「手打ちうどん ぎゃてい」・「愛媛グルメ紀行」 629

今日は、国道33号線沿いにある”砥部町庁舎”の隣にある”手打ちうどん ぎゃてい”さんをご紹介しましょう。


実はこのお店、以前は蕎麦屋さんでした。そして”愛媛グルメ紀行”でも一度ご紹介したことがあります。2011年6月3日でした。(「時の実」 真っ当な「B級グルメ店」 58


以前の”時の実”さんは、イチク(小麦粉1:蕎麦粉9)で蕎麦を打たれていた本格的な蕎麦屋さんでした。

表玄関1
こちらが国道33号線から見える、お店の風景です。蕎麦屋さん当時と殆ど変わっていません。


時の実”さん時代のお蕎麦は、ごくごく真っ当なお蕎麦で、しかも量が通常のお蕎麦屋さんの2.5倍というものでした。


そのお蕎麦屋さんは結局9年ほどやられて、今度はうどん屋さんに衣替えされました。もちろん、店主さんは以前のお蕎麦屋さんの店主さんと同じ方です。


やはり愛媛は”うどん文化圏”であって、”蕎麦後進県”であることに気が付かれ見切りをつけられたのかも知れません。

玄関2
国道から見えているのはうどんを打つ作業場で、玄関が砥部町庁舎側にあります。


目立つ看板やのぼり旗などは一切ありません。潔(いさぎよ)い程の落ち着きを見せているお店です。


でも、知っている方はちゃんと知っておられて、昼を回る頃になると次々とお客さんがお店に集まって来られます。

店内メニュー
店内には、玄関を入ると直ぐに”食券販売機”があって、お客さんはその食券を買ってお店の人に渡しますと、番号札をもらいます。それを手に、各自好きな席に座って、番号が呼ばれるのを待ちます。


このお店は、店主さんと若い男性の2人でやっておられます。ですから徹底的に省力化され、2人で全てのお客さんの注文に対応できる”仕組み”を作られました。


お店の方が、お客さんのテーブルに来ることはありません。お水やうどんが乗ったお盆の受取りと返却も全てお客さんがやります。


とことんセルフサービス体制に徹せられていて、その代わりうどんの価格はセルフサービス店のソレです。


ただし、このお店はお店の中でうどんを打たれ、直ぐに湯がかれ、湯がかれたものが”活きた状態”で出されます。


このお店で茹で置きはありません。店主さんのこだわりはそれだけではありません。小麦粉は北海道産、出汁(つゆ)も国産の昆布とイリコと鰹節等の天然素材にとことんこだわり抜かれています。


また””も店主さんのこだわりの一つです。普通盛りで2玉が標準サイズです。味も量も両方追求したいという方にとってはもってこいのお店でしょう。これは蕎麦屋さん時代からのこだわりです。

薬味類
これは”薬味類”が一箇所にまとめて置かれていて、ここに箸やコップ、湯呑みなどもまとめられています。


この”薬味台”の下が、出来上がってうどんを乗せられてお盆が、番号を読み上げられて出されます。


お客さんは、番号札をお店の方に返してうどんを受取り、箸やコップや薬味を各自で取って席につきます。


つまりシステム的にはセルフ業態店と同じです。でも茹で置きを温めなおして食べるうどんの味と、湯掻きたての”まだ活きているうどん”を目の前で作ってくれるうどんの味、比較対象にはなりません。


しかもお値段です。セルフの”た○や”さんの”釜揚げうどん”中(2玉)が、お値段380円です。このお店の”釜揚げうどん”普通=2玉が350円ですよ!


値段を低く抑えられたもう1つの仕組みは、徹底したメニューの絞り込みにあります。メニューの基本は、”かけ”と”ぶっかけ”と”釜揚げ”の温かい系の3本柱。それに冷たい”ざる”と”ぶっかけ”の2種です。でも基本的には”うどん一種だけ”に絞られたと言っても過言ではありません。


味を落とさず、徹底的に”低価格で提供できるシステム”をとことん追求されました。

釜揚げうどん5
この画像が”釜揚げうどん”普通=2玉で、お値段350円。えび天は別注文で90円。合計440円ですよ。


愛媛のうどん屋さんで、価格面でこのお店に匹敵するのは、”きりめんや”さんの”釜揚げうどん”400円と、久万高原町の”うどん 心”さんの”釜揚げうどん”小=1玉300円、更には”手打ち うどん坊”の”天カかすうどん”の脅威の250円、位なものでしょう。(「再訪 152 手打ち うどん坊」・「愛媛グルメ紀行」 583)・(「再訪 126 うどん きり麺や」・「愛媛グルメ紀行」 551)・(「うどん 心」・「愛媛グルメ紀行」 519


いつぞや、あるお店で”釜揚げうどん”を頼むと、目の前で冷凍うどんを釜に入れて解凍・温めて出されました。腰を抜かしそうになりました。客の目の前で堂々とです!


それに比べて、”生きた・活きたうどん”をこの価格で提供しようという、このお店の店主さんの”心意気”に、盛大な拍手を捧げたいと思います。

うどん7
まあこの”うどん”の面魂、見てやって下さい。実に堂々と胸を張っているではありませんか。


このお店の、うどんを湯掻くシステムにも目を張りました。それは”フォンターナ方式”(勝手にワタシが命名した)だったのです。


どういうことかと言いますと、麺を打った後切り分けられてうどんを湯掻く釜に投入されます。同時に何人ものお客さんの注文が重なります。すると、そこに、その注文に応じた新たなうどん麺を釜に投入されます。


しかしそのままだと、湯掻き加減が異なった麺が同じ釜に入ることになりますから、それを避けるために先に投入した麺は、大きなタモ網のようなものに掬われてまとめられます。


これで、違う湯掻き加減の麺が釜の中で混ざることを防いでいるのです。そして分単位で「次の釜揚げ、後1分で上がります!」っと店主が声を発します。


すると、もう一人の若い男性が茹で上がり時間に対応して丼を温め、つけ出汁(つゆ)を準備します。まあ息の合っていることと言ったら小気味いい!

麺3
この””が旨いんです!”釜揚げうどん”独特のヌメリがあります。このお店はメニューには、”湯だめ”が用意されていません。


湯だめ”とは、湯でおいていた麺をお湯で温め直してて”釜揚げうどん風”にいただくものですが、当然に上に書いた釜揚げうどん特有のヌメリはありません。


生きてる(活きている)麺と、死んでいる麺の味の違いは歴然としています。店主さんは麺の茹で上がりを、何度も何度も、麺の表面の色艶を確認され、最後に茹で上がりを宣言されるのです。


この店主さん、只者ではありません。西の横綱が三津浜の”踊るうどん”さんなら、東の正横綱はこのお店”ぎゃてい”さんでしょう。

えび天8
こちらは別注文した”えび天”です。90円。


このお店の別注文の”天ぷら”は4種。かきあげ、ちくわ、えび天、そしてとり天です。この中で、とり天は予め揚げられていて、保温器のようなもので温度を保つ仕組みです。


かきあげ、”は、天ぷらを揚げる温度を173度に設定されて、その場で揚げられます。一般的に”天ぷら”を揚げる油の適温は180度とされています。


このお店の”かきあげ”は、揚げ始めが173度、揚げ終わりは177度でした。一般の天ぷらよりやや低めの温度設定です。

つけ汁9
こちらがつけ出汁(つゆ)です。各自が”薬味台”から、好きなモノを好きなだけ取って入れます。


このつけ出汁(つゆ)、中々に濃厚です。でもこれは、ここのうどん麺が太めに打ってあって、それに合う濃度を設定されたのでしょう。


昆布とイリコと鰹節のコラボが活きています。そりゃあ旨い!に決まっています。


スルスルスルスルと、麺が口に収まっていきます。

うどん湯足した10
これは、残ったつけ出汁(つゆ)に、釜揚げうどんのお湯を注いだもの。言わば”そば湯”代わりです。


これがまた美味しいのです。ここまでして、つけ出汁(つゆ)を啜るお客さんはいないかも知れません。


でも店主さんが丹精込めて出汁を取られた。それを残すなんて勿体無いし失礼でしょう。ここに”名店発見!”です。


なお、このお店の店名”ぎゃてい”の由来をお伺いする間もなくお店を出てしまいました。宿題を残してしまったのです。近いうちに再訪して確認したいと思います。


ところで”般若心経”というお経の一節に、「羯諦羯諦 波羅羯諦」(ぎゃていぎゃてい はらぎゃてい)というのがあります。ここに「羯諦」(ぎゃてい)という言葉が使われています。


この「羯諦」(ぎゃてい)という言葉の意味は、「羯」は、行きなさいという意味、「諦」は、悟りの世界という意味です。つまり「悟りの世界にいきなさい」という意味です。


さて・・・・・




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非公開コメント

こんにちは

他の人のブログ等でも高評価なので気になってました。じゅんさんも大絶賛とあっては近いうちに行ってみないといかんですね。
セルフと番号札の組み合わせとはよく考えてますねえ。砥部はなかまるもあっておいしいうどん屋さんが多くてうらやましいですね。店名は般若心経かなあと私も思いましたよ。

,驚きました

ファットマン様
既に再訪も済ませ、その記事も後日アップ予定です。店名の謎も、その時に。^^   でも、流石ですね!

このお店は、徹底的に省力化され、コストをぎりぎり下げて、それで値段もセルフ並を達成されています。

しかし、本文中でも書きましたように、「麺が活きています」。これは私にとっては驚異的に思えました。再訪した時、少食の私、別のメニューも注文しまして、1軒のお店で初めて同時「はしご」をしてしまいました。

ぜひファットマンさんの見方をお聞きしたいと、期待しています。

店名について

初書き込みです。
いつも楽しく拝見させていただいております。
この値段でこのボリュームはいいですね。
是非、行ってみたいです。
ところで、この店の名前についてなのですが、
「ぎゃてい」ではなく「ぎやてい」ではないでしょうか?
私もどちらが正しいか、わかりませんが・・・。
それでは、失礼します。

店名

びっくりドンキホーテ様
初めてのコメントありがとうございました。

さて、ご指摘のあった店名ですが、看板と、店内表示では「ぎゃてい」と書いてありました。

実は私も「般若心経」の音から「ぎゃあてい」ではないかと思い、このお店を写した画像(既に再訪しましたから2回訪問しています)を何度も丹念に見直しました。そこで、店名を示す表記や文字は全て「ぎゃてい」となっていますので、「ぎゃてい」で間違いないと思っております。

店主さんにも、2回目の訪問で確認しました。

何れにしても、細かい点まで私の記事を読んでいただいていますこと、深く感謝するところです。

これからも、何でもお気づきの点がございましたらご指摘して頂きたいと思っております。私、時々大きな「ポカ」(勘違い)をおかすことがあるものですから、皆さんのお指摘は本当にありがたく思っています。

なお、このお店の「再訪記事」は12月6日アップ予定です。その再訪記事で店名由来を書いておりますので、併せて読んでいただければありがたいです。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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