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「再訪 129 さようなら・和ビストロきむら」・「愛媛グルメ紀行」 555

今日の”愛媛グルメ紀行”シリーズで通算555号を迎えましたが、ワタシがその間にお訪ねした様々なお店の中で、そのお店の”閉店”を採り上げるのは初めてです。

そのお店は今回で4度目の、そして最後のご紹介となります、県道伊予川内線沿いの砥部町高尾田にある”和ビストロ きむら”さんです。

このお店を一番最初採り上げたのは、今年の1月11日でした。(「和ビストロ きむら」・「愛媛グルメ紀行」 452)このお店は、時々お店の情報をいただいています:”のしうめさん”さん(愛媛美味探訪)の記事を拝見してお訪ねしました。

二度目にご紹介したのは、今年の4月2日でした。(「再訪 101 和ビストロきむら」・「愛媛グルメ紀行」 504)このお店の奥様から、ワタシにコメント頂いた事が”再訪”の動機となりました。

そして三番目にご紹介したのは、今年の5月10日。(「再訪 108 和ビストロきむら」・「愛媛グルメ紀行」 525

5ヶ月間に三度ご紹介するのは、ワタシにとってもやや異例なことです。その”和ビストロ きむら”さんから以下の内容のお知らせを受けました。

閉店のお知らせ
この”閉店のお知らせ”は、奥様の直筆であり文章です。これに加えまして、7月5日と6日の両日、午後5時から”Close Party”のご案内を、ワタシのブログのコメント欄に頂きました。

ワタシは、このお店の最終営業日となりました7月6日午後5時からの会に参加いたしました。

つまり”和ビストロきむら”さんは、2013年7月6日をもって閉店されました。

もともと、このお店に関するワタシの係わり合いは、やや特殊でした。初めて訪問した時の印象を以下の様に書いています。

<でも、このお料理は何を語りたいのだろう?優れたお料理には主張がある。お味も悪くは決してない。手抜きしていないことは容易に分かる。>

<ご本人自身が、何をやったらいいのか?何一つ決断が出来ていないようにお見受けした、ワタシはまだお若いのだから、自分の色合いは何なのか?を考えることから新しいスタートが切れるのではないか?と、正直に思った。>と。(1回目記事からの抜粋)

窓1
すると奥様から以下の内容の、長い長いコメントをいただきました。

そこには、<「ご来店ありがとうございます。和ビストロきむらです。当店でお食事いただいたお客様の感想ご意見が聞きたくて検索したところ、じゅん様のブログにたどりつきました。皆様、貴重なご意見ありがとうございます。読んでいて、なるほど~見抜かれているなぁ~。という感想です」>という書き出しで始まる長いコメントをいただきました。

そのコメントの最後に<「2月からはリニューアルしてメニューを絞っております。是非またお越しください。その際は、お勉強になるのでよろしければお話聞かせてください。」>と結んでありました。

そして<皆様の貴重なご意見を参考にさせて頂きながら、一皮剥けるように努力してまいりたいと思います>と。

このお店の記事に関しましては、実に多くの方々からコメントを頂きました。

メニュー3
今日の画像とお料理は、奥様から”閉店のお知らせ”と”Close Party”のご案内をワタシのブログのコメント欄に頂いた翌日お伺いした時のものです。

最終営業日の5日と6日は、ビュッフェスタイルで運営されるとお聞きしましたので、今日のこの記事が、ワタシにとっては通常営業を取材する最後となりました。

メニューだって、当初のころに比べると随分分かり易く、尚且つお洒落になりました。このお店の最後に注文したのは”パスタランチ”950円です。

スープ4
こちらは前菜と共に出される”スープ”です。

当日は、ポテトを素揚げしたものが2片と、”レンズマメ”がたくさん入った”コンソメスープ”でした。

何時も書くことですが、”味は全く申し分ない”。

シェフに声を掛けました。「まだお若いんだから、どうとでもやり直しが出来る。今回のことは、新たな”旅立ち”なんですよ!」っと。

野菜ラタティーユ5
こちらは”夏野菜のラタティーユ”です。トマトソースで煮込んであります。

なお、お料理の内容も説明して頂きましたが、シェフとお話をしながらでしたので聞き間違いがあるかも知れません。その時はご勘弁を。

夏野菜は、大根、ズッキーニ、ニンジンなど5種類ほどが柔らかく煮てあります。

シェフが「はい、私もそう思っております。また勉強して出直したいと思っています」っと、明るく答えられたのが救いでした。

さわらカルパッチョ6
上の画像は”サワラのマリネ”です。サワラは””と書いて、春先に海岸近くに産卵にやってくるサバの仲間で、大変に美味しい魚です。

ただ身が柔らかく刺身にされることが少ない魚ですが、刺身に引いてレモンで酢締めにされていてサッパリと味わえます。

サワラの下に敷かれている緑色の葉物野菜は”ルッコラ”です。ゴマのような風味と多少の辛み・苦みがありますが、シェフの自宅で作られたもの。

ワタシがシェフに語りかけます。「シェフはまだお若いので、今回のことは”挫折”などという程大げさなものではありませんが、でも、人間の成長に”挫折”は付き物です。”挫折”する度に、それまで自分が見えていなかったものがいかに多いかと言うことに気が付きます」

「今まで見えていなかったものが見え始めますと、一皮向けて成長ができます。その意味では今回のことはシェフにとっては大きなチャンスだと思うんです」

「はい、ありがとうございます。自分もそう思います」っとシェフ。

ホウボウレモンソースペペロンチーノ7
「アッ!今日のパスタは、前回食べていただいた時と同じ”ホウボウ”を使っております!」と、シェフの笑顔。

プロの調理人だな!」っと思いました。客が前回何を食べたのかをキチンと覚えておられる。当たり前のようで中々難しいことだと、素人考えではそう思います。

「ウンウン、”ホウボウ”だったですね!でも前回は”ゴウボウの親子”だった!」っとワタシ。

「はい、そうでした。でも今の”ホウボウ”は既に産卵を終えていますから”魚卵”を抱えておりません。そこで、今回はレモンソースで頂く”ペペロンチーノ仕立”にしてみました」っと笑顔。

ホウボウ”の調理法は前回と同じ”ポアレ”です。ポアレ”は、フライパンに多めの油をひき、焼く調理法で、”ホウボウ”の表面の皮目はパリパリに揚がっています。その香ばしいことと言ったらありません。

ホウボウ”ってどんな顔した魚なの?っというお孫さんと奥様の疑問に、このお店を創業したおじいちゃんが”魚類図鑑”を買ってきた。そのエピソードを思い出しました。

こういう店主さんとの”対話”を、ワタシは単なる”雑談”とは捉えていませんし、そのことによってお店の評価を変えることもしておりません。これだけは誤解の無きよう。

実は匿名の方からコメントを頂きました。<雑談が出来たお店、自分のブログを知っているお店は評価が高い。それは面白くない>と書かれていました。その方もワタシのブログを読んで頂いている大切な読者の方です。でも、その方が”雑談”と言われた”対話”が、ワタシのブログの全てです。どうかご理解下さい、ワタシのブログのスタイルを。

話題が逸れました。戻します。「ホーーー、ペペロンチーノ、でもレモンソースで。なるほど初めていただく味ですね」

ホウボウレモンソースペペロンチーノ8
「ホウボウとレモンは分かりますが、緑色と黄色の野菜は?」っとワタシ。

「はい、あれは緑色と黄色の二種類の”ズッキーニ”です。今が”旬の野菜”なので」っとシェフ。

ズッキーニ”は、一見キュウリに似ていますがカボチャの仲間です。夏野菜の代表選手。カボチャも緑色種と黄色種がありますが、ズッキーニも同様です。

そこで早速いただいてみました。なるほど、上にレモンの櫛切りが1片乗せられていますが、ソース自体にレモンが絞られている。それに、このソース、いい出汁が出ているんです。

しかも表面からは見え難いのですが、”セロリ”にいい仕事をさせているではありませんか。

アップ9
「シェフ、このレモンソース、いい出汁が出ていますねーー!しかもこの”セロリ”の使い方、これは凄く効果的ですね!」と、顔が緩んだワタシ。

「はい、例によってホウボウの骨などから出汁を取っています。その”セロリ”いいでしょう?セロリを加えると、味に奥行きが出ると思って」

「間違いなく、ソースの味に深みと広がりが出ていますね。ところで、今からどうされる計画なんですか?」っと、ワタシ。

「はい、もう次のことは決めております。食品関係ではないのですが、新しいスタートにしたいと思っています」とシェフ。

完食10
「ウンウン、どういう仕事でもいい。思いっきり謙虚になって、しかも貪欲に何でも吸収してやろうと、そう思って取り組んで!」

「ハイ、もちろんその積りです。今まで色々ありがとうございました」と店主さん、締まった顔つきに。

「だから6日のパーティーは、”再スタートおめでとうの会”ですね」っと。

店主さんが渾身の力と心を込められて作られた”ボウボウのペペロンチーノ、レモンソース仕立”のお皿、スープの最後まで、”フォカッチャ”(イタリアンのパン)で拭って拭って舐めるようにいただいた。

お勘定をした。店主さんのお母さんが「今まで色々と力添えいただいたのに・・・・・・」っと、その後の言葉が出なかった。

「ナーーニ、お母さんシェフさんはまだ35歳ですよ。これかが楽しみじゃないですか!頼もしいですよ!!」っとお声をお掛けし、お店を出た。

色々なお店にお伺いしていますと、こういう出会いもありました。でも今回の閉店は別れではないと思っております。

力強く戻っていただけることを信じてやみません。



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非公開コメント

残念。。

こちらのお店、何度か訪問致しました。

あちこちで書かれていたように、
まだまだ発展途上のお店で、故に伸びしろがあると、
若いご夫婦を見て思ったものです。

多忙で足が遠のいてしまってましたが、
そろそろ再訪を・・と考えていた矢先の今回の報、正直無念です。
飲食とは違う道に歩まれるとの事で、長い人生、その先の成功を願ってやみません。

ありがとうございました

名無し様
このお店の店主さんから、「名無し」さんが何度か来ていただいたこと、報告を受けて存じておりました。
それだけに、余計に残念です。

でも本文でも書きましたとおり、店主さんはまだまだお若い。何度でもやり直しが効きます。

再度十分な準備をされて、復帰なさることを私も願っております。

何度かフォローしていただいたことに、私からも謝意を表します。ありがとうございました。

おはようございます♪

新たな出発が決まっての閉店とか、よくよく考えての事でしょう。
外食をしなくなったベルさんですが、このお店は良く行く野鳥のフィールドの、
近くだった為行きに帰りに、お店を確認したものです(汗)
いつの日かこのお店が、再オープンと言う事になれば、良いですね(*^_^*)
35歳はまだ若い、色んな事を経験して人間として大きくなって欲しいです。

和ビストロきむらの店主殿、これからのチャレンジにp(´∇`)q ファイトォ~♪

ありがとうございます

ベル様
店主さんに励ましのエールをありがとうございました。

仰るようにまだまだお若いですから、幅を広げる意味ではいい切欠になると思います。

世間の風は色々な方向から吹いてきますから、それらの風に当たって感性とを磨き、経験を積んでいただきたいと祈るばかりです。

急に暑くなってきました。雨も鳥撮りには大変ですが、今年の暑さは最初から尋常ではないように感じます。熱中症にお気をつけ下さい。

おはようございます(^^)

お店の名前は何と無くお聞きした覚えがありまして。
とはいえ、お店の場所も分からず…
閉店されてしまったのですね。残念です。
じゅんさんがおっしゃられておられるように、
第二の新たなるスタート、良きものでありますよう願うばかりです。

お店の方と雑談ができるというのは、
じゅんさんの優しいお人柄の表れなのでしょうね(^^)
私もそうなりたいものです☆

おはようございます

みゆ様
コメントありがとうございました。

このお店とは不思議な御縁でした。様々なお店を回っていますから、時にはそのお店のドラマに遭遇することがあります。このお店は、その典型でした。
既に次を見ておられる店主さんの目は一点の曇もありません。必ずや、貴重な経験を積まれ、厚みを増して復帰されると思っています。

「雑談」は、ごくごく自然に出てきます。その雑談の中から何を感じ取るかによって記事の中身が変わって参ります。私にとっては「雑談」は貴重な取材手段です。この雑談ができないお店の時は、記事作りに苦労します。その時はひたすら観察ですね。
でもこういうものを書き始めて以降、色々な出会いがあって、ありがたいと思っています。
このところ讃岐うどんの行脚をなさっていますね。そのスーパーエネルギー、パワーはどこから湧いてこられるのでしょう。驚嘆しているところです。

コメントありがとうございました

読者様
今日はコメントありがとうございました。前回コメントを頂いた時、随分考えさせられました。何度も何度もコメントを読み返しました。心の深いところに響き渡りました。
何故かと言いますと、「読者」さんがご指摘なさったこと、実は一度もそういう観点で自分の記事を捉えたことがなかったからです。

でも、でもご指摘されたことは、心に届き響きました。そして、確かに「有頂天になっている自分の姿」が見えて来ました。

本当に貴重な、そしてありがたいコメントでした。コメントを頂く前と、頂いた後では、お訪ねするお店へのアプローチにも気を使うようになりましたし、記事の表現にも気を使うようになりました。

「読者」さんに悪意がないことは、当初から分かっていました。ですから余計に考えさられました。今日書いて頂いたコメント内容もよく理解出来ます。お気持ちも分かるつもりです。

何れにせよ、お店にお伺いする目的は、食事をしてその内容の感想を書くだけでなく、そのお店を含む様々な人々との「ご縁」を紡ぐ為です。ですが、「読者」さんがお書きになったように、店主さんとのコミニュケーションを取ることに偏ることなく、会話が出来なかった場合も、私が把握できたお店の内容を偏見を持つことなく伝えたいという考えは変わりません。

一朝一夕にそれが出来るとは思いませんが、私なりのスタイルと表現方法で今後も書き綴っていきたいと考えております。貴重なコメントありがとうございました。今日にコメントも、しっかり私の心に届きました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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