「再訪 256 らーめん 春光亭」・「愛媛グルメ紀行」 770

今日は、井門町の松山インターに程近いらーめん専門店、”らーめん 春光亭”さんの3回目のご紹介です。過去2回のご紹介は以下の通りです。(「再開 春光亭」・「愛媛グルメ紀行」 308)・(「再訪2 春光亭」・「愛媛グルメ紀行」 326


過去2回の記事でも書いていますが、このお店のメニュー、基本的には”汁そば”という1種類しかありません。しかもその”汁そば”の味のユニークさたるや、松山広しと言えども”唯一無二”です。

玄関1
世間にある、いかなる名前の”らーめん”、”ラーメン”、”中華そば”、”支那そば”、”らうめん”、・・・・・・・・etcどの味とも似ている味はありません。


そうです、このお店に来るしか”汁そば”は食べられないし、「それに似た代替メニューはどのお店にも無い!」っと、ワタシは断言します。


しかもこのお店の店主さんのキャラクターもまた”唯一無比”なるもので、千葉県に住む妹を連れてこのお店に来た時、妹をして「私が無償で、ボランティアでいいから、厨房の中でもフロアーでも洗い物係でも、モーー、何でもいいから手伝ってあげたい!」っと言わしめた程の、愛すべきキャラなんです。


そのお店、その店主さんが「”冷やしてそば”を出す!」っと聞いた日には、そりゃあ何をおいてもほっとけないでしょう。

メニュー2
お店に入って先ず驚いたことは、今まで”汁そば”というメニューしか出していませんでしたが(”肉そば”というメニューもありましたが、中に入っている鶏肉の量が違うだけ)、「7月から8月末迄は”冷やしそば”のメニューだけです」という趣旨の張り紙が玄関のドアガラスに貼ってあったことです。


事実、店内のメニュー表にも”冷やしそば”のメニューしか表示してありません。この号で”愛媛グルメ紀行”も770号になりますが、お店のメニューが実質1種類しかないというお店は他に1軒だけしか知りません。


たった1種類のメニューだけで40年を越したお店は、2011年3月22日にアップした、二番町にある”COFFEE & LUNCH ボルガノ”さんだけです。(「キッチンボルガノ」 真っ当な「B級グルメ店」⑰


その(”ボルガノ”さんの唯一のメニューは”ハンバーグ・ステーキ”)です。今月(8月)19日に2回目をアップする予定です。

カウンター席3
お店には午前11時30分に入りました。丁度一人の若い女性客が「とっても美味しかったです!」っと感慨深げに勘定を済ませてお店から出るところでした。従って、ワタシが食べ終えるまでは店主さんとワタシだけという時間でした。


そこで、”冷たいそば”の”煮玉子”トッピングという注文をした後で、店主さんに”冷たいそば”一本でこの夏を乗り切ろうと考えるに至った経緯をお尋ねしました。


ワタシは記事には2回しか書いていませんが、もっと数多くこのお店には来ていますので、店主さんはワタシの顔を覚えておられたのだろうと思います。


店主さん、静かに語り始められました。


「実は・・・・・・・・・」っと、”冷たいそば”に取り組むに至った経過といいますか理由をお話いただきました。かなり大きな決断をされたようです。そのお話の内容につきましては、残念ながら文章化は出来ません。マナーを守りたいからです。


ですが、店主さんの重い決断をしっかり受け止めて「心して”冷たいそば”をいただかなきゃ!」っと、心引き締まりました。

冷やしそば4
そして供せられたのがこの画像の”冷たいそば+煮玉子”です。お値段750円+100円です。(内税)


ちょっと息を呑みました。・・・・・・・・・・黙って”冷たいそば”に魅入りました。第一印象は”潔い!”でした。


まず、極めて上質な”和風出汁”の香りが鼻腔に優しく届きました。


店主さんともお話したのですが、このお店の”汁そば”の出汁は、明らかにうどん出汁、或いは蕎麦汁に近い”和風出汁”ですし、麺も”細うどん”や”きしめん”に近い”平打麺”を使っておられましたので、”冷たいそば”にすると、それらの特徴が一層際立つと予測はできました。


おまけに普通のお店の”ラーメン”ですと、”チャーシュー”は多くの場合”煮豚”使っておられます。ところがこのお店は、淡白で上品な”鶏胸肉”を使っておられます。

冷やしそば5
上に書きました一般的なチャーシューだと、スープと麺を冷たくして出した時、煮豚の脂が冷やされることで固まってしまい、脂の旨味が殺されてしまいます。”冷たいラーメン”を出しておられるお店の、共通した悩みではないか?と思います。


その点このお店は、”鶏胸肉”を使っておられますから””が豚肉ほどありません。つまり旨味の元である””が固まるという事態にはならないということです。


そのまま冷やしても”冷たいそば”に生まれ変わりやすいということです。ですから、見事な変身ぶりで、もう何十年もお店で出し続けてきた”お店の伝説的看板メニュー”と言っても過言ではない出来上がり具合でした。その位完成度が高いメニューになっていました。


しかも、食べてみて直ぐに分かりましたが”汁そば”とは””が変わっていると思いましたので確認しました。


すると「はい、製麺所を変えまして別の麺にしました。”冷たいそば”のシーズンが終わった後も、”この麺”でやりたいと思っています」っというお応えでした。トコトン研究された結果の、このメニューだったのです。

鶏胸肉6
まあご覧になって下さい!この膨(ふく)よかで優しい”鶏胸肉”を。

このお店の”そば”の強烈な個性を構成している要素は4点あると思っています。

それは先ず第一に、透明感と豊かなコクという相矛盾する要素を見事に調整・統合された上質な”和風出汁”でしょう。

そして、カンスイを極力抑えた”平打ち麺”、気品あふれる”鶏胸肉”、そして彩りと独特の食感を演出する”水菜”でしょう。

このオリジナル四要素が合わさったことによって、このお店の”そば”(もう”ラーメン”とは表記出来ない)は,市内で唯一無二の個性的”汁そば”になった。

ミニトマトアップ7
そしてこの画像の”ミニトマト”です。単に彩りを考えてのものではありません。


この”ミニトマト”は凍らせてあります。このことを店主さんにお尋ねしてみました。


すると、「ええ、この”冷やしそば”を考える過程で、大阪方面を食べ歩いて研究していた過程でこの”ミニトマト”に出会いました。これは採り入れたいと、直ぐに思いました」っとのお話でした。(食べ歩いた地域が間違っていたらゴメンナサイですが)


冷たくて彩りが良くて、この”冷たいそば”の個性を高めてくれています。上手くバランスも取れています。優れたアイデアは直ちに取り入れる柔軟さもお持ちなのでしょう。

煮玉子8
こちらはトッピングとして注文した”煮玉子”です。


この”煮玉子”は、それは見事な”半熟”になっています。ネットリとした黄身の食味と、ツルリンプリンとした白身の食感が面白い。


手間暇かけて、一個ずつ殻を剥いた”煮玉子”を、僅か100円で提供されています。言葉が続きません。

麺9
この””が、製麺所を変え”麺”のレシピを変えて打たせた新しい”平打ち麺”です。


冷やすために、湯掻いた後一度流水に晒して麺の熱を取っても、”麺”のモチモチ感が損なわれない””が誕生していまいた。店主さんの飽くなき探究心に頭が下がります。

完食10
もう無我夢中でいただきました。唸りました。


店主さんと目が合いました。ワタシ、黙って大きく頷きました、二度も三度も。


店主さん、例によって玄関の扉を自分で開けてワタシを送り出して頂きました。「この味で良かったですか?」っと呟きながら。


ワタシは無言で大きく大きく、力強く頷きました。親指を一本立てて、ギュッと突き出しながら。笑顔と笑顔が重なった瞬間でした。



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実は

四楓院様

実は私も、つい最近、お昼に行ったんですよ。「冷たいラーメン」をいただこうと思って。

正午前でした。ところが、お店は閉まっていました。あのお店のお休みは、確か日曜日だったと思います。

私が行ったのは平日でしたから、現時点ではお昼の営業をやめておられるのではないか?と思います。さて、人材難でしょうか?

情報

四楓院様

二番町は今日も確認に行ってみましたが、開いていませんでした。どうやらそのようですね。

そして他にお店があることは知りませんでした。調べてみて分かりした。

一度そちらを訪ねてみることにします。そうすれば、様々な事情が分かるでしょう。情報提供に、何時も感謝しております。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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