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「ESCOBAR(エスコバール)」・「愛媛グルメ紀行」 658

今日は、大街道3丁目(ロープウェイ通り)に2年前にオープンしました”ESCOBAR(エスコバール)”さんをご紹介しましょう。


このお店”南米家庭料理”ということで、”アルゼンチン家庭料理”をウリにしているお店です。夜中心のお店ですが、午前11時30分~午後2時00分のランチタイムには、3種の”ランチ”を出しております。


会社の後輩職員の幼友達がお店を開きました。

玄関1
こちらがお店の玄関です。


このお店の正面には、今の”松山城”を築いたことで知られる、騎乗姿の”加藤嘉明”の銅像があります。


松山市観光の中心地、お膝元にお店を出されました。

店内2
これが店内の様子です。


では、なぜ”アルゼンチン家庭料理”のお店なのか?店名の”ESCOBAR(エスコバール)”の意味は何か?


それを語るには、おじいちゃんから続く3世代の、日本とアルゼンチンを跨(また)いだ物語を語らなくてはなりません。自分が当初、予期していなかった人生を余儀なくされた一家の歴史です。

家族写真3
その”物語”は、この1枚の”家族写真”に凝縮されているのです。詳細ではなく、そのほんのサワリの部分だけの物語をお話しましょう。

セピア色になった”家族写真”の中央で立っているのが、このお店の”物語”の発端となりました”おじいちゃん”です。

そして、スクーターの上に白い服を着て可愛く微笑んでいるのが、店主さんの”お母さん”で、今はこのお店で一緒に店主さん(息子さん)とやっておられます。

先ず店名は、店主のお母さんが住んでいたアルゼンチンの都市の名前。

まだ若い頃お母さんは、おじいちゃんやおばあちゃんなどご家族とともにアルゼンチンからやっと、郷里の松山に帰ってこられました。

メニュー4
こちらが、”ランチメニュー”の3種です。ワタシは、その中の”ミラネーサ”700円を注文しました。

さて、なぜ店主さんのおじいちゃんがアルゼンチンに渡ったのか?戦前(第二次世界大戦=太平洋戦争=愚かで罪深い戦争)に話は遡ります。

おじいちゃんは、松山からアルゼンチンに、花卉栽培の研修に出向いていたのです。希望に燃え、大陸で”花作り”を学びたいと、胸膨らませて地球の裏側にある新大陸”アルゼンチン”に降り立ったのです。当時は、何日も掛けての船旅です。

船酔い悩まされながら、生きた心地を失ったことでしょう。今でも、飛行機を乗り継いで50時間かかるのです。

おじいちゃんの運命を大きく狂わせたのは、軍部の独走で始まった”太平洋戦争”です。日本人だけでなく、他国の人々までをも含めて多くの人の命を奪い去り、無数の人々の人生を変えてしまった”戦争”です。

国民は、自分たちの運命や命さえ奪うことになる戦争のことなど、全く知らされていませんでした。”軍事機密”(何が機密秘密なのか?ということを、国民は何一つ知らされていませんでした)という名の元に。

知ろうとすれば”治安維持法”で突然逮捕され、場合によっては裁判なしで獄死させられた時代です。

国民を無理やり戦争に追い込んだ、日本歴史に名を残す悪法であった”治安維持法”より、更に悪質・危険だと言われる法律も強行されました。目を凝らしていなければ、とんでもない事態に突然見舞わるることを心配しています。

国を守る為”という美名と大義名分の影で、”誰が犠牲”になり、その犠牲の上で”誰の何を守らされるのか?”という、過去の歴史的事実を振り返って見ることです。

おじいちゃんは、戦争勃発という事態に、日本に帰りたくても帰れなくなったのです。そこで、アルゼンチンに住み着いて、おばちゃんと手を携え、子供2人を育てました。働き詰めの人生を送られたことでしょう。

エンパナーダ5
このお料理は”エンパナーダ”と言うもので、南米大陸では多く食べられている”パイ包み焼き”のメニューです。店主さんの幼友達という後輩社員が注文したものです。お値段550円。


南米のどこの街角に行っても、専門店があるという最もポピュラーな料理で、このお店のものは”鶏肉”を独自にブレンドしたスパイスと混ぜて炊いたものをパイ生地で包んで焼いてあります。南米の香りに周囲が満ちました。


さて、お子さん2人を育てられ、戦後ようやく生まれ故郷の松山に帰られたおじいちゃん。


店主さんのお母さんもまだ若く、二人の幼子を連れて松山に帰国されました。


結局このお店のお料理は、日本からアルゼンチンに渡ったおじいちゃんからお母さん、そして今は息子さんと三代に渡って、戦争に翻弄(ほんろう=もてあそばれた)されたゆえに伝わった”アルゼンチン家庭料理”という訳です。

ミラネーサセット6
さて、話題をお料理に戻しましょう。上の画像がランチメニューの一つ、”ミラネーサ”とサラダとご飯がワンプレートに乗って供せられました。スープとともに。


この”ミラネーサ”を日本流に言いますと”鶏メンチカツ”です。パリっと、カリッと揚がっています。


鶏肉を広げて、その両面に塩を振り、更にニンニクとパセリのみじん切りしたものを満遍なく伸ばした鶏肉に摺りこんでいきます。そこが味のポイントです。


そしてパン粉を薄くまぶして、カラリと上げます。これも、店主さんが何時も家で食べてきたという”家庭料理”です。

ご飯とミラネーサ7
ただし、アルゼンチンでは”鶏肉”は高くて庶民の口には入りません。

アルゼンチンでは”ミラネーサ”を、アルゼンチンでは一番安いお肉牛肉”で作るのが一般的だそうです。


なにしろ、3年前の2010年の国際統計で、国民人口4,090万人の国で飼育されている””の数は、4,894万頭いるという国なんです。


国民の人口より飼育されている”牛”の数の方が多いのですから、一番安い肉が”牛肉”ということになります。国民1人に、牛が1.2頭。


このお店のお母さん「日本に帰ってきて何が嬉しかったか?色々あるけど、大好きな”鶏肉”をお腹いっぱい食べられる贅沢!コレ、嬉しかったーー!」には、実感がこもっていました。


ご飯と一緒に食べると、ニンニクとパセリが食欲増進剤になって、まあ進むこと進むこと。

断面8
これが”鶏肉”の断面です。かる~く揚がった鶏肉から、香ばしいニンニクと清新なパセリの香り。


この味、このお店に来なければ食べることができません。


もちろん、飛行機で50時間ほどかけて”アルゼンチン”に行けば、どなたでもこの”ミラネーサ”の”牛肉版”が、驚くほどお安い値段で、お腹が張り裂けるまで食べることができるそうです。

焼き網10
この画像は、”アルゼンチン”を代表する国民食”アサード”を焼く網です。”アサード”とはスペイン語で”焼いたもの”という意味です。


アルゼンチンの国中を走り回る”ガウチョ料理”(ガウチョとは、アメリカでいうカウ・ボーイのこと)の決定版という”焼肉料理”です。


基本的には、塩で味付けをした焼肉ですが、”チミチュリ”と呼ばれる独特のタレを漬けて焼かれたりもします。


このお店でも、本格的”アサード”が味わえます。夜の部でどうぞ!舌が蕩けること請け合いです。

アイスクリーム9
デザートに出された”アイスクリーム”です。各種ナッツが散りばめっれていて、アマーーーイし、香ばしい。


ワタシのような非甘党派でも、ペロリと平らげました。


親子孫、3世代に渡る予定せざる苦難の歩みが、ここ松山で、甘く香ばしい味に膨らみをもたせることになりました。価値ある甘さ!でした。


「ご馳走様でした!」




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No title

じゅん様

お久しぶりにコメントさせていただきますねー。
アルゼンチン料理はこれまで、食したことがありませんが~
とっても、美味しそうですねー。

たまには、このような珍しいお料理を体験されるのは幅が出来て
とても良いですねー。

全て美味しそうでしたが私は特に”エンパナーダ”が気に入りました

でもこのお値段はReasonableですねー。

お久しぶりです

ぴんくモッチー様

いい、年末年始を送られたようですね。毎日、記事は拝見していました。

日本の伝統に則った、年末と年始の過ごし方をご家族の皆さんと送られていたこと、微笑ましく拝見していました。
考えますと、こういう年末年始の過ごし方を未だに踏襲されているご家族は、年々少なくなっているのかも知れません。あの年末のお掃除の様子など、舌を巻きました。

でも、ぜひお大切にして下さい。そういう季節のリズムを家族で共有なさることの素晴らしさは、とっても貴重だし美しき良き日本の伝統文化だ思います。愛すべき日本文化だと思います。

さてアルゼンチン料理って、余り接する機会がありませんよね。東京こそ、世界中の料理が集まっているでしょうが、それでもめったに出会えないと思います。

エンパナーダは香ばしくってスパイシーで、日本ではお目にかかれない料理でした。美味しくいただきました。
このお店が松山に出来たというのも、歴史の重みを感じました。

コメント頂き、ありがとうございました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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