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「再訪 156 瓢華」・「愛媛グルメ紀行」 589

今日の”再訪シリーズ”156番目のお店は、は湊町4丁目、千舟町通りと銀天街を南北につなぐ路地にある”瓢華”(ひょうか)さんを再度のご紹介です。


最初にご紹介したのは、2011年3月30日のことで2年半前のことでした。(「瓢華」 真っ当な「B級グルメ店」・23


愛媛グルメ紀行”を書き始めてまだ23番目のお店で、ワタシがまだ20代の後半頃から行っていたお店です。


このお店は、一番最初は清水町4丁目の”松山大学御幸グランド”サッカーコートの直ぐ南側で開店されました。その後、ワタシが今度は40代半ば頃行っていた時は清水町3丁目、勝山中学北門前にお店を移転されていました。


今、そこには”手打ちうどん 鶴鶴 清水町店”が入られております。

玄関1
こちらがお店の玄関です。再訪するのに2年半も空けた理由は、以前の”瓢華”さんであれば注文するメニューはただ一つ”中華そば”だけだったからです。

再訪しても同じメニューは載せないという自分に課したルールに合わないと、ずっと思い込んでいました。


ところが、千舟町の”瓢太”さんも、冷たい麺などの新メニューを出されていたことを思い出し、もしかしてこのお店も?っと思ったのが再訪した動機でした。

厨房2
そしてお店に入りますと、案の定冷たいラーメン系のメニューが新登場していました。


このお店の創業者は、一時期溝辺町でお店を出されていましたが、最近になって体調を崩され今では閉店されています。


瓢華”さんも”瓢太”さんも、文字通り二代目の時代に切り替わったという訳です。この2つのお店の関係については、これまで”瓢太”さんをご紹介した時にも触れていますが、後ほどもう一度整理したものをご紹介しましょう。


現在このお店は、創業者の奥様と二代目の息子さん、それに若い女性が一人の3人体制です。

持ち帰り用メニュー
このメニュー表を見て下さい。これは”持ち帰り用メニュー”です。


松山のラーメン屋さんで”持ち帰り用メニュー”を用意されているお店は、ワタシはこのお店しか知りません。


なぜこの”お持ち帰り用”が用意されているかに付きましても、このお店の創業に係ることなので後でまとめて書きましょう。

冷やしラーメン4
今日は冷たいラーメン類の中でも”冷やしラーメン”を注文しました。お値段は600円です。


なお”持ち帰り用”にも同じ物があって、それは”冷やし中華”と呼ばれ、お値段は500円です。


このお店には冷たいメニューが他にもあって、冷麺などが用意されています。初代の時代にはなかったし、お考えもされなかったでしょう。


冷やしラーメン”の外観は、このお店の看板メニュー”中華そば”と全く同じです。外観だけでなく、具材の配置も同じです。


ただ、スープの表面を注意深くご覧になって下さい。チャーシューから溶け出た脂が、今度は冷やされていますので固まって白い膜状になっているのが分かります。


チャーシュー自体も、チャーシューの周囲は脂が白く固まっています。ここは、ちょっと一工夫の余地があるように思いました。

冷やしラーメン5
さて三番町6丁目にある”瓢太”さんとこの”瓢華”との創業に係るお話です。両店とも今は完全に二代目の時代に入りました。

ワタシが”松山ラーメン”と呼んでいるもの、非常に甘いスープ、分厚いチャーシュー(角煮と言ってもいいくらい厚い)、そのスープに合ってよく絡む細麺。

これらを開発された方は、戦後屋台からスタートされたと聞いいたことがあります。(聞き間違いであったならゴメンナサイですが)

その方は、リアカーを引いて屋台を移動させ、今”瓢太”さんと”瓢華”さんが継承なさった”松山ラーメン”を開発されました。

その方は後に屋台をやめられ、子供さんが開いた保免西1丁目、ニシオカ家具から県道久米垣生線を西に入った所で”ロシナンテ”というパン屋さんの一角に、”持ち帰り用コーナー”を設けて、そこでご自分が開発された”中華そば”(ワタシが”松山ラーメン”と呼んでいるもの)を売られていました。(今はある宗教施設になっています)

ワタシはよく、その”ロシナンテ”さんまで足を伸ばし、家族へのおみやげ用に”中華そば”を買って帰りました。

家に帰って麺を湯搔き、スープは別鍋で温めると、お店でいただくのと同じ”中華そば”を食べることが出来ていました。その時は、家族全員笑があふれたものです。

その方は、必ず「アノナー、絶対に麺を湯搔き過ぎたらイケンヨー!ちょっと固いと思う頃が一番エエンヨー!」っと。何度その言葉を聞いたことか。今となっては懐かしい思い出です。

アップ6
そして、その方とともに屋台で修行されたのが”瓢太”さんの初代さんで、その方の直弟子です。

また”瓢華”さんの初代さんは、その方とは”乗馬友達”で、友人として”松山ラーメン”を教わりました。

このお店の二代目さんに「お父さんは昔、乗馬をやっていましたか?」っと。すると「アーアー、そういえば馬に乗っとった乗っとった!」と目を細められました。

”瓢太”さんの初代さんと”瓢華”さんの初代さんとの伝承の違いが、今の味の違いとなって現れています。

その方の作り上げた”松山ラーメン”の味をより正確に伝承されたのは直弟子であった”瓢太”さんの初代さん。

一方”瓢華”さんの初代さんは、一種に屋台を手伝われたわけではないので独自に工夫を重ねられ、今の”瓢華”さんの味を完成されました。

ただし、”持ち帰り用”という販売手法を守られ伝えられているのは”瓢華”さんです。冒頭で”持ち帰り用”のメニューを用意された理由は、このお店の創業に係ると書いたのはこの意味です。

チャーシュー7
こちらが”瓢華”さんの”チャーシュー”です。”瓢華”さんの方が、豚肉の繊維をより多く残る程度の煮込み方です。ですから、やや硬いのと、厚みがやや薄い。


一方”瓢太”さんの方は、口に入れると”ハラリ・トロリ”と解けます、溶けます。しかも分厚い。


この甘く甘く煮られた”チャーシュー”が、”松山ラーメン”のスープの味の決め手になっています。

もやし8
これは”瓢華”さんだけに入れられている”もやし”です。


松山ラーメン”に”もやし”が入った経過です。一度書いたことはありますが、再度まとめておきましょう。


それは”瓢華”さんが初めてお店を出された立地に関係します。清水町3丁目の近くには愛媛大学と松山大学があって、その辺りは”学生の街”です。


そこで、貧しかった当時の学生さんに栄養のバランスのいいものを食べさせてあげたいと”もやし”を選ばれました。食材として安かったことも採用した要因です。この話は初代さんから直接お聞きしました。


かくして、”瓢華”さんの中華そばにはもやしが入り、”瓢太”さんのそれにはオリジナル性を重視してもやしは入れていません。

麺9
”は、”松山ラーメン”を開発された方が、試行錯誤の末に、あの甘いスープに合い、更によく絡むものを採用され、今に至っています。


この細麺が、間違いなく”松山ラーメン”に合うんです。


”持ち帰り用”を買う度に、その方がクドいほど「麺は湯搔き過ぎたらイケンヨー!固いくらいでお湯から揚げんと、ヤオーなってしもうて、オイシューないよ!」っと。その表情まで頭に残っています。

完食10
などと、様々な思いが頭を駆け巡っている内に、気が付いたら”完食”していました。


この”冷やしラーメン”に派手さはありませんが、それでも革新的に旨かった!


今まで”松山ラーメン”に抱いていたイメージとはやや違うけれど、スープのコクといい麺とのバランスといい、胃への収まり具合といい、極めて優れた新メニューを二代目さんが開発されました。敬意を表したいと思います。


戦後の混乱期を経て誕生した”松山ラーメン”。そしてそれを伝承されたお店が2軒あって、その2軒とも二代目に入りました。


その方から考えれば、三代目さんの時代です。(血のつながりはありません)ワタシの経験では”松山ラーメン”の味は、松山のこの2軒に来なければ味わうことはできません。


小さな小さな物語かも知れません、狭い食文化かも知れません。しかし、戦後の日本の復興と繁栄、そして混沌とした時代を”松山ラーメン”はずっと見続けてきました。


どうか、両店の二代目さんにお願いしたい。三代目、四代目を育てられて、”松山の地で松山ラーメン”の味を繋いでいって頂きたい。それを切に願いながらお店を後にしました。




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はじめまして。
いつも楽しみに拝見しています。毎朝、このブログをチェックするのが、食事のように生活の一部になっています。
さて、溝辺町の瓢華さんは休業中なんですか?丁度一年くらい前に、住宅街の中を探しまわって訪ねました。とてもほのぼのとした感じが良かったのですが。

恐らく

椿四十郎様
初めてのコメント、しかも朝一番に!ありがとうございました。
毎朝の日課になっていると言って頂ければ、この上もなく嬉しいです。
書き続けるエネルギーになります。

さて、溝辺町のお父さんのお店、今は休業中です。ただ、記事を取材にこのお店に行った時の、跡を継いでいる息子さんのお話では「引退」と言われていました。
再開は事実上困難というのが今の状況なのでしょう。もちろん、思惑以上に回復されての再開もありえると思います。ぜひ再開していただきたいですね。

定番メニュー化

おはようございます。

冷やし系、もう何処のお店でも食べられるようになったんですね。
今ではもう無いお店が無いくらいじゃないでしょうか。

瓢華さんにまであるとは!
瓢太&瓢華の冷やし系・・・、これらを食べると冷やし行脚も終わりを告げるような気がしますので、今年は食べるのを控えようかなwww


本当ですね!

乱駆郎様
仰る通りですね。昨年、乱さんがご提唱なさって、その周辺が一斉に「冷たいラーメン」と「冷たいうどん」を求めて走り抜けましたね。
でも、昨年は冷たいスープを張った中に冷やした麺を入れるラーメンは、乱さんが昨日と一昨日にアップされた「さくや」さんや「かめ福」さん他わずかであったような気がします。

ところが今ではすっかり「定番化」しましたねー。今年は随分多くの「冷たいラーメン」をいただきました。まだ食べ残しているお店もあるのですが、これから訪問し記事アップすると10月になってしまいますので、私も乱さん同様、来年の訪問に回そうかと思っています。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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