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「過去記事を振り返る」 8

今日の”過去記事再掲”は、今の仕事で二度目に経験したある”感動物語”です。もちろん、実話です。


「潔さ」 (2009年12月2日掲載)


そのお客様を紹介していただいたのは、元の住宅金融公庫、今の住宅支援機構です。

マンションの所有者夫婦(債務者)から、周囲に迷惑を掛けない債権整理を相談されていて、その過程で当社をご紹介いただいたのです。

早速、そのマンションをお伺いし、所有者兼債務者のご事情やご希望をお伺いし、部屋も見せていただきました。

私たちがお部屋を見せていただくというのは、言わば”値踏み”です。


その部屋の、まあ何と綺麗に片付いていること。まるで、住宅雑誌に紹介されるモデル住宅のように、シンプルな家具や家財道具のレイアウト、磨きぬかれたフローリングの床。

奥様のお話では、ご主人が会社からリストラされたとか。

その後の就職活動は、自分の見通しの甘さ、50代という(自分では働き盛りと思っていても)年齢に対して、求人側の冷たい反応という現実に突き当たったのだと言います。

今は、道路工事現場で交通整理の旗振りをなさっているとか。

奥様ご自身も視力が極度に弱く、一人では外出できないので家計を助ける仕事が出来ないと言われました。

厳しい現実の話に立ちすくむワタシでした。


ところが、その奥様の表情や話し振りの、まあ何と明るいこと。

小柄で、目の不自由な奥様ですが、太陽の中でスクっと立ち尽くす”向日葵のようなオーラ”があるのです。

「お友達も、何んて貴女はこんなに明るいの??アッケラカン なの?」って言われるんです、とはその奥様。

「でも、クヨクヨ考えて、いい結果がやってくるの??ネエ」と。


「お城山の木々の緑が濡れるように綺麗なんだろうナ、って、想像しながら床を磨くの・・ネエ、幸せでしょう?」ってワタシに話しかけるときの満面の笑み。作り笑いでは、あの笑顔にはなりません。

西から松山城10縮小
そのマンションが売れて、引渡しの日が来ました。引越しも終わって鍵を頂きにそのマンションに出向きました。内部に入って、再度驚きました。

床も壁も風呂もトイレも台所も、そうです、部屋中がピカピカです。ゴミ一つ落ちていません。床など舐めてもいいと思うくらい完璧に磨きあがっていました。

「奥さん、掃除屋さんを入れたのですか?」とはワタシ。

「何言ってるのよ、そんなお金なんてどこにあるの?私は目が不自由だから、床に目を5センチくらいに近づけて、手の感触で確かめながら磨いたんです、それが私の仕事ですもの」とは、笑顔の奥様。


そして、「本当にお世話になりました、ありがとうございました。このマンションの売却が後2ヶ月遅れていたら、金融公庫の返済が延滞するところでした」と。

そうです、延滞する一歩手前で売却なさったのです。この”イサギヨサ”。

こういう仕事をしていますと、”感動を与えていただける”お客様にいっぱい出会えます

「こちらこそ、ありがとうございました」とは、”トホホのワタシ”でした。



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No title

良いお話ですね。すばらしい!そのような女性になりたい。
私は本当にダメで。
ないものに目を向けてはくよくよしてしまうのです。
ステキなお話ありがとうございます。
お城山の緑が懐かしい!

お早うございます

Kaori様
お早うございます。今、日本は5月7日の朝6時45分です。

まだ誰も出社していない事務所から、いつもの様にブログ記事を整理しています。

あの奥様の底なしのオーラ、全てに前向きに向かい合う無邪気さと勇気には、心底感動させて頂きました。自分の厳しい逆境を一度も嘆くことなく、自分ができる事を精一杯こなされている姿には頭が下がりました。

私もそういう意味ではダメなタイプの人間です。つい目の前のことにくよくよして滅入ってしまいます。あたかりたいという一心で文章にまとめました。
日本は昨日でゴールデンウイークも終了。さあ、今日から仕事に復帰します。

プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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