「再訪 119 一閃」・「愛媛グルメ紀行」 541

今日は”再訪シリーズ”119番目のお店、通算で541番目のお店として、石手2丁目にあるラーメン屋の名店”一閃”(いっせん)さんをご紹介します。

今回で3度目のご紹介です。初めてお店をご紹介したのは2011年6月20日、”愛媛グルメ紀行”シリーズ75番目でした。(「ラーメン処 一閃」 真っ当な「B級グルメ店」 76)まだシリーズ名を”真っ当な「B級グルメ店」”と言っていた時代です。

2回目にご紹介したのは2012年10月23日、”再訪シリーズ”51番目、通算401番目のお店としてでした。(「再訪51 一閃」・「愛媛グルメ紀行」 401

場所は、石手2丁目。道後から石手寺を通って、湯山や奥道後を目指す県道317号線沿いの「石手ビル1階」にあります。

玄関1
松山祭り”が大好きで、店内には”神輿”(みこし)の旗印がずらりと並ぶお店ですが、今までの2回は店主さんのお顔を拝見できませんでした。

何時も厨房の奥に居られて、一度も店頭に顔を出されたことはありません。

今回お伺いしますと、玄関前の草木に水遣りをなさっていて、初めてお顔を拝見しました。実に誠実を絵に書いたような好青年でした。

メニュー2
今までの2回でいただいたのは、”五目らーめん”(一回目の記事ではメニュー名を間違って”ちゃんぽん”と書いています)と”とりねぎらーめん”でした。

今回は、再再訪をしようと思ったときから決めていました”特性つけめん”を注文しました。お値段は750円です。

注文を告げながら、華奢で美人の奥様に「今まで2度来てらーめんをいただきましたが、どの時も素晴らしく美味しかった。ところで店主さんはどちらで修行なさったのですか?」っと、思い切ってお尋ねしてみました。

今までの2回は、店主さんのお顔を見ることが出来なかっただけでなく、店頭におられる奥様ともほとんど会話らしい会話をしていませんでした。

ワタシの”愛媛グルメ紀行”におけるアプローチとしては極めて不本意でした。第一店頭に立っておられる女性が、厨房にいる店主さんの奥様かどうかも聞けていません。

ワタシの上の問いかけに奥さん、実に気軽にお答えいただきました。

メニュー3
「どこで修行ユーーテモ・・・・・そう、もう10代のころから”中華料理店”で働いとったケン、そこのご主人に中華の基本を教えられたンヨ!」

「ラーメン店でも働いとったことあるけど、基本は中華なんヨー!」っと、実にスムースにお話が出た。

「なるほどこの夜の部のメニューを拝見すると、メニューの主なものは確かに中華ですね」っとワタシ。

「ジャケド・・・”わらびとフキの炒め煮”ナンカは和食じゃしー、”じゃこツナPマン”なんかはー、そう、オリジナルよネー!」っと、実に屈託がない。

「ご主人、昔は”祭り命”の時代があったんですね?」っと問いかけてみた。

すると「ウン、でも今は止めとるケン!私、祭りなんかに興味ないし、止めてくれて良かったンヨー!」っと、笑顔でお答えになる奥様、エクボが実にチャーミング。

そこに、お年を召された常連風の女性がお店に一人で入ってこられた。

「オバチャン!今日は暑いネーー!」っと毀(こぼ)れんばかりの笑顔。

つけ麺4
さて、注文した”特性つけめん”がコレ!

つけめん”の麺の上には、このお店のメニューの特色でもある”白髪ネギ”が例によって盛ってある。

このお店の”白髪ネギ”の灰汁(あく)抜きの為の”サラシ加減”が実に絶妙です。今までいただいたどのお店の”白髪ネギ”よりも数段美味しい。上品で、尚且つ刺激的。

おまけに麺の上に、お客さんに供せられる直前に”黒胡椒”が粗引きされてある。これが、また”白髪ネギ”の持つ刺激性とは全く別種の刺激を与えてくれる。

つけ汁には、刻んだタマネギがタップリ入っていて、それがやや酸味の効いたつけ汁の貴重なアクセントになっている。

麺5
白髪ネギ”と””の色を見比べて見て下さい。

通常の中華麺は、小麦粉にカンスイを入れて練ってある。カンスイによって、小麦粉に含まれるフラノボイドが黄色く発色しますが、この麺ではそれが余り見られない。

麺の太さは中太から細麺の中間くらい。つけ汁や、”白髪ネギ”の風味を活かし切りたいと考えられたのでしょう。カンスイを極力少なめにされた特性麺だとお見受けしました。

具材6
具材は、厚めに切られた”チャーシュー”(但し煮豚)と、軽く湯掻かれたモヤシ、スライスされたゆで卵半個とカイワレです。

この”カイワレ”も敢えて量は少なくされていますが、先ほど書きました””白髪ネギ”と、直前に粗引きされた”黒胡椒”という刺激的な薬味との、”刺激のトライアングル”(刺激の三角形)を形成する役目を負わされました。

店主さんの、言わば”挑戦”でしょう。単純なつけめんには終わらせたくないという。

特性つけめん”と言う風に”特性”という言葉を敢えて冠せられたには、具材に特に豪華なものを使っているという意味ではなく、上に書いた”刺激のトライアングル”の妙をお客様に問うたのだと受け止めました。

入れた7
この画像が、いよいよ””の投入を待つ準備が整った”つけ汁”の様子です。

この”つけ汁”、実は”タダモノ”ではありませんでした。

カンスイを抑えてアンモニア臭を極力減らして、小麦粉の美味しさだけを味わおうという””。

そして、瞬間的に湯掻いて、シャキシャキ感を残したモヤシ、やや強めの塩味が効いた”チャーシュー”、そして”刺激のトライアングル”の三つ目の基点”カイワレ”、更には刺激モノ同士が喧嘩し過ぎないよう気配りを見せるゆで卵半個の具材群。

それらの全ての持ち味をギリギリまで引き出す役割りを負った”つけ汁”なのです。

実に奥深い、複雑な味をしていました。その味の秘密は、完食したものだけに分かる仕掛けが施されていました。

麺先8
さーーーて特性麺を秘密の”つけ汁”に入れて、ここからは理屈抜きです!

一気呵成・積極果敢・意気軒昂・一意専心・一網打尽・一瀉千里・一生懸命・一心不乱にいきました。

完食するまで、僅か5分。頭の中はカラッポ!

そして、味の底がとてつもなく深い(一言で言えば”滋味深い”)”つけ汁”の飲み干しにかかりました。

乾燥小エビ9
「汁は飲み干さぬ方が健康にいい!」っと、誰かが仰ったかも知れません。

でも真に旨い汁に出会った瞬間に、そのありがたい警告と自分が持ち合わせていると常日頃信じている”理性”とやらは、いとも簡単に吹っ飛んじゃいます。

記事の中ほどで、「つけ汁の味の秘密は、完食した者だけに分かる仕掛け」と書いたのは、完食寸前の丼に、ただの一尾残った小さな”干し海老”です。

奥様が「ウン、ウチの味の基本は”チューカ”ジャケン!ウチの夜は”らーめん居酒屋”なんヨー”でも、そのメニューの基本は中華ナンヨ”」と仰った内容がコレです。

完食10
横浜でも神戸でも、中華街の食材屋さんに並んでいるのは、様々なサイズと形態の”干し海老”。

小粒から大振りまで、殻付きから殻剥きまで。それが、中華のスープの一つの柱を形成しています。

まず、スープにしろラーメンにしろ、その味わいを彩るのに”干し海老”が使われていることを発見するのは難しい。スープまで完食しないからです。

ワタシは、貪欲です。ある意味命を削りながら、味を確認し続けています。

しかし、どなたでも命を削る行為は毎日行っておられます。その削り目の刃の幅が、広いか狭いかの違いだけでしょう。



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おはようございます♪

干しエビは素晴らしい出汁が出ますね。
中華に限らず、お料理に使いますが、何で生より高い?
ホタテもそうですね、良い物は生のものより高いです(^_^;)

小市民の代表の主婦です、滅多なことでは干しエビなんか
使えません(笑)
でも生エビでは、この味は出せないのよね(o^-^o)
そんな大層な料理はしないんで、偉そうな事は言えませんけど(゚m゚*)プッ

確かに

ベル様
仰る通り、干し海老にしろ干し椎茸にしろ、フカヒレ、乾燥アワビ、干しナマコなど、乾燥させた方が旨味が凝縮する食材は多いですね。
その代表選手が鰹節。
食物を保存する知恵が、美味の材料として連綿と続いている。コレって凄いですね。

ただし、家庭料理では干し椎茸が関の山ですね。でも素麺やうどんの出汁に重宝しています。手抜きは当然として。

良いお店を

じゅん様

いつもとても良いお店をご紹介いただいて拝見しているだけで満腹な感じを受けます。
こんなに完璧に仕事をこなす店主さんは珍しいのではないでしょうか?お店の隅々にまで細かな神経を注がれているようでしたね。

お見事に完食されてるご様子なので、お味の評価は言うまでもないですね。今回も楽しませていただきました。ありがとうございました。

お帰りなさい!

ぴんくモッチー様

ぴんくモッチー様 お久しぶりです。そしてお帰りなさい。

お帰りになり次第、コメント恐縮です。母娘、農密な時間、良かったですね^^。私は相変わらず、ブログ三昧の日々でした。そういう中で知り合った方々に感謝する毎日です。^^

また、互いに自分らしさを発揮し合いましょう。^^ お帰りなさーーーーーーい!

やっと理解(おそすぎー)

じゅん様

やっと、やっと!!!じゅん様の仰っていたことが理解出来ましたm(_ _)m
これからは、こちらでコメントさせていただきますねー。

色々とお手数をおかけしちゃったみたいですねー。(恐縮)

よかったーー!

ぴんくモッチー様

あああああ、良かったーーー!分かっていただけて。^^

いやーー、「コメント欄」でも「拍手欄」でも、「拍手欄」にもコメント頂いていることが分かっている私にとっては同じなんですね。

ただ、最近実感していることは、ブログを読んで頂いている多くの方は「コメント欄」まで丁寧に見ていただいているということです。
つい先ごろまでは「コメント欄」に書かれたコメントと、それに対する私のお返しのコメントは「私信」の一種だと考えていました。

ところが、コメント欄も公開されたブログの一種で、本文とコメントを含めて一体のものとして見るほうが一般的だということに気が付きました。

ぴんくモッチーさんの仰った、正に「おそすぎー」だったのは私の方でした。しかし、これで普通の地盤に乗っかったことは間違いありません。

これからも、よろしくお願いします。四国松山に住んでいます私と、東京は吉祥寺にお住まいの「ぴんくモッチー」さんが、お互いのブログで結びついた!これって、ちょっと前までは考えられない現象ですよね。
なお、私のブログ友には、アメリカのロサンゼルスにお住まいのKaoriさんもいます。隔世の感がしているところです。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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