大洲市「臥龍山荘」を見る ①

今日が、丁度”900号”のアップになります。


このブログを始めてから、2年と1ヵ月、取り合えず”通過点”ということで。


さて、今日から3回のシリーズで、大洲市が誇る文化的歴史的建物の”臥龍山荘”をご紹介します。


ご存知の方は多いと思いますが”臥龍山荘”は、旅行ガイドブックとして世界的に有名な「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(最新版)で、県内では”宇和島城”とともに★(一つ星)に選ばれました。


ちなみに、愛媛県内で「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に選ばれている単独の施設は、三つ星(★★★)では”道後温泉本館”、二つ星では”松山城”、一つ星では”石手寺”と”内子座”です。


今年5月の改訂版で、その一つ星に”臥龍山荘”と”宇和島城”が追加選定されたというわけです。

外観石垣1   先ず、”臥龍山荘”に入る前の外観から見ていきます。


”臥龍山荘”には、”臥龍院”(がりゅういん)、”不老庵”(ふろうあん)、”知止庵”(ちしあん)の建造物がありますが、この画像は”臥龍院”を外から見たところです。


自然石を細工をしないまま組み合わせて立てられている石垣と、その上の黄土色の土塀のコントラストが素敵だと思いました。


また、画像の右上に垣間見える臥龍院の”重層な茅葺屋根”が見えています。

外観石垣から木2   この”臥龍山荘”は、大洲を流れる肱川一の景勝地である”臥龍淵”を望むところに建てられています。


敷地面積は約3000坪。”肱川”や”冨須山”(とみすやま)を借景とするよう、綿密に計算されて建てられていて、季節ごとに移ろう自然との調和が最大のポイントです。


ですから、石垣の間から木の枝が伸びているのも計算されての結果かもしれません。


シリーズの最後に、”知止庵”をご紹介しますが、”知止庵”の支柱の中の一本は自然木で作られています。

臥龍山荘門3   こちらが”臥龍山荘”の入口(門)です。


”臥龍山荘”の建っているこの地は、元々大洲藩主加藤公の遊賞地として庭園が作られていた所です。


庭園が造られたのは、文禄の世と言いますからまだ安土桃山の時代で、今から”400年以上昔”の時代です。

外観石段4   造園当時には、吉野の桜などをわざわざ取り寄せたといいますから、当時の武将や大名たちの憧れの地、京都の文化を意識した庭園だったのでしょう。


時代が下り、明治の貿易商”河内寅次郎氏”が明治30年頃にこの名勝地を買い取り、10年の歳月をかけて建物を建築し、庭園を整備したそうです。

臥龍院5   河合寅次郎氏は、大洲市の新谷の出身で、明治時代に大洲の名産品である”木蠟(もくろう)”を外国人向けに工夫し、神戸から海外に輸出し一代で財を成した人です。


画像の”臥龍院”は、京都の”桂離宮”などを参考にし、書院造りと数奇屋造りを調和させた建物だそうです。

軒先6   この重層な”茅葺屋根”をご覧下さい。見ているだけで、自然に心が落ち着き安らいできます。


話はちょっと飛躍しますが、明治以降、日本は西洋化を目指し、”合理的”で”便利なもの”が優れているという価値観を下敷きに世界的に見れば比類ない速さで近代化を遂げました。


それらの”合理的=便利なもの”という考え方は、現在まで日本の産業界にみならず、我々の生活の隅々まで流れている共通の価値観と言っても過言ではないと思います。


ところが、”臥龍山荘”の三棟の建物や庭園を巡ってみると、”合理的”なものの否定という考え方が日本文化の底流にはあるのではないか、ということに気がつかされます。


室内の壁には、一部分ですが敢えて土壁や漆喰を塗らず、壁の地肌をむき出しにした造りなどがあります。


廊下の床は、見事な大木の一枚板を使ってありますが、その表面に薄く線状に溝を作り、何枚もの普通の板を張り合わせて作ったかのように細工されていたりします。

庭から軒先7   構造物も、釘を一切使わず木組みで作られているのに、わざわざ普通の技術で作ったかのように”飾り釘”を表面に打っていて、今の合理的な見方では、あえて無駄と思われることに心を砕いて作られています。


敢えて、便利さや快適性から決別し、不便なこと、使い勝手が悪いことに””を見出したところが、この”臥龍山荘”の思想ではないか?


つまり、”詫び寂び”の世界を尊ぶ”美意識”ですね。


そんなことを考えながら、庭を散策しました。

中庭5   そこには、近代文化=「自然環境を克服し人の力で快適性と便利性を作り出す」という思想とは対極にある価値観を感じました。


借景”といって、肱川や冨須山の自然景観を取り入れたのは、自然環境の中に自分の身を溶け込ませるという考え方からの発想ではないか?とも思いました。


決して、自然に挑まない、逆らわない、在るがままを受け入れて共存する、それが”臥龍山荘”を支えている考え方ではないでしょうか。





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じゅん

Author:じゅん
愛媛の松山から、「愛媛グルメ紀行」や「愛媛の歴史」など、幅広いテーマで情報発信しています。日曜日を除く毎日更新。画像も豊富。
長いサラリーマン生活に終止符を打ち、還暦をとうに過ぎた2014.12.1に起業して社長になりました。

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