「再訪 203 一閃」・「愛媛グルメ紀行」 675

今日は、昨日ご紹介した”らーめん 一直”さんの”白髪ネギ”で思い立ったお店、ワタシのお気に入りのラーメン店””一閃”(いっせん)さんをご紹介しましょう。


このお店は、既に3回ご紹介しています。ワタシが通算で”675店”をご紹介する中で、4回ご紹介したお店12番目のお店となります。4回ご紹介するお店は、ワタシが大好きなお店ばかりです。


過去の3回は以下の通りです。(「ラーメン処 一閃」 真っ当な「B級グルメ店」 75)・(「再訪51 一閃」・「愛媛グルメ紀行」 401)・(「再訪 119 一閃」・「愛媛グルメ紀行」 541

玄関1
こちらが、石手寺から湯山方面に向かう県道317号線沿いにあるお店の玄関です。


ビルの1階に入っていて、目立たないお店ですが根強いファンに支えられて、今年の4月で7年目を迎えます。


10代から中華の世界で腕を磨いた店主さんが、極めて質の高いラーメンを提供されています。お店の位置づけは中華主体の”ラーメン居酒屋”です。

店内2
お店は、お祭り大好きの店主さんと、チャーミングな奥様の二人でやっておられます。


冒頭で書きましたように、このお店ほど”白髪ネギ”を効果的且つ大胆に使っているお店をワタシは知りません。


このお店の店主さんの料理のセンスには、キラリと光るものがあると思っています。

アップ5
上の画像が、このお店の一番のウリではないかとワタシが思っている”とりねぎらーめん”です。


どうですか!この”白髪ネギ”の大胆かつ先鋭的な使い方。


綺麗に盛られた”白髪葱”。このお店のそれは、水にさらしすぎず、かといってさらし足りずにエグ味が残ってスープの風味を殺すほどのものではない、絶妙な加減です。


この”白髪ネギ”の使い方に、このお店の店主さんの非凡さを見ました。でも、今日はそういうお料理のセンス以外にも、このお店の”秘められた魅力・魔力”に生で接することができました。後ほど、ご紹介します。

ランチメニュー3
こちらが”ランチメニュー”です。この”ランチメニュー”は、初めてこのお店をお訪ねした2011年6月の頃と変わっていません。


ところが、この日は初めから注文するメニューを決めていました。


昨年の夏頃、のぼり旗がはためいていたのを目にしていました。そこに書いてあったメニューが今日の目的でした。

夜のメニュー4
ところが、そのメニューは”ランチメニュー”には入っていなかったのです。戸惑いました。


そこで奥様に「アノーー、”塩焼きそば”って、以前目にしたことがあるのですが、アレはありますか?」っとお尋ねしました。


すると奥様、奥の厨房を覗き込み「塩焼きそばデキルーー?」っと店主さんに声を掛け、「はい、できるそうです、それでいいですね!」っと頬にエクボの笑顔で応えられました。


ソレは夜のメニューだったのです。頼んだのは”海鮮塩焼きそば”、お値段900円というものでした。

海鮮塩焼きそば
この画像が”海鮮塩焼きそば”の全体像です。照明が弱かったので明瞭には写っておりません。


想像していたものとは全く違った”焼きそば”が供せられました。ちょっと意表をつかれた思いで、見入ってしまいました。


第一香りがいいんです。スープの上品な香りに包まれました。ウットリしちゃいました。

海鮮塩焼きそば単体6
恐ろしく”具沢山”でしょう!しかも、薄く溶かされたカタクリ餡が素晴らしいんです。


時に、カタクリを入れすぎて、固まる寸前の餡に出会うことがありますが、カタクリ粉も中華の料理人が陥りやすい”落とし穴”の一つです。


具材です。先ず海鮮からは”帆立貝”のまるママ。それに丁寧な仕事がされている”海老”と”蛸の足”です。


そして野菜は、白菜、人参、シメジ、緑の葉物です。カラフルに仕上がっています。


しかし、この”海鮮塩焼きそば”の決め手は、何と言っても”スープ餡”です。


魚介から丁寧にとられた出汁に、微かに塩を効かせ、出汁の持ち味をギリギリまで絞り出しています。余計な夾雑物は一切ありません。


やや緩めの餡が、その出汁を優しく包み込んでいるのです。声が出ません。

海鮮塩焼きそば単体7
などと、絶妙な出汁に絡まった麺を無心で食べてる時、その出来事が起こったのです。

一人の若者がお店に飛び込んできました。店主さん御夫婦の知り合いで、かなり親しい間柄の友人のようでした。

彼が開口一番こう言ったのです。「今、ヒマ?!!!」っと。土曜日の正午でした。店内を見回せば、客が数組入っていることは容易に気がつくことです。

第一、土曜日の正午に「イマ!ヒマ??!!」はないでしょう。彼は、他の客のことは一切目に入らなかったようです。

二言目がこうでした。「アノナーー、ワシ、今日は思いっきり愚痴言いに来たンヨーー!   聞いてヤーーー! 聞いてくれるーーー!」っと。

本当に驚き感動したのは、実はこの後の予想外の展開でした。

アップ8
チャーミングな奥様、笑顔を絶やすことなく、ちょっと甘い声と調子でこう言いました。「ウンウン、聞いてあげる!でも、今注文のセットがハイットルケン、それだけマッテナー!」っと。

彼、ホッとした顔で「生ビール!そしてらーめん!」っと威勢よく注文した。

「アレ?❍❍君、昼間から生ビールって!???」と、奥さん、ここで初めて怪訝(けげん=不思議そうな)な表情をした。

「うん、今日はもう仕事止めトルケン!エエンヨーー!」っと息巻く。

その剣幕に、厨房から初めて店主さんが客席に出て来た。

童顔の店主さん、ニコニコしながらこう言った。「ナラナーー、生ビールに”おでん”でも食べヨイデヤ-!。らーめんはナーー”〆に”に食べたらエエンヨー」っと。

生ビール一杯では済まないことを、知っている店主さんの”助け舟”でした。

彼は一杯目の”生ビール”を、「ゴックン!」っと喉の音も高らかに一気に飲み干しました。その飲み干す”喉の音”の高らかさが彼の思い詰めた意気込みを表していました。

麺9
と、ここから彼の”怒涛の愚痴”が始まった。その止まるところを知らない勢い。

ところが、言いたい愚痴が先走って、前後の話を飛ばしに飛ばすものだから、日本語になっていない。

つまり、何が言いたいのかが全く分からない。外国語の洪水に見舞われた感があった。

ところが、・・・・・・・イエ・・・・・トコトガ・・・・なんです。

何と奥さん「ウンウン、ウンウン」と言いながら、延々と意味が理解できない彼の”愚痴”を聞き続ける。

彼も言葉だけでは伝わらいことが分かったのか、今度は身振り手振りで「ナーーー、取付の方向がコーーナットローーー!!でもそれって、コーーーナラント、おかしいヤン!!!」っと体を捻る。

奥様も恐らく彼が言っていることの3分の1も理解できていなかったにちがいない。もちろん彼の仕事も性格もご存知な奥様、言葉の断片からある程度の事情は察しておられたのでしょう。

でもただ只管、ただひたすら、たただだヒタスラ「ウンウン、ソーヨネーー、ウンウン」っと、笑顔を決して絶やさない。嫌がりなどしない。

母親が赤ちゃんの泣き叫ぶ声を聞きながら、「ウンウン、❍❍ちゃんはいい子よーー、ウンウン」っと背中を撫でながらあやす。

ずーーとずーーっと、赤ちゃんをただただ受け入れ続ける母親の包み込むような笑顔に、赤ちゃんは自然に泣き止んで、安心して寝息を漏らし始める。

あの光景が目の前で延々と続いた。

周囲の客は誰一人文句は言わない。皆、奥さんに釣られるようにして、奥さんが「ウンウン・・」って言う度に、そのリズムに合わせて頭をうなずいた。

奥さんの笑顔は”マリア”様か”慈母観音”様だった。

飛び込んできた若者の、生ビールを飲む時の喉の音が、次第に静かになっていった。ワタシは、あの光景を一生忘れない。ここのお店、ただお料理が美味しいだけのお店ではなかった。




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プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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