です。甘すぎず上品な甘さを堪能しました。自然に笑みがこぼれます。




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非公開コメント

まいろですー!

渋いですね!
大人の食べ方ですにゃー!
ちょっち真似してみたくなりました。(^-^)

渋い

おーちゃん様
ウフフ、渋いというより、「本気で辛い」ですよーー。

決して、別皿で出される「辛味大根」を一度に全部ぶちまけないように。チロチロと継ぎ足し、混ぜながら「本物の辛さ」に、舌を慣らしてくださいねー。

蕎麦というものの世界が変わりますよ!

おーちゃんさんがアップされた「井上の蕎麦屋は仕事場のすぐそばや!」にも「辛味大根」がありますが、別世界です。それぞれのお店の方の考え方の違いが見事に現れています。井上さんの蕎麦も、もちろん優れていると思いますが。(近日中にアップします)

No title

なるほど。
十割そばだと、大根の辛味のあとからそばの風味が引き立つ、むしろ深みが増すってことなんですね。なかなか奥深い世界ですね!
そういう意味合いで言っておられたのなら、○○テレビさんにもおわびしないといけないですね。私は、特に夏大根はメチャクチャ辛い時があったりするので、ぶっかけうどんに大根おろしを投入するときなども警戒して味をチェックしたりしているもので…。

町谷は遠いですけど、ぜひまた行きたいですね。
このお店も一度行ってみたいです。私はゆらら温泉はチョクチョクお邪魔するんですよ。

奥深い

ファットマン様
ついつい、蕎麦の話をすると前のめりになって薀蓄を語りすぎる癖があり、それが一部で顰蹙を買う事もあるようです。

ただ蕎麦の世界は、深めれば深めるほど奥が深い世界のようで、江戸時代から蕎麦屋自身が、蕎麦を打ちながら、蕎麦の世界を研究して様々な著書を残しています。うどんや素麺等に比べて、歴史が浅いにも関わらず、蕎麦の世界だけは、民間での研究が連綿と今日まで続いています。その意味で、やはり奥が深い世界ではないかと思います。

某局のアナウンサーさんが、そういうことを意識していたかどうかは分かりませんが、町屋さんにしろ菊音さんにしろ、美味しい蕎麦を頂けることがありがたいですね。ぜひ、菊音さんで「辛味大根そば」をご賞味してみて下さい。^^

なお「蕎麦アイス」も、超お薦めです。

クソむみたいな 店

飛び込みで昼過ぎに入店 入ったとたん「カウンターへどうぞ」 と 離れたところから・・・
カウンターには 帰った客の残り膳が・・・ 汚れも
それっきり 放置状態で 約20分
自分の後から入店した客には おしぼりやらお茶やら・・・?!
食事する気分にもならず・・・・退店しました。

片付けも出来ない店の食べ物の中には 何が入っているのやら?
食器もあらっているか・・・どうか??

てんてこ舞いに忙しい様子もなかったのに・・・俺は透明人間か?  

コメ 消すのは勝手ですが 良い事ばかりの評価なんて 笑っちゃいます。

同一文章を食べログに書いたら 削除

なかよしこよし食べログにも へきへきです。

初めてのコメント

HI脂肪様
初めてのコメントありがとうございました。そして「単に悪意」だけのコメントでない限り決して削除なんていたしません。

私は、自分のブログにおいて、自分が見たまま食べたままを書いています。私が良いことばかりを書いていると「HI脂肪」さんがお感じでしたら、それは私の筆力不足でしょう。しかし、同時に過去の私の記事をきちんと見ていただきさえすれば、そういう誤解は解消できると信じております。私は正直に書き過ぎて、余りに辛口過ぎると批判を受けたことはありますが、「なかよしこよし」という批判は初めです。(ただし、雑談が出来たお店、私のブログを知っているお店に対しては高得点ではないか、という指摘を最近受けました)

ただし、、明確に申し上げて置きます。今回「HI脂肪」さんがご経験なさったことを、私自信が経験し直面したとすれば、私なら恐らく黙って立ち去ったりはしないと思います。それは私の過去のブログを見ていただければご理解できると思います。

立ち上がって、「HI脂肪」さんがお感じになったことをそのまま言葉に出してお店に伝えていたと思います。黙って立ち去るなどということは先ずしていないでしょう。

もちろん、幾つかの例外はあります。砥部にあります国道33号線沿いの、超人気店では客を他所に店員同士が醜い言葉で互いに罵り合っているのを目の当たりにしました。その時は、腹を立てる以前に余りにも悲しくなって黙って立ち去りました。しかし、その事実はブログに明記し、二度と訪れることが出来ない、と書きました。数少ない例外です。

私は「HI脂肪」さんが書かれた「食べろぐ」なるものを見たこともありませんので、その世界がどうなっているかは知る由もありません。

私へのコメントが、「なかよしこよし」だとは書かれていませんが、もしそうお思いなら、それは誤解でありますし、私のブログの読み込み不足と申し上げる他ありません。

ただ単に「食べろぐ」なるものと同列において「かなよしこよし」だという趣旨で書かれているとしたら、私にコメントを寄せて頂いている方々に対して失礼だ!と申し上げておきます。

接遇に関する価値観に於いては「HI脂肪」さんと異なるところはありません。

私が仲間内にだけ甘いブログを書いているとお思いなら、一から読み直して再度判断していただきたく思います。

私は辛口コメントを嫌う立場ではないことをご承知置きください。ただし、単なる「悪意」あるだけのコメントに対しては全く別問題です。

初めて寄せていただいたコメントは、大変ありがたく貴重に思います。接遇に関する価値観も変わることはないと思いました。そのことを曖昧にしたまま八方美人的なブログを書いているつもりはありません。初めてのコメント、ありがとうございました。必ずや「HI脂肪」さんと私の歯車が合うことを念じ信じております。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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