「再訪 378 みなと食堂」・「愛媛グルメ紀行」 1,014

今日はある目的で、堀江町の堀江港前にある”みなと食堂”さんをお訪ねしました。


実はこのお店、今までに既に5回ご紹介しています。今までは5回以上は、記事としては採り上げないと自分で決めていました。更に、同じ店の同じメニューも採り上げないと決めていました


でもこのシリーズも、もう”延べ1,000回”を超えました。これ以降は、何回でもワタシが採り上げようと思ったら回数に関係なく、又同じメニューでも場合によったら採り上げることにしました。その記事採用基準変更の第一号となるのがこのお店でした。


そういう自己規制を取っ払うことにしたのは、同じお店を何度お訪ねしても、又同じメニューを採り上げても、その時置かれた自分の状態は常に違っていることに気がついたからです。


ワタシは、”愛媛グルメ紀行”シリーズを、いわゆる”食べ物ブログ”だとは考えておりません。


人と人の”ご縁探しの旅日記”だと捉えて書いております。ご縁探しだけでなく、その時の”お店とワタシの関係の変化や進化”なども表現したいと考えています。すると回数もメニューも、余り意味を成さないことに気が付きました。

玄関1
こちらが、以前は”仁堀連絡船”が通っていたこともある”堀江港”の真ん前にある”みなと食堂”さんです。


このお店は、来年で創立50年を迎えるという”老舗中の老舗”です。


今のお店は、二代目さんと三代目さんが切り盛りされています。ワタシはこの”三代目”さんの、何時も”キラキラ輝いている目”が好きです。何時も”前を見据えて”おられる目です。

店内2
こちらが店内の様子です。


このお店は過去49年間の間に、大きく言えば”二度の危機”に襲われました。


その”一度目の危機”は、広島県呉市の”仁方港”と愛媛県の”堀江港”を結ぶ連絡線”仁堀航路の廃止”です。廃止されたのは、昭和和57年7月1日です。フェリー客が消えました。


二度目の危機”は、国道196号線の”北条バイパスの開通”です。車の流れが、堀江の町から途絶えました。


ところが、このお店はこの二度の”絶体絶命の危機”を”見事に乗り越えられ”ました。いやいや、それらの時代より多いお客さんを集めることになったのです。

巻き寿司3
その二度に渡る大きな危機を乗り越えられた要因は色々あります。一言で説明することは出来ません。


三代目さんが厨房に立った時、新しい味への挑戦をされたこともあります。でも、結局”お客さんがこのお店に求めているものは何か?”を、とことん考えぬかれた結果が、”初代が始めて、このお店の味の土台”を築かれた。その味に”更に磨きをかける”という結論にたどり着かれました。


このお店は”攻めることは守ることだ!”って言うことに気が付かれたのです。以降、二度の危機を迎える以前を遥かに上回るお客さんからの支持を得るようになったのです。


例えばこの画像の”巻き寿司”です。ワタシはこの”巻き寿司”を”愛媛一美味しい”と確信をしております。散々食べ歩いた結果です。


このお店の”巻き寿司”の特徴は、先ず”三つ葉”の清新な香りが真っ先に鼻腔に届きます。その後で、ふっくらと煮られた”煮アナゴ”の香りと甘さが口中を満たします。


それに”カンピョウ”と”エビのそぼろ”の上品な甘さが加わります。ワタシの世代にとっては”巻き寿司”は”ハレの日”の贅沢な食べ物。当然に晩ご飯用に持ち帰りを注文しました。

メニュー4
そしてこのお店を語る時、抜かす訳にはいかない”看板メニュー”があります。


それがこの画像の右上に見える”鍋焼きうどん”なんです。


ワタシの大好きな”三代目”さんが厨房をある程度任されるようになった時、真っ先に取り組まれたのがこの”看板メニュー・鍋焼きうどん”の味の改善です。


ところが工夫をすればするほど、改善を重ねれば重ねるほど、お客さんから”以前の味に戻してくれ!”っという反応が帰って来たのです。

鍋焼きうどん5
お客さんは、このお店の初代が始められた”鍋焼きうどん”を食べたくて、このお店に集(つど)っていたことに”三代目”さんはやっと気付かれました。


それ以降は、この”鍋焼きうどん”の味を頑(かたく)なに守っておられます。”攻めることは守ること”だということに気が付かれたのです。


二度の大きな危機を乗り越えられて、以前のお客さんを超えるお客さんを集める様になった今、銀行の支店長さんから散々「松山の中心部に新しいお店を出して、多店舗展開をしないか?融資に関しては応援する!}っというお誘いを受けたそうです。


三代目さんワタシにこう仰います。「じゅんさんは、そのことをどうおもわれますか?」っと。このお店の”三代目”さんも、ワタシの”ブログ”のファンになっていただいています。よく読んで頂いています。


そういう”三代目”さんにこう言いました。「三代目さんご自身は、どう思われているのですか?」っと。

鍋焼きうどん6
「もっと若い時(今でも35歳でお若いのですが)、私も多店舗展開に憧れたことがありました。一種のプライドを多店舗展開で満たしたいと考えたこともあります。」


「でも、今よく考えてみますと、多店舗展開って、お客さんがウチに求めていることだろうか?」って言うことに気が付いたんです。


「単純にこのお店の味を、このお店で守り通す。そしてそれを次の代に引き継がせる。来年50年を迎えますが、次の50年を見据えた時、”守ることは攻めることだ!”って思うようになりました」っと。


ワタシもこう三代目さんに言いました。「今からの飲食店業界は、”有為な人の確保”が最大のポイントになるでしょう。アルバイトの確保さえままならない時代に突入しました。多店舗展開した時に、このお店の味を確保することは容易なことではありません」っと。

鍋焼きうどん7
「このお店に来ていただいているお客さんは、この味はもちろんのこと、この地のこのお店の店構え、ご家族総ぐるみで取り組んでおられるこの人間関係、それらの総体を求めてわざわざこのお店を訪ねて来られているのではないですか。」っと。


「ええ、私もそれは実感しています。今は県外からのお客さんも随分増えました」っと三代目さん。


「今はSNSの時代に入っています。口コミで広がったこのお店の評判は、県という垣根を超えて広がっています。それを大切にさらたらどうですか?」っとワタシ。

麺8
「じゅんさん!じゅんさんが仰ったこと、全く同感です。味は人任せには出来ないって、つくづく思っています」っと三代目さん。


「最初は守るって言うことに抵抗があって、多店舗展開や味の変革などを攻めることだ!と思っていた時期もありました」


「でも今になってやっと分かったんです。このお店に客さんは何を求めて頂いているのか?っと言うことを」。三代目さんの目がキラリと輝きました。

出汁9
「実は間もなく自宅を建てます。来年春には完成する予定です。借金を背負うことになりますが、それを発奮材料としたいって思ったんっです!」っと、三代目さんの目が一層輝きを増しました。


「その家に嫁の両親を呼んで、三世代で暮らすつもりです。子供2人には、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんと過ごさせたいし、私が働いている姿も間近で見せたいんです」っと。


「いい事ですね~~!!素晴らしいお考えだと思います。それが次の50年を見据えた将来地図になると思います。家が完成したらお知らせ下さい、お祝いに駆けつけますよ!」っとワタシ。ワタシも笑顔が弾けました。

完食10
そうそう!このお店に今回お訪ねした理由ですよ。この頃は、食欲が大幅に減退していて、お昼を頂いても食べ残すことが増えていました。


ですから”大好きなお店で、大好きなメニュー”を頂けば、”完食”出来るのではないか?っと思って、それを確かめに来たのです。


その結果が画像の通りです。見事”完食”出来ました。ワタシの胃袋を復活させるには、”大好きなお店で、大好きなメニュー”をっという選択が一番の近道だって気が付きました。


三代目さん!ありがとうございました。お陰様で完食出来ました。持ち帰った”巻き寿司”、美味しく頂きましたよ!!






スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

考え方の妙❗️

じゅんさん、おはようございます。このお店の、アルミの容器に入った 「 鍋焼きうどん 」は、美しい❗️写メからも、そう感じる事が出来ますね。勿論、旨いのは言うまでもありませんよ。35歳という若い三代目の店主の方の考えは、実にしっかりした安心感の有る妙味を感じますね。年齢ではないという事なんですね。その立派な思いが、こうして作る鍋焼きうどんに出るのでしょう。この方ならば、次の代の方へと継承されるでしょう。この文章の中で、じゅんさんの書かれた 「 巻き寿司は、ハレの日の贅沢な食べ物❗️」という意見には〜当然賛同ですね。世代を感じました。だから、私は運動会などで〜お弁当の中に入っていたら、凄く嬉しかった想い出が有りますね。さて、奥さんですが〜 いよいよ両目が見えるんですね。じゅんさんが嬉しい以上に、奥さんの気持ちを考えると〜胸にじ〜んと込み上げるものがありますね。又、感想聞かせて下さいね。今日も、明るく明るく元気に〜頑張りましょう❗️

既に

M様

既に、お薦め頂いたお店は行きました。
記事アップは、年明けの1月5日の予定です。大満足しました。
貴重な情報をありがとうございました。

価値ある

むらちん様

このお店の三代目さんとはよく話しますが、しっかりと自分のお考えをお持ちです。しかも、試行錯誤した結果としての考えですから、地に付いたお考えです。

巻寿司は、私の大好物ですので、色々なお店で食べましたが、このお店の巻寿司はずば抜けて美味しいです。一食の価値があります。

つい先日、父がこちらに来たので娘も一緒に行ってきました。
鍋焼きうどんデビューです。

もちろんすごい勢いで食べました(笑)
普段食が細いはずなのになぁ。
でも同じものを美味しいって思えるのが幸せです。

不易と流行。
どの世界にもあるんですね。
別の仕事をしている方の考え方に触れられるのはじゅんさんのブログならでは。
特に同世代の方の話を聞くと
自分ももっと頑張らんといけんなと励みになります。
ありがとうございます。

よし、がんばろうっと。

オッホーーー!

くく様

オッホーーー!娘ちゃん、ナント!「鍋焼きうどん」デビューですか!!

それはお早い。でも、親子で同じものを美味しい美味しいって食べるのって、本当に幸せですよねーー!

私も今回の妻の入院で、東京から娘が長期休暇を取って帰ってくれました。その時、私は初めて娘とシミジミ同じものを食べました。幸せを胸いっぱいに感じながら。

ですから、くくさんは今からその幸せを味わえているのですから、そりゃーー娘ちゃんは親孝行ですよ。

皆がそれぞれの立場や年齢で、その時精一杯頑張っているんですよ!その積み重ねを、私は一つ一つ拾い集めて記事にしたいと考えています。

私の「縁探し旅」は、来年も続きます。

知らなかったです

昔、家族で松山に行った帰りに、北条の海を見て帰ろうと思い、途中で堀江港の看板を発見したので見に行きましたが、お店は知らなかったです。
あの時は携帯電話を持っていたかな?ガラケーだったかもしれません。
巻き寿司が美味しいと、他のメニューも美味しいと思います。のんびり食べてみたいですね。

松山のソウルフード

わたうさぎ様

このお店の「鍋焼きうどん」は、一種「松山のソウルフード」ではないか?って思っています。

市内にも2軒「鍋焼きうどん」の老舗があって、それは「ことり」と「アサヒ」というお店です。
麺は柔らかく、出汁は徹底的に甘い。讃岐の人からみれば「これは、うどんか?」ってなるかも知れません。

またこのお店の「巻きずし」は、個人的には愛媛県一ではないか?と思っています。今では他県からの客も増えているそうです。

機会がありましたら、一度お訪ね下さい。

かけうどんについて

官能うどんって検索したら、限定された店名が出ました(笑)じゅんさんの基準になるんだと納得しました。
私は初めて行った店は、かけうどん(具の入った物でもOKです)にする事が多いですが、お客さんが沢山、来るからか、すでに麺の作り置きが当たり前になってる場合が多くて、「釜あげしたのを、かけうどんにして下さい」と言わない限り、時間がたってしまった麺を使ったかけうどんを出されてしまいます。
『客が来てから麺を湯がきます』『30分以上たった麺は使いません』という店が近くにないので困ってます。常連というほど、同じ店にしょっちゅうは行かないので頼めません。
うどん県に住んではいますが、なかなか理想の麺が食べられません。うどんだけを追い求めるのも…と思うので、パスタや中華麺、日本そばなどで美味しい店があれば知りたくて、じゅんさんのブログを読んでいます。
マルブンさんのパスタ、今までで一番良かったです。(パスタに関しては、そんなに食べ歩いてはいませんが)トマトソースが甘くて美味しかったのは三豊市 高瀬町のアルデンテですが、麺の茹で加減はマルブンさんが良かったです。味も理想通りでした。
トマトケチャップと胡椒が効き過ぎるナポリタンが多かったので、あっさりで嬉しかったです。

追伸です

ナポリタンの事ですが、アルデンテさんで食べたわけではありません。他店(喫茶店か食べ放題の店)で食べたのが、味が濃過ぎました。
みなと食堂さんの記事で、違う話題を書いてごめんなさい。こちらのうどん、つるっとしてそうで食べてみたいです。
質問があります。もちっとしていて、のど越しが良いのが官能的なうどんの定義なんですか?宜しくお願いします(^o^)

官能うどんの定義

わたうさぎ様

今回は、私が提唱している「愛媛官能うどん」というテーマに絞ります。

先ずその前に、湯がき置きの麺を出す「うどん屋」さんは、殆ど経験がありません。
私がお訪ねしている「うどん屋」さんは、客の注文が入ってから、麺を釜に入れて湯掻かれます。ですから、わたうさぎさんが書いておられることが、不思議に思います。

次に私もGoogleで「官能うどん」を検索してみました。すると、私が書いた記事が上から4番目に出ていますね。

「官能うどん」を提唱されている方それぞれが、各自の定義をお持ちだろうと思います。

私が言っている「官能うどん」とは、麺に関してですが<肌はあくまでも白く、艶と張りがあって、しかも角が取れている>です。

讃岐うどんを形容するときに使われる「エッジが立っている」麺とは、対極に位置すると思います。

或いは、そのキーワードは「色艶」、「色気=セクシー」でしょうか。

喉越しについては、艶と張りがあれば自ずと良くなると思います。モチっとした食感は、肌が白く色気・セクシーに通じるでしょう

もちろん、「うどん麺」も生き物ですから、鮮度も大切です。茹で置きなど言語道断です。湯掻きたて、締めたてであることは当然だと思います。

昼食時に、お客さんが沢山、来ますよね。すぐ食べられるように作り置きしてるんですよ。それが無くなったら、次の麺を湯がいていました。
まったく作り置きの麺が無くて、注文を聞いてから湯がくのは、逆に見た事が無いです。
作り置きの麺は、かけうどんにする場合が多くて、さっさと食べて仕事に戻る人用だと思います。
出来立てを食べたいなら、注文時に言わないと駄目みたいです。セルフなら、なおさら難しいかもしれません。混む時間帯は避けますね。
でも、空いてる時間に行っても、作り置きの麺が残っていたら、それを使われる事があるので、湯がきたてで、かけうどんにして下さいと言わないといけません。めんどくさいでしょ?
じゅんさんの行かれるお店は、注文してから湯がくから羨ましいです。それから、愛媛の官能うどんの定義を教えてくれて、ありがとうございました。

う~~~ん

わたうさぎ様

わたうさぎさんの悩みは、大変に皮肉なことかも知れませんが、うどん王国「讃岐」ならではの光景のようですね。

愛媛では、入れ代わり立ち代わりお客さんが殺到して、茹で置きしていなきゃ間に合わないなんてお店ありませんもの。

少なくとも私が行く「うどん屋」さんは、湯掻きたてが当たり前なので、逆に「さすが、讃岐だな!」って感心しました。
プロフィール

じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード