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「四季の彩 ゆめの野」・「愛媛グルメ紀行」 873

今日は竹原4丁目、場所を説明するのは大変に難しいのですが、敢えて言えば”ダイキ竹原店”から西部環状線の方に行った住宅街の中にある、日本料理の名店”四季の彩 ゆめの野”さんをご紹介します。


こういった、ひっそり隠れたような所にあるお店ですが、”知る人ぞ知る”という”和食の名店”なんです。


ですから、門前市をなすという風ではありませんが、平日の昼時でも、予約客とフリー客が半々という感じで入ってきます。

玄関1
こちらが、探しに探してやっと辿り着いたお店の玄関。


さてこのお店、板長さんは関西で修行をなさった方で、この地でお店を開いて17年。そのオーナーの板長さんに、店名由来を語って頂きましょう。


「お店を開く時、如何にも日本料理のお店って感じの店名は嫌だったんです。そこで、コピーラーイターというんですか?そういう専門家に幾つかの店名候補を挙げてもらって、その中から選んだんです」っと。


「いやーー、いい”店名”ですよ。ワタシこのお店、ある”食通の方”に紹介してもらってお訪ねしたのですが、来る道道、どういうお店だろう?って色々想像を巡らせましたもの」


「いえ、そう言って頂けると嬉しいですよ。開店当初は周囲の皆が反対したんです、この”店名”。でも、私は今でもこの”店名”にしてよかたって思ってるんです」

前菜2
このお店の”ランチメニュー”、多くはありません。”懐石料理”が3種と、松花堂弁当のように、仕切られたお重に全てを盛り込むメニューの、大きく分けて2種のメニュー。

ワタシが選んだのは、”懐石料理”でも、言わば”ミニ懐石”とも言うべき、一番お安いコースでこのお店では”こでまり”と呼んでおられます。一番安いと言っても、お値段2000円(外税)。

独立して以降、最初に経験する”大きな岩盤”にぶち当たって、仕事の相棒ともがき喘いでいた時でした。そういう時こそ、美味しいお料理で、岩盤を打ち砕く勇気を頂きたいと思ってこのお店をお訪ねしたのです。

先ず最初に出てきたのが、画像の”前菜”です。右から、”酒粕の天ぷら”とサツマイモ、それに左端は、卵液にワカメ等を入れて1時間以上低温で蒸して作られた”袱紗焼き”(ふくさやき)です。

しょっぱなから手の込んだお料理の数々に、圧倒されました。”酒粕”の天ぷら何で初めてです。「イエネ、日本料理って、その素材をどう扱うか?が勝負でしょう。ありきたりに”粕汁”じゃ、面白くないじゃないですか!」っと板長。

造り3
そしてこれが”お造り”です。まあご覧になって下さい。”お造りが立体的”に供せられました。

右側の、白い櫛型のものは”大根”です。「これは”大根”ですよね!」ってお尋ねしました。

すると「ええ、大根です。でも”刺身のツマ”として大根を千切りで出すと、大抵のお客さんはそれを残されてしまいます。そこで、こういう形にひねって見たんです。すると、アレレ、これは一体何だろう?ってお客さんが興味を持ち、そして食べて頂く」っと板長さん。

お造りの手前の白いものは”イカ”ですが、これもイカに包丁を入れただけのものではありません。ちゃんと、結んで出してあります。

しかも「日本料理では、素材を切って出すだけの物は一品もありません。お客さんが頂く時間を逆算して、例えば一週間前かから作り始めます。それが2日前のものも、5時間前のものも、全部計算して出しています」っと。

焼き物4
さてお造りを食べ終わった頃合いに、画像の”焼き物”が供せられました。

焼き物”のメインは、ナントナント”牛フィレ肉”ではありませんか。

11月末まで勤務した会社の”有志”が催してくれたのが、肉好きなワタシの事を考え、”イタリヤ軒”の”鉄板焼きステーキ”でした。(「再訪 293 レストラン イタリヤ軒」・「愛媛グルメ紀行」 843

そこでワタシは初めて”立っている牛肉”を見たばかりです。牛肉って、いいお肉・高いお肉でも、”横にしだれてヘナヘナしてる”って思っていたところ、”お肉が立って”いました。

それをこの和食のお店で再び見ようとは想像だにしていませんでした。「お肉は”フィレ肉”なんですねー!日本人って、脂肪のサシが入った霜降り肉を好みますよね!」っとワタシ。

「ええ、そうですが、これはコースの中の一品です。ここで脂が入っているお肉出しちゃうと、それだけでお腹一杯になってしまいます。それじゃ、懐石にはならない。ここは一番柔らかい、脂肪の少ない”フィレ”でなくちゃね!」っと板長さん。

焼き物5
ですから両面を軽く焼いて、肉の中が生の状態で(ミディアムレア)いただきます。まあ、何て贅沢な。


真っ昼間から、”牛フィレミニステーキ”をいただくなんて。これを読んで頂いている読者さんからすれば、何て贅沢を!って思われる方もいらっしゃるでしょう。


でも毎日頑張って仕事をしています。タマの贅沢には目をつぶって下さい。

揚げ物6
さてお次は”揚げ物”が出て参りました。まあ、言うところの”天ぷら”です。

普通、”天ぷら”で、高いお金を出している場合、”天ぷら”のメインはやはり”海老”でしょう。

ところがこの板長さん、ここは””をメインに持って来られました。こういうお店は、”板長”さんとの”想像力勝負”です。

「オットトット、こっちの方面から攻めてきたか!」って、”意表を突かれ”たと思えば、それは”板長”さんの構想力の勝ちですよ。

「ホッホーーー、これは”ワタリ”ですか?」っとワタシ。

「イエイエ、それは”ワタリもどき”なんです。私は、蟹は”ズワイガニ”より寧ろ瀬戸内の”ワタリガニ”の方が旨いって思っています。でも、旬の”ワタリ”は高くてとても使えません。そこで、”ワタリ”に一番近い味の蟹を使ったんです」っと真っ向勝負の板長さんは、寧ろ正直です。

茶碗蒸し7
いよいよ会席膳も最終盤です。今度は”茶碗蒸し”が供せられました。いやはや、良いお出汁と三つ葉の香りが当りに充満します。

「最近あるお寿司屋さんでお伺いした話なんですが、寿司屋が出す”茶碗蒸し”と、日本料理屋で出す”茶碗蒸し”とは違うんだって」

「そのお寿司屋さんが仰るには、寿司屋が出す”茶碗蒸し”の方が濃厚で、そのお店の場合、卵液と出汁の割合は5対5だと!」っとワタシ。

「ええ、その通りです。日本料理屋では”茶碗蒸し”は”玉子”を食べて頂くお料理ではなく、”出汁”を食べて頂くお料理なんです!」っと。

「ですから、ウチの場合、出汁と卵液の割合は、6対4、或いは7対3で作っています」っと。

お料理の世界の奥の深さと幅の広さをシミジミ感じながら、出汁の効いた茶碗蒸しを堪能しました。

酢の物8
こちらが、ご飯と汁とお漬物が出される前の”酢の物”です。

これが、板長さんが初めの頃言われた、お客さんが食べる日時を逆算して作られた”酢の物”でした。

一例を見せて頂きました。”奉書包み”というお料理です。画像では全てを紹介しきれません。

奉書包み”とは、大根を”桂剥き”にして(習字紙のように、薄く密にそぎ切りにしたもの)、その”奉書”状になったものに、酢物などの具材を巻き込んで一週間ほど寝かせます。それを、ちょいと、切り分けて、当日に慎ましやかに出します。

それをいただく客の、一体何人が、その手間隙を想像できるでしょうか?

デザート水菓子9
さて、懐石料理もとうとう最後になりました。コースを〆るのは”水菓子”です。

つまり”氷のデザート”です。コレはまた、”淡雪”に見立てられた”水菓子”の登場です。

”の肌理が細かいので、本当に直ぐ溶けてなくなってしまいそうな”淡雪”なんです。その”淡雪”に、微かな香りと甘味が潜ませてありました。

「イエネー、私は最初”寿司職人”として修行のスタートを切ったんです。ところが修行していて、これはちょっと自分が目指す道とは違うと思って、和食の世界に入ったんです。でも、今になって思いますに、初めに”寿司職人”の世界を経験したことが、今になって生きているように思うんです」っと。

「寿司の世界と和食では、全く違うんです。例えば和食は幅が広くて奥が深い。一方寿司は、スピードが勝負で、瞬間瞬間の閃きが大切です。その両方を経験出来たことは私の財産になりました」っと。

いちじくとメロンのシャーベット10
コースは終わったのですが、サービスに飲み物かシャーベットをいただけるという。

外は、何十年ぶりかの”寒波”が吹き荒れていた日でした。でも、ワタシの心に、沸々と”熱い火”が灯った思いでした。

分厚い”岩盤”に突き当たって、悩み苦しむ日々を過ごしていた時です。相棒と頭を突き合わせて、何処かに突破口を見出したいと懊悩していました。

でもこのお店で、人が見ないところまで心配りをしている板長さんの、損得勘定ではないプロの仕事を見せて頂きました。

急がば回れ!」かも知れません。短兵急に攻めるだけで成果が上がるなんて、そうは甘くない事に気が付きました。その瞬間から、体と心が熱くなりました。

迷わず選んだ”いちじくとメロンのシャーベット”の、まあ美味しかったこと。このお店で、貴重な”勇気”を頂きました。

ご馳走様でした!そして、ありがとうございました!!



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ゆめの野さん、知ってたらちょっといい店ですよね。
心が豊かになるようなたまの贅沢~大賛成です♪

その通りですね 

読女様

このお店、再々通うというのは難しいですけど、仰るように知っていたら便利というか助かりますね。

お料理の一品一品に、店主さんの心と技がこもっていて、ただ単に美味しいだけではなく勇気を頂きました。たまには、こういうお店で命と心の洗濯をして、仕事の励みにしたいと思います。

コスパ

じゅんさんこんばんは!

これで2000円なら満足ですね。
無花果のシャーベットも僕はですが初めて聞きました。

ワタリもどきですが、何年か前、夜釣りに行った時に捕まえた事があります。

奴等は夜の防波堤にしがみついています
(モチロン海中)そこに懐中電灯を当てると目が光りますから、そこを網で下から掬うんです。

味も本家と遜色ありませんでした。

なお、昔の事なので良い子は真似をしないで下さい。

そうでしょう!

ガド様

確かに、ランチのお値段としては安くはありません。でも、うどんでも1000円近い値段を取るお店は幾らでもあります。ラーメンだって、単品で1000円近いお店は珍しくありませんよね。

その中で、これだけ原材料費にお金を掛け、その上、手間を抜くのではなく、とことん手間ひまかけて作る。一週間かかって作った料理も、この中には含まれていました。

すると、お値段以上のものを食べさせて頂いたという感謝の念が沸き起こります。

そうですか!ワタリガニもどきの生態はそうなんですね。私も若い頃は釣りに凝ったことがあって、日曜という日曜日は釣りザンマイの日々を送った時代もありました。

ただ、現在もそうなんですが、私は夜には滅法弱いんです。直ぐ眠くなっちゃう。だから、夜釣りはほとんど経験がありません。闇の中のライトに光る蟹の目。

いいですねーーー!実にいいシーンですね。貴重な思い出、お互い大切にしましょうね。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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